代替エネルギー

石油がなくなると私達の生活・社会・文化は崩壊してしまう恐れが高い。これを避けるためには石油に代わり得るエネルギー源、代替エネルギー(新エネルギー、再生可能エネルギー)を開発しなければならない、そこで現在提案されている代替エネルギーにはどんなものがあるのかをおさらいしてみよう。 代替エネルギーとしては、発電関係の種類が多いので、先ずは発電方式を列挙すると、 風力発電、地熱発電、潮汐発電、海洋温度差発電(濃度差発電と言うのもあるようだが省略)、太陽電池、燃料電池、等がある。その他では発電とは直接関係がないが、バイオマス。これらを順番に見ていくことにしよう。 1. 風力発電 最近良く見かけるようになった風車。炭酸ガスはもちろん出さず、運用費も少ないので急速に普及している。今後も増え続けるものと思われる。しかし、問題も指摘されている。 (1) 騒音 よく問題になるのは風車が空気を切る「風切り音」で...

文明史的に見たエネルギー戦略の将来(3)

前回の文明史的に見たエネルギー戦略の将来(2)に続く 今回は、アクエリアスこそが、資本主義のゼロサムゲームから人類を脱却させ、新しい文明の位相を生むために必要なことを検討したい。 前号で、シーパワーの発展には、技術革新のみならず、株式会社や海上保険に代表される、「リスクの分散」制度が必要であり、これを生み出せなかった「明」は、結局はランドパワーに回帰し、これを生み出した西欧は、その後アメリカにいたる「資本主義」を生み、現代まで続いている。  この点が「皇帝の船」と「資本家の船」の相違であり、皇帝の船は一代限りだが、資本家の船は資本の出し手がある限り永続し、場所を変え、時代を超えるのだ。そして、この「リスク分散」を担保する根本的制度が「会計」だ。  会計の始原は、地中海海上交易のため、14世紀前半の北イタリア地域で誕生後、都市間の商業ネットワークに載ってそれぞれの都市において相前後して確...

文明史的に見たエネルギー戦略の将来(2)

前回の文明史的に見たエネルギー戦略の将来(1)に続く  アクエリアス(水素文明)の文明史的意義を検討したい。まず、文明とエネルギーには、どのような関連があるのだろうか。前号で述べたように、アクエリアスは第4次エネルギー革命だ。その前段階として、木炭を用いた火の使用、化石燃料(石炭や石油)の使用、そして核の使用という、3次に渡るエネルギー革命を人類は経験してきた。  それぞれの時代において、エネルギーは移動と軍事により多く消費されてきたと言える。薪を使って起こした火(木炭)が、主要なエネルギーであった時代は移動は、馬やラクダや帆船が主流であったが、火薬を生んだことで大砲や鉄砲を実用化した。産業革命の原点は、木炭から石炭コークスに燃料を切り替えた所から始まる。つまり本質的には動力革命なのである。木炭よりははるかに強力なエネルギー源である石炭が、銑鉄の製造に使用されなかったのは、石炭が硫黄を含ん...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL125

今回は、米国政府が断定した、北朝鮮によるドル札偽造問題について検討したい。 アメリカが、北朝鮮に対する制裁に真剣なのは、実は核実験したからではなく、ドル札偽造による、基軸通貨の信用毀損を防ぐためだ。通貨の信用を毀損する行為は、核による攻撃を受けること以上の、安全保障上の問題であるという認識が根底にある。 まず、アメリカが世界の覇権国であるといえるには、相応の軍事力とそれを支える経済力が必要だ。そして、現在のアメリカを考えてみれば、「経済力」と呼べるものはほとんどなく唯一、ドルが「基軸通貨」であるという一点でもってのみ世界を支配している。この基軸通貨とは一体、何であろうか。 はっきり言えば、基軸通貨は国連やその他の国際機関で公式に承認して決定したわけではなく、国際為替相場での取引が多い通貨を、一般に主要通貨(Major Currency)と呼ぶ。具体的には、米ドル、ユーロ、円、ポンド、スイス...

文明史的に見たエネルギー戦略の将来(1)

今回は、来るべきアクエリアス(水素文明)の文明史的な意義について、検討してみる。  まず、人類は火の使用により、照明・暖を取る・獣から身を守る・食物に火を通すなど多くの利益を得た。「火の使用により初めて人類は文明を持つ余裕を持てた。」と考える人もおり、火を文明の象徴と考える人もいる。その後も火は人間の生活の中で非常に大きな地位を占め、水の供給と共に火を起こすための燃料の確保は全ての時代において政治の基本となっている。  これを第一のエネルギー革命と考えると、火の使用は人類と動物の分岐点となったといえよう。この火を主要なエネルギーとする時代は古代から中世を通じて変化せず、この時代の人類の歴史の動きはどちらかといえば、緩慢だった。交通や通信手段は馬やラクダであり、シルクロードに代表される交通路を制した勢力が覇権を握る、いわゆるランドパワーの時代といえる。  次に、重要な変革は、イギリスで起きた...

ロシアの人口減少

ロシアの人口減少 現在地球の8分の1に渡って広がるロシアの人口はエイズ、結核、アルコールと薬物濫用により、1億4200万人となっています。 ロシア国民は工業汚染、世界最速のエイズ流行、結核、心血管疾患、アルコールと薬物濫用、喫煙、自殺という致死に屈服し、妊娠中絶は100,000件以上を超して昨年、出生数を追い越しました。公共のヘルスケアは崩壊しており、出産適齢の約10,000,000人のロシア国民は、失敗した妊娠中絶または不健康のため不妊症です。ロシア議会上院議長であるSergei Mironovは昨年、人口減少の傾向が変わらなければ、人口が2080年までに52,000,000人に減少するだろうと予測しました。旧ソビエト共和国からの部分的な人々の流入ではそれを相殺できません。ロシア男性の平均寿命は59歳(ロシア女性の平均寿命より14歳も低い)で、アメリカ男性の平均寿命よりも16歳も低いの...

若者はなぜ会社をやめるのか

若者はなぜ会社をやめるのか 一部上場企業に勤める高校時代の友人(A君)から数年ぶりに電話連絡があった。「最近、どないしてるんや。元気にしてるか。俺のことやねんけど、2年半働いた職場を辞める事にするわ。」と彼、「でもおまえ、働きだしたばっかりの時は結構充実してるって言ってたやん? 一体何があってん?」と私、そして「もともと俺のやりたい仕事やなかったし、この先にこの会社に居続けても先が見えへんし、時間がもったいないような気がしてな。閉塞感もあるから辞める事に決意したんや。」A君に根性がないわけではない。高校時代を通じて見た彼の印象は努力の塊のような人間であった。死んでも離さないという執念の末、某有名私大の政治経済学部にトップ合格している。そんな彼からの発言であったので少し意外な気がした。が周りを見渡せば入社3年未満で多くの友人が入社した会社を後にしている。いずれも優秀で知られた人間ばかりである...

近自然学ビデオ講義録(14)

全15回にわたり山脇正俊教授による近自然学の特別講義を放映いたします。本サイトだけのオリジナル講義です。目次:近自然学ビデオ講義録より最新の講義をお選びください。 ...

西田知代

西田知代(Nishida Tomoyo)プロフィール 昭和58年生まれ、神戸出身、御影高校卒、甲南女子大学卒(総代) 大学時代よりカナダ、オーストラリアに留学し自衛隊予備自衛官補を経て予備自衛官となる。現在はアラビア半島を中心に国際的な環境ビジネスに従事している。〔趣味 オーボエ〕 http://www.tokyo-np.co.jp/jieitai/txt/mani040106.html (自衛隊時代の新聞記事) UAEアブダビ国営石油会社と新エネルギー交渉時に撮影(ADNOCビル前にて撮影)  ...

対談レポート1:江田島孔明(2)

地政学とはそもそも一体、何なのであろうか。まずはその定義から確認していきたい。 地政学とは、地理的な位置関係が国際関係に与える影響を研究する学問である。イギリス・ドイツ・アメリカ等で世界戦略に科学的指針と正当化を与えることを目的とした学問[wikipediaより] 地政学とは端的に言えば、大国の世界覇権のために拠り所となる学問である。 帝国の植民地主義政策も破綻して相当長い年月過ぎた。それにも関わらず、世界征服を目指す悪魔の学問を学校の必須科目にすべきだという主張は、憲法9条を改正すべきだという主張と同じくタブー視されるにちがいない。第二次世界大戦が終了して、日本国は戦争に関するあらゆるものに対して、見ざる、言わざる、聞かざるを決め込んでいた経緯もあり意図的に排斥されてきた。 一方、ロシアやアメリカなどの連合国では連綿として国際政治の中にその学問が応用されている。相手の戦略を知り、対策を講...

連載コラム6 楽園ロタ島:太陽の恵みを活かす(後)

連載コラム5「楽園ロタ島:太陽の恵みを活かす(前)」からのつづきである。 十分にある太陽の恵みだが、あるだけではダメで、上手く利用したい。そこで今回は太陽エネルギーをどう利用したら良いのか、ロタ島にフォーカスしてお話しよう。 ********** 6.ロタ島での水素エネルギー ロタ島には太陽エネルギーが十分にある。しかし、その持続的有効利用のためには守らなければならないいくつかの原則がある。 前回お話したように、太陽エネルギー(分散性)の有効利用のためには、石油など(集中性)と同じやり方ではダメなのだ。つまり、頭の切り替えと、全く違うテクノロジー(科学技術)が必要となる。にもかかわらず、今まで通りの(従って石油のための)やり方で押し通そうとすると、いずれ破綻する。それは自然の摂理に反するからだ。 ロタ島は世界最先端のテクノロジーによる...

なぜ資本主義はヨーロッパで誕生したのか

なぜ近代資本主義は、世界の他の地域ではなくて、ヨーロッパから始まったのか。マックス・ウェーバーは、プロテスタンティズムの倫理、遡っては、古代ユダヤ教のエートスにその原因を求めた。ウェーバーは権威のある社会学者で、この説は、社会学界では定説のようになっているが、私は、これとは全く異なる仮説からウェーバーが立てた問いに答えたい。1. ウェーバーの宗教社会学的説明マックス・ウェーバー晩年の代表作『宗教社会学論集』の冒頭は、次のような問題提起から始まる。Universalgeschichtliche Probleme wird der Sohn der modernen europäischen Kulturwelt unvermeidlicher- und berechtigterweise unter der Fragestellung behandeln: welche Verke...

わかっちゃいるけど、やめられない

わかっちゃいるけど、やめられない 「こりゃシャクだった」(1961年)のB面として植木等が歌って大ヒットした「スーダラ節」の中にある一番有名なフレーズが「わかっちゃいるけどやめられない」というものです。 医者から酒を飲むなと言われているのに飲んでしまうとか、ギャンブルはだめだと妻にきつく言われているのに競馬場でスッカラカンになってしまう。。。だめ人間まっしぐらな人が言い訳がましくこの言葉を口にします。「人間というものはそういうものだと、親鸞が語っている」と植木等の父(僧侶だそうです)は言っていたそうです。ちょっとした悪い習慣なら笑って済ませられますが、多重債務者や連続窃盗犯がこのフレーズを言うとシャレになりません。 ダイエットをするためでも、糖尿病で食事制限をしているでも良いのですが、一日に食べる量を減らせと医者から言われたとき、2週に1回は羽目を外す食事をした方が良いケースがあります。ひ...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL124

<中近東諸国調略の鍵> http://www.teamrenzan.com/archives/company/masdar.html 「アラブ首長国連邦アブダビ首長国のMASDARプロジェクトにおける日本企業参加説明会をご案内申し上げます。」 今回は、前回に引き続き、極東情勢の推移を見ていきたい。 昨今の北朝鮮核実験に際して、評論家の中には、「アメリカを牽制するため、中国が裏で糸を引いてやらせている」だとか、「イラン攻撃を阻止するため極東で北朝鮮を使ってアメリカを陽動している」等と述べているものがあるが、全くの見当違いだ。中国は、東北地方の経済発展とオリンピックの実施が最優先事項であり、そのために、北朝鮮の国家体制が邪魔という立場であるし、かつ、「意図ではなく能力」により評価するという地政学の観点から、国境を隣接する北朝鮮が核保有に走ることを中国は断じて認めるわけはない。北の核保有は、北...

近自然学ビデオ講義録(13)

全15回にわたり山脇正俊教授による近自然学の特別講義を放映いたします。本サイトだけのオリジナル講義です。目次:近自然学ビデオ講義録より最新の講義をお選びください。 ...

対談レポート1:江田島孔明(1)

地政学を知らなければ世界を知ることができない 江田島氏と半年ぶりにお会いしたのは、典型的ともいえるほど清々しい秋晴れが映える東京都、都内某所であった。騒々しい学生街である高田馬場などとは対照的なこの街のとてもシックで落ち着いた感じが、江田島氏にはとても似合っていると思う。ところで、読者の方は江田島氏に対してどのような印象をお持ちであるだろうか? その名前からずばり三国志の諸葛亮孔明を想像される方が大半かもしれない。もしくはもう少し時代をおいて戦国時代に活躍した竹中半兵衛や黒田官兵衛などの軍師を想像されるかたもおられるかもしれない一方、私の氏への印象は幕末に活躍した薩長の浪士のようなものであった。眼光鋭いその視線とその冴えきった舌鋒は馴れないうちは少し怯んでしまう。また一方で私の浅薄な地政学や社会情勢に対する質問に対しても、馬鹿にすることなく真剣にご回答をいただいた。インタビューというより私...

近自然学ビデオ講義録(12)

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オール電化とオールガス化のどちらがよいか

現在日本では、電力会社とガス会社が、一般住宅での顧客獲得をめぐって激しく競争している。かつて、電力会社は電気を、ガス会社は熱を供給して、棲み分けていたが、相互に相手の分野にも進出することで、競合する関係になってしまった。電力会社はオール電化に「エコキュート」、ガス会社はオールガス化に「エコウィル」と紛らわしい愛称をつけているが、本当にエコロジカルでエコノミカルなのはどちらだろうか。 1. ヒートポンプによるオール電化 「エコキュート」の「キュート」には英語の「かわいい」という意味と、「給湯」という意味が込められているそうだ[All About:最近よく聞く?!「エコキュート」ってなに?]。商品のネーミングの妙という点では、エコキュートに軍配が上がるが、ここで問題にしたいことは、どちらがエコなのかということである。 東京電力のサイトには「空気の熱でお湯が沸く」[TEPCO : エコキュートと...

第17回国際クマ会議

10月2日から6日まで、長野県軽井沢町で行われた第17回国際クマ会議に出席した。約44カ国からおよそ320人が参加。アジアで行われるはじめての会議。したがってアジアの各国からの参加も多い。 アジアには世界に生息する8種のクマ類のうち6種(ジャイアントパンダ・ホッキョクグマを含む)が生息している。極東ロシア、中国、韓国、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、マレーシア、インドネシア、スリランカ、インドなどの研究者から発表があった。 ツキノワグマはなんとなく日本固有種かと思っていたが、インド・東南アジアに広く分布していることを知った。同時にヒグマがそれらの地域にいることも知った。 クマに関する問題は全ての国で共通している。 1. 森林の伐採が進み、クマの生息地が減った。 2. 熊の胆、クマの掌、クマの毛皮等をとるための密猟が絶えない。熊の胆、クマの掌、の輸出先は主に中国。 3. 道路の建設に...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL123

<中近東諸国調略の鍵> http://www.teamrenzan.com/archives/company/masdar.html 「アラブ首長国連邦アブダビ首長国のMASDARプロジェクトにおける日本企業参加説明会をご案内申し上げます。」 今回は、北朝鮮の核実験の影響と、今後の展開について検討してみたい。 まず、重要な点として、ランドパワーとシーパワーの接点であり、緩衝地帯でもある北朝鮮が核を保有することで、どのような地政学上のパワーバランスの変化があるかだ。北朝鮮の核は小型であり、ミサイルへの搭載が不可能なようで、現時点での運搬手段は航空機か艦船に限られている。つまり、第二次大戦のアメリカの保有したリトルボーイやファットマンと同じだ。このような状況では、核兵器をもったところで投射能力の関係から、影響がある範囲は限られる。その範囲とは中ロ韓だ。アメリカには到底到達しないし、日本について...

祖国を想う

祖国を想う 1年数ヶ月の海外での滞在を終えて、日本に戻ってきた。ロタ島でのSPAMハムにもうんざりしていたので、コンビニの弁当でさえもとてもおいしいものに感じることができる。さすが日本だ。日本の食べ物は世界でも最高であると思う反面、日本の異常な雰囲気を感じることができる。電車に乗っても、人に活力がまるで感じることができない。 新宿の街を歩いてみた。とても廃頽的な雰囲気が漂っている。酒を飲み、周囲も構わず絶叫するサラリーマン。合コンに明け暮れる学生たち。生活のリズムが非常に短期的な願望に渦巻いている。世の中がものすごい早さで激動しているにも関わらずである。アメリカによるイラン攻撃の噂がまことしやかに語られている。中東に原油の80%以上を依存する日本は「潜在的な問題地帯」とされるホルムズ海峡を遮断される恐怖をどれくらい考えているのであろうか。 ホルムズ海峡 核実験を始めた北朝鮮問題も同様である...

連載コラム5 楽園ロタ島:太陽の恵みを活かす(前)

キラキラ輝く太陽はロタ島の宝! さんさんと降り注ぐ陽の光に心が解放されて気持が良いのは、太陽が我々の命をはぐくんでくれていると、無意識に感じているからだろうか。太陽の光や熱によって、風がそよぎ、大気や海や大地が暖められ、植物や動物たちが大きく育つ。そんな太陽の恵みを受けて育った旨い食物について、前回の連載コラム4「楽園ロタ島:清水と旨い食物」ではご紹介し、「食の自立」を目指そうと提案した。 そしてそれが「太陽エネルギーの有効利用」と「脱石油」につながるというお話をした。なにやら「風が吹けば桶屋が儲かる」的な展開と感じられたであろうか? そこで、今回、エネルギーについてさらに詳しくご説明しよう。 少々長くなるので、前後2回に分けることにする。 ********** 1.太陽エネルギーとは そもそも、太陽エネルギーとは何なのか? 地球から約1億5千万キロメートル(149,600,00...

日本円を刷って刷って刷りまくれ

日本では公共事業として、道路や箱物といわれる建物などを作ることで、雇用を確保し、景気にてこ入れをしてきました。アメリカのように他国に戦争を行い、破壊の後の復興支援を行うやり方ではないため、数百年にわたって怨みを世界中に撒き散らさずに済みました。その結果、地方も含めた日本の借金が1000兆円を越える事態となり、まっとうな方法で借金を返済することは不可能です。 政府の予算は、歳出が80兆円以上あるのに、歳入は約50兆円しかありません。差額は借金でまかなっています。借金が雪だるまのごとく大きくなっていて、10年前の2倍以上となっています。日本国債は家宝として換金することなく家宝として永久に保有しなさい(笑)という荒業を使って、日銀に引き受けさせるつもりなのでしょうか。政府の役人達が奇跡的な方法で借金を解消することはないでしょう。彼らが考えているのは、(1) どうしたら責任から逃れられるか。(2)...

近自然学ビデオ講義録(11)

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2003年のヨーロッパの熱波

2003年のヨーロッパの夏は、観測史上最も暑い夏となり、熱中症などで2万人以上が死んだと推定されている。2006年の夏も再び尋常ではない熱波がヨーロッパを襲っている。この異常な熱波 の原因は何なのか。温室効果ガスの濃度の上昇による温暖化だけで説明できるのか。他にも原因はないのかどうか考えてみよう。 1. 原因は温室効果ガスか ヨーロッパの熱波の原因を温室効果ガスの濃度上昇に求める人は多い 。例えば、フランスの中央科学研究所の気象学者、エルベ・ル・トルは、熱波は地球温暖化の結果だと言っている[Common Dreams:Global Warming, Not Just Heat Wave]。 イギリスのハドレーセンターは、自然発生的な側面もあるとして、直接的な因果関係を否定しつつも次のように言っている。人為的な気候変動がなければ、極端な温暖化イベントは、おそらく1000年に1回程度と、極めて...

近自然学ビデオ講義録(10)

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世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL122

今回は、最近起きた日本のエネルギー政策についての、大失敗について検討するとともに、あるべきエネルギー戦略について考えてみる。大失敗とは、いうまでもなくサハリン1、2及びアザデガンだ。サハリン1は米エクソンモービルが主導する資源開発プロジェクトであり、サハリン2は、サハリン北東部沖大規模プロジェクトであり、ロイヤルダッチシェル・三井物産・三菱商事が出資するサハリンエナジー社が事業主体となっている。 サハリン1及びサハリン2の開発プロジェクトは、不安定さを増す中東諸国への原油輸入依存率が90%を超える日本にとって、安定的なエネルギー資源輸入先の確保や多様化を進める上でとても重要な意味合いを持つプロジェクトであった。  それだけに、これまで三井物産や三菱商事は年間1,600万トン近いLNG(液化天然ガス)を輸入している東京電力や東京ガス、といった大量のエネルギーを消費している大口顧客との契約を取...

ロタ島の生活:理想の別荘地(後編)

最適な別荘地のための条件5:リスク分散 前回のおさらいですが、ここ十年以内に日本で東京都直下型地震もしくは東海地震などが起こる可能性は極めて高いと言われています。また財政破綻やそれに伴う預金封鎖(※1)の可能性も生じています。この不安定な時代において、これから団塊の世代の人々が別荘を選択する際に検討する条件として最も重要なのは、リスク分散だと思います。日本の地震も財政破綻も関係がない海外居住地に資産を移動して、現地のリタイアメントビザを取得後、海外の別荘地で生活するというのも悪い選択肢ではないでしょう。北朝鮮などとの戦争リスクにも備えて核シェルター付きの海外別荘というのが、さらに望ましいかもしれませんが。 北朝鮮は、9日午前、地下核実験を安全に実施したと発表しました。これは、朝鮮中央通信が9日午前11時50分ごろ配信したものです。それによりますと、北朝鮮は、科学研究部門で地下核実験を安全...

連載コラム4 楽園ロタ島:清水と旨い食物

1.楽園の飲み物 ロタ島の楽園的飲み物の代表は、湧き水(ミネラルウォーター『ロタクリスタル』)、フルーツジュース、果実酒、ハーブティーなどだろう。 ココナッツ・ジュース(ココナッツ・ウォーター、ココナッツ・ミルク)(注1)には、私自身今まで良い印象がなかったのだが、ロタ島の物はココヤシの種類が違うのか、旨いものを見分ける力量のお陰なのか、トライした3回とも旨かった(写真)。このココナッツ・ジュースは発酵させてココナッツ・ワイン(注2)となる。口当たりが良く芳醇な風味の素晴らしい飲み物だ。 ロタ島独特の果物の一つにロタレモンがある(写真2枚)。日本のミカンを小粒にしたような色と形だが、味はライムに近い独特の香りと味わいがある。ジュースとしても、またビールなど他のドリンクに絞り落としても旨い。 ********** 2.楽園の食べ物 島でとれる山海の珍味が楽園の食べ物だ。それは、島内産という...

米国の住宅バブル崩壊

米国株式市場は金利の低下を見込んで、商品相場の下落を横目に上昇しています。10月4日の終値で、2000年1月14日につけた終値の過去最高値(1万1722・98ドル)を上回って取引を終えました。ITバブルを超えた瞬間です。 一方で、個人消費の源泉である住宅価格は10年以上続いた上げ相場が終わり、下げに転じています。8月の中古住宅販売価格が全米平均で-1・7%という指標が発表されています。米国の場合、住宅を担保に借金をして消費したり、新たに住宅を購入しているため、住宅価格が上がれば個人消費が伸び、住宅もどんどん売れ、景気がよくなり、さらに住宅価格が上がるという好循環が続いていました。ですが、これが逆回転したらどうなるのか? 米国の景気は一気に冷え込みます。景気の指標が悪いものが出ているのにも関わらず、市場はどんどん上げていく・・ちょうど1989年夏の東京市場に似ています。昭和バブルが崩壊したの...

近自然学ビデオ講義録(9)

全15回にわたり山脇正俊教授による近自然学の特別講義を放映いたします。本サイトだけのオリジナル講義です。目次:近自然学ビデオ講義録より最新の講義をお選びください。 山脇正俊教授による連載コラム4 楽園ロタ島:清水と旨い食物は予定日を変更して日曜日に放送させていだきます。ご了承ください。 ...

脱ダム宣言は間違いだったのか

田中康夫氏を長野県知事選で破り、新しく知事に就任した村井仁氏は、田中氏の「脱ダム宣言」を批判し、ダム建設の検討に入る考えを示唆している。しかし、ダム建設は本当に必要なのだろうか。ダムが、洪水調整、水供給、発電といった目的を果たす上で最善の手段であるかどうかを検討しよう。1. 洪水調整2006年8月に行われた長野県の知事選挙は、その前の月に岡谷市で豪雨災害が起き、7名の死者を出したために、「脱ダム宣言」を掲げていた田中康夫氏にとっては厳しいものとなった。元衆院議員で防災担当相を務めた村井仁氏は、必要な公共工事を削減したツケだと田中行政を批判し、当選した。 村井仁知事は、ダム建設を再開する予定である [読売新聞:長野県が脱「脱ダム宣言」,2006年9月27日] 。日本でダムを建設する主要な目的は治水である。大雨で洪水や土砂災害が起きるたびにダム建設の必要性を叫ぶ人がいるが、しかしながら、岡谷市...

ホタルを殺した護岸工事

ゲンジボタルが生きていける条件をまとめてみると以下のようになる。 1. 成虫 飛ぶ空間がある。 風当たりが弱い。 人工照明がない。 木陰で休息できる。 2. 卵 水際にコケが生えている。 3. 幼虫 水質が安定している。 酸素が水中に沢山溶け込んでいる。 農薬や家庭排水が混じっていない。 瀬や縁のある多様な河川である。 水系全体が長期間安定している。 カワニナが沢山住んでいる。 カワニナの餌(珪藻、植物の葉、野菜クズなど)が沢山ある。 4.さなぎ 中州や岸がある。 土がありしかも土質がさなぎに適して柔らかい。 岸辺が長期間安定している。 これらの条件のどれか一つでも欠けるとホタルは生きていけなくなる。ところが行政が従来進めてきた河川改修は、これらの条件を真っ向から否定するものだった。もちろん、行政が河川改修を行ったのは、ホタルを滅ぼすためではなく、降った雨をなるべく早く海に流して、洪水を防...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL121

前回で、来るべきアクエリアスの時代において、米国や英国との提携が必要な点を検討した。米英はそのもてる技術で、必ずやブレークスルーを起こし、アクエリアスを実現するだろう。米国の保有する原子力空母等は、実は軍事目的以外にもそのまま、原子炉の空き時間を使って海水の電気分解をし、水素を生成する等の運用ができ、「水素の島」構想には最も向いているし、安全性も商用の原発よりも高いだろう。例えば、グアム島を原発の母港として、退役した原子力空母や実働空母の遊休時間を使って、海水の分解から水素を生成し、日本までもってくるということも考えられる。コスト面で空母の削減が叫ばれている今日、米海軍にとっても、渡りに船のアルバイトになるだろう。 今回は、英米シーパワーの武器としての、「金融」について、考えてみたい。シーパワーとは、以前見たように、海峡(チョークポイント)を支配することで、世界を支配しようとする。目指すと...

ロタ島の生活:理想の別荘地(前編)

最適な別荘地のための条件1:気候 2007年から2010年にかけて団塊の世代が一斉に定年退職期を迎えることになります。そのためセカンドライフに向けた別荘地の購入が密かなブームになっているそうです。別荘と言えば軽井沢、軽井沢と言えば別荘というイメージがありますが、現在どのような地域が別荘地として人気があるのでしょうか。また団塊の世代がセカンドライフに別荘を決める手段とは一体何なのでしょうか。   団塊の世代が大量に退職する時代を前に、「別荘」の人気が急上昇している。戸数で見ると、ダントツに増えているのが静岡県だ。なぜ長野や山梨ではないのか。その鍵は団塊の世代の別荘の「購入目的」にあった。定年退職を間近に控えている人たちのあいだで、別荘の人気が急上昇している。実際に別荘の不動産を扱う企業に聞いても、別荘の購入者は、その8割近くが50代~60代だという。[団塊の別荘ブーム 伊豆、熱海がダントツ...

連載コラム3 楽園ロタ島:そのヴィジョン

1.ヴィジョンとは何か? ヴィジョンとは理想像とそれを思い描くこと。つまり、我々の求める理想状態を、具体的な像としてイメージすることだ。何かを実現しようとする場合、具体的な形をイメージできるなら、ほぼ90%、事はなったも同然だ。あとはそのイメージを実際の形にする作業があるだけだとも言える(注1)。 ヴィジョンが重要なのには、2つの理由がある。まず第1点は、理想像をイメージすることが、何かを実現するという我々の創造的プロセスの重要な根幹をなすこと。そして第2点は、プロジェクトなどにおいて、右往左往するムダを減らすこと(図左)。つまり、効率を上げることだ。闇夜の航海での北極星や南十字星のような道しるべとなる明確なヴィジョン(理想像)がなければ、右往左往は必然であろう(図右)。いや、自分たちが右往左往していることすら気付かないだろう。それは右往左往と分かる明確な基準が存在しないからだ。 ...