連載コラム11 楽園ロタ島:ランドシャフトで楽園を創る

前回の連載コラム10では、その建設について(再び)議論されているカジノ・プロジェクトについてお話し、楽園ロタ島での新しい観光のあり方を提案した。今回は、ロタ島に気持よい楽園を創るために、島の自然や環境、そして構造物(市街地、道路、建物など)に対する直感的で簡単な評価法について、近自然学から提案したい。その評価の物差しとなるのが『ランドシャフト』という新しい概念だ。 ********** 1.楽園は『気持よい』所 皆さんは『楽園』と聞くと、をどんな情景をイメージされるだろうか? いずれにしても、静かで、きれいで、自然豊かで、居心地よく、快く、そして気持よい場所だろう。そしてそれはある特定の人だけに当てはまるのではなく、楽園に住むすべての人たちに共通のことに違いない。 楽園をヴィジョン(理想像)としたロタ島では、当然のことながら、住んで気持よい場所の実現を目指す。どうしたら、そんな素...

【対談】 日本の若者に未来はあるか(4)再チャレンジ支援策

永井俊哉と峯山政宏による四回にわたる対談の第 四回目。安倍内閣は、再チャレンジ支援策の一環として、年長フリーターの正社員化を推し進めているが、この政策は正しいのか、これからの労働はどうあるべきかを論じる。 永井俊哉(左)& 峯山政宏(右)峯山:前回は、前置き的な議論が長くなりましたが、今回は、最終回ですから、若者の雇用の問題を正面から捉えたいと思います。永井:バブル崩壊後の不況のおかげで、新卒の就職は、長い間、超氷河期と呼ばれるほど厳しい状況が続いたのですが、2002年以降は景気がよくなり、今では企業が人材難で悩むほどで、新卒の就職難の問題は、過去の話になりました。他方で、この10年間の超氷河期に正社員になれずに、フリーター生活を余儀なくされている、25-34歳の、所謂「年長フリーター」の存在が大きな社会問題となっています。 峯山:景気がよいのであれば「年長フリーター」を再雇用するというこ...

石油枯渇後の世界

石油がなくなり、石油に代わる代替エネルギーが開発されなかったらどのような世界になるだろうか?ちょっと頭の体操をしてみよう。 1.ジェット機はなんらかの燃料によって飛び続けるだろうがその価格は高騰するだろう。一般の人が現在のように気楽に外国の観光旅行に出かけることはできなくなるのではないか。 ということは一般の人は再び蛸壺に戻り、世界を認識できなくなることを意味する。文化の違いを認め、その価値を受け入れることはなくなるだろう。一つの国の文化を絶対的なものと考え、偏狭なナショナリズム、愛国心が復活することだろう。 一部の国で理不尽な政治が行われても現在のように国際社会の批判を浴びることは減るのではないか。少なくとも一部の世界を理解している人たちが批判しても一般大衆の賛同は得にくくなると思われる。 2.世界が消失すると言うことは、現在でも機能不全が疑われる国連がさらに存在意義を失うことになりかね...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL129

今回は、イラク戦争の結果が見えたことで、遂に始まった、NATOの発展的解消及び、海洋国家連合結成と中東問題につき、前例としての3C政策と3B政策との対比において、検討してみたい。 <参考> ------------引用-------------- http://www.asahi.com/international/update/1122/005.html?ref=rss NATO、日本など「グローバル・パートナー」承認へ 2006年11月22日10時11分  米国務省のバーンズ次官は21日、ラトビアの首都リガで来週開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、NATOの加盟候補国ではないもののアフガニスタンなどで密接に協力する日本や韓国など5カ国を対象に、「グローバル・パートナー」と名づけた新たな協力国グループとして組織、共同訓練などの活動を強化するよう米国として提案する、と明らかにし...

ロタの近況2

ロタの街並 ロタの最近の町並みは少し刹那的な感じがする.2ヶ月前までは噂でしかなかったロタのカジノ計画。それが現実味を帯びてきているのかもしれない。Rota Casino coming soon!という看板が掲げられていた。日本の駅前のパチンコ店のようなものがロタに乱立するのだろうか? 現在の観光客の数ではとても成功するとは思えないが、自然豊かなロタ島がそのような変貌を遂げるのはどこか寂しい気分になる。ロタ最大のイベントは何といっても、毎年10月に行われるフィエスタである。3日間のうち、2日目に行われる料理の祭典には毎年、子豚の丸焼き、刺身の舟盛り、ケーキ、パイ、デザートなどが山のように教会とロタ市の協賛により提供される。見ているだけでお腹がいっぱいになる。この祭典に限って、グアム、サイパン、テニアン等近隣のミクロネシアからたくさんの観光客がロタに足を運び、ホテルはどこも満室という盛況ぶり...

水素文明を語る(3)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

対談レポート3:永井俊哉

哲学者永井俊哉 永井俊哉氏は哲学者である。三度の飯より本を読み、思考する事が好きだという事だ。また、氏は反骨の精神を持つ哲学者でもある。職を得るために大学に残り、官僚的な学閥社会で汲々とするのは潔しとはせず、下野して、インターネットを通じて自分の学問の業績を公開するという鉄の意思を持つ人間である.大学を離れてから既に13年も経つということだ。その属社会と屈託せずに自分の学問を継続している姿は多くの大学人に感銘を与えるのではないだろうか。私も氏に畏敬の念は払う人間の一人である。氏は常に一人で行動する。一人でいるのが好きだそうだ。家にはテレビも漫画もおかず、読むのは本だけのようだ。しかも小説も読まないというぐらいのハードな人柄だ。氏の浮世離れの度合いは現代の鴨長明といったところだ。氏にはつくづく頭が下がる。最後の対談レポートの締めを永井氏とどのようにするか、氏と私とで共通点が少ないので大変困っ...

連載コラム10 楽園ロタ島:未来のヴィジョンと今日のパン

楽園では働く必要がない。しかし、現実の世界では日々のパン(我々にとってはご飯か?)を得るためにそうはいかない。また、何もしないのも辛いものだろう。そこで今回のコラムでは日々の糧を得ることをテーマに、ロタ島での観光のあり方についても考えてみたい。 ********** 1.楽園というヴィジョン ロタ島のヴィジョン(理想像)は楽園だ。楽園ではあくせく働かなくても生きていける(らしい)。『働かざるもの喰うべからず』という厳しいオキテは、楽園には通用しない。しかしながら、我々には何も仕事をしないという状態も、ほとんど拷問に近いのかもしれない。逆に、お金のためにする仕事も虚(むな)しいではないか。理想を言えば、全ての住民が自分のやりたいことを一生懸命やって、それで社会が維持できることだ。つまり、それぞれが自らの天命と天寿を全うして生きる社会。ロタ島ではこの理想を是非実現したい。 *****...

【対談】 日本の若者に未来はあるか(3)格差社会

永井俊哉と峯山政宏による四回にわたる対談の第三回目。アメリカ型の市場原理主義を導入し、規制緩和を実施したおかげで、日本の社会でも貧富の格差が増大し、格差社会が生まれたといわれているが、本当なのか。再チャレンジ支援策を考える前に、格差社会を考察する。 永井俊哉(左)& 峯山政宏(右)峯山:これまで教育の話をしてきましたが、後半の2回は、就職の話を扱いたいと思います。安倍内閣は、小泉内閣最大の負の遺産と言われる格差社会 の問題を解決するために、再チャレンジ支援政策を打ち出していますが、これについて、永井さんはどう思いますか。永井:格差社会の弊害を言う前に、日本の格差社会がどういうものかをよく見なければいけません。よく、テレビで評論家とかが、規制緩和や自由競争により、社会が弱肉強食となり、強者はますます金持ちになり、弱者はますます貧乏になるから、弱者を救済するために規制の強化が必要だといったこと...

産油国の未来

石油に限らず、多くの資源を採掘する場合、採りやすいところ(=採掘コストが安いところ)から手をつけていきます。また、質が良いものと悪いものが一緒にある場合、質が良いものから先に手をつけます。石油をどんどん採掘していくと、質が良くて採りやすいところの油田は枯れていきますから、将来、質が悪くて採りにくい(=採掘コストが高い)油田からでないと石油がない時代がやってきます。石油価格が高騰していくと、採掘コストが高いところでも採算がとれますから、多少はしのげるかもしれませんが、代替エネルギーにシフトしないと石油文明は行き詰まりとなります。 今、産油国は我が世の春を歌っていますが、自国の油田が枯渇した後はどうなるのでしょうか? 類似の例で、南太平洋のナウル共和国のケースを見ましょう。1906年からリン鉱石の採掘を行い、20世紀末まで、リン鉱石の輸出によって豊かな経済を保っていました。国民は働く必要もなく...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL128

今回も、前回に引き続き、アメリカの選挙結果が今後の世界に与える影響につき、検討してみたい。 まず、伝統的視点に立てば、民主党とは、労働組合やマイノリティといった、社会的弱者を基盤としてきた。産業界では、鉄鋼や軍事といった重厚長大分野が共和党であったのに対し、金融やITといった、隙間産業、新興産業がその基盤だ。非常に大雑把な言い方をすれば、共和党が軍人の政党であるのに対して、民主党は商人の政党という訳だ。 しかし、この伝統的区別も、実際には、かなり、意義を失い、米国内のヒスパニックやムスリムあるいは、無党派層の増大という点で、共和党、民主党に本質的な区別が無くなっている。今回の中間選挙の「共和党惨敗」という結果は、その事を如実に表している。そして、重要な点として、その増大する無党派は、明確にイラク戦争に「No」と言ったのだ。この無党派の増大は、間違いなくアメリカのモンロー化に拍車をかけるだろ...

マスダール計画説明会報告

2006年11月8日、東京・秋葉原のアンテナショップ(アクエリアス)でアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国のマスダール計画について説明会が行われ たので、ここに報告いたします。マスダール計画とは、アブダビ首長国が2006年5月に公表したもので、今後約10年間に数10億USドル(数千億円)を投じて、先端エネルギー技術と持続可能な環境をアブダビ首長国に確立しようとするものです。内容はマスダール計画の概要紹介、水素エネルギーに関する北大教授の市川勝教授の説明、CDMについてチーム連山原亨氏の説明がありました。新聞社及び企業が参加しました。 新聞での報道なお、この日については11月15日付の環境新聞の第一面に掲載されました。左の画像は、11月15日に掲載された記事の一部を引用したものです。[環境新聞社:2006年11月15日号] (第2回説明会のご希望があれば計画いたしますので、この記事...

社長交代のお知らせ

ウェブマガジン「連山」が外国の教育機関に売却される事が取締役会で決定されました。ウェブマガジン「連山」は買収先外国企業によって継続されますが、アクエリアスは閉鎖となります。また代表取締役は、原亨に交代となり、今後は、原亨が暫定代表取締役を務めます。 1. 新代表取締役あいさつ 12月1日からチーム連山の社長をやることになった原 亨です。どうぞよろしくお願いいたします。 ただし、チーム連山は2007年2月末で休業します。ウェブマガジン「連山」は、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイにできる教育法人に受け継がれますので、継続される予定です。引き続きご愛読をお願いいたします。 2. 新社長経歴 1956年 東京大学経済学部卒業   〃  株式会社不二越入社 1963年 同社退社、富士通株式会社入社 1970年 ファナック株式会社出向 1999年 ファナック退社 2006年 株式会社チーム連山代表取締...

ロタの近況1

ひさしぶりのロタ島 2ヶ月ぶりにロタに帰ってきた!Hafa Adai!と大声で叫んでみたい心境にかられたが、高揚する気持ちを抑えつつ、久しぶりのロタもなかなかよいものだと様々な感慨に耽っていた。ロタ空港にいる時はわからなかったが、ソンソン村に到着してみると、ここ2ヶ月の間で、大きな変化がロタに訪れていることが感じられた。ロタ島の中心街で日本統治時代はロタ銀座と呼ばれたソンソン村に人の気配が全く感じられない。何かお通夜のようだ。街全体がサンフランシスコ・デ・ボルハ教会横にある墓地になったかのように思われた。ぽつぽつと人が見られる程度で、これほどの寂寥感は2ヶ月前でも感じる事ができなかった。ただでさえ少ないロタの人口が確実に減っていると肌で感じる事ができる。閑古鳥が鳴いているというのはこの事をいうのだと思った。この数ヶ月の間でロタ島に一体何が起きただろうか? サンフランシスコ・デ・ボルハ教会 ...

水素文明を語る(2)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

対談レポート2:橘みゆき(2)

4. 大統領選挙疑惑 2000年フロリダ州、2004年オハイオ州 アメリカの選挙は開票結果と出口調査の結果ではいつも結果が異なるのだそうだ。その差はカウントされない無効票のためである。しかしその無効票の数が多い事、多い事、ある州ではパンチカードの穴が不完全とか、2回パンチされているとか、何とかかんとかで無効になってしまう。これってなんとかならないんですかと素朴に思う。選挙前にパンチをただしく開ける講義の受講を必修にするとか、本番前に予行練習をさせるとか方法はいくらでもあるのだと思いますが。それにしてもアメリカってWindowsもMacも作った国なのに投票数も正確に数えられないとはとても信じられない。その無効票の絶妙なアシストに助けられて、ブッシュ大統領は2000年、2004年にゴア候補とケリー候補に民主主義に則って勝利した偉大な大統領である。 橘氏の発言 「アメリカって国は、他国の選挙のと...

連載コラム9 楽園ロタ島:自由奔放に生きる!

前回の連載コラム8では、楽園ロタ島の歴史とコミュニティ(地域社会、共同体)についてお話した。ロタ島の楽園を壊さないために、さらにロタ島をもっと楽園にするために、そのコミュニティにおいて「競争から協調への転換」を提案した。今回はその続編とでも言うべきもので、住民が自由にしかも他人に迷惑をかけずに生きることができる方策を提案したい。 ********** 1.楽園では皆が自由奔放に生きる ロタ島のヴィジョン(理想像)は「楽園」だ。楽園には悲惨な環境戦争も、難しいエネルギー問題も、過酷な生存競争も、そして窮屈な規制もない。皆が「自由奔放に生きる」ことができるのだ。 しかし、現実のロタ島には、環境問題もエネルギー問題もある。過当競争や厳し規則はまだないが、このまま行けば間もなく実施されることは目に見えている。そうしなければ、環境悪化を食い止めることができず、住民の生活が厳しくなることを避...

【対談】 日本の若者に未来はあるか(2)教員免許更新制

永井俊哉と峯山政宏による四回にわたる対談の第二回目。安倍首相は、教員免許の更新制に意欲を示しているが、十年に一度講習を受けることで、教員の質が向上するのか。どのように制度を変えれば、学生は学ぶ意欲を持つようになるのか。前回に引き続き、教育問題を考える。 永井俊哉(左)& 峯山政宏(右)峯山:安倍内閣の教育再生のもう一つの目玉に、教員免許更新制がありますね。永井:ええ。中央教育審議会は、既に今年の7月に、免許の有効期限を10年として、期限満了前の2年間に最低30時間講習を受けないと免許を失効させるという仕組みの導入を答申しています。峯山:高等学校を卒業して、10年ほど経ちますが、故郷に戻る際に母校に立ち寄って以前と変わらない顧問の先生にお会いするととても嬉しい気持ちになります。そのような機会が免許更新制になるとなくなる可能性がありますね。私は反対に一票いれます。永井:私は、違う理由で反対です...

石油文明の黄昏

産業革命以前のエネルギー源は、人力、畜力だった。奴隷や農奴は人力だし、ウシやウマは畜力だ。熱源としては薪、木炭、牛糞が使われた。 奴隷の供給源はアメリカ以前は主に戦争だった。負けた国の人たちを奴隷として勝った国に連れてきた。ローマ帝国を底辺で支えたのは奴隷労働であったために、ローマ帝国は絶えず戦争をして新しい奴隷を獲得しなければならなかった。好んで奴隷になる人は居ないので、武力や暴力によって強制しなければ奴隷制度は維持できない。 このようなエネルギー事情を一変させたのが産業革命である。蒸気機関の発明によって石炭が熱源としてだけでなく、動力源として人や家畜に代わって使われるようになった。蒸気機関以前にも水車や風車が一部の地域で使われていたが、これらは利用できる地域が限られていた。石炭の使用がこのような地理的な障害を取り払って、どこでも動力源として利用できることになり、近代文明、近代社会を築く...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL127

今回は、米国中間選挙の結果を受けて、今後のアメリカと日米関係について、考えてみたい。結果として、上下両院で民主党が多数を占めた。上院は、日本では接戦などと報道されているが、 改選分は全体の3分の1の33議席。非改選とあわせて民主51vs共和50で、多数派を民主に取られてしまった。 そのうち24が民主で共和はわずか9の惨敗だ。つまり、「共和党惨敗」が正しい結果なのだ。2年後は民主党政権だろう。 まず、今回の選挙の最大の争点は、いうまでもなく、イラク戦争の是非であった。イラク戦争については、ネオコンと呼ばれるイスラエルの代理人によって主導され、嘘で練り固められた理由で始められた、開戦前から必敗の戦争であったことを、ようやく、アメリカ人も理解しだしたようだ。私は、この点をイラク戦争開戦の前から一貫して主張しているほとんど唯一の論者だろうと考えている。 参考までに、私が二年前に書いたコラムの抜粋を...

国民の品格を復活せよ

亡国のイージス 海上自衛隊のイージス艦「いそかぜ」副長の宮津弘隆2等海佐(寺尾聡)は、東京湾沖で訓練公開中に亡国対日工作員のヨンファと凶暴の上、官庁を殺害し、「いそかぜ」を乗っ取った。彼らは乗務員を強制的に退艦させ、日本政府に宣言する。「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京・首都圏内に設定されている。その弾道は通常にあらず。」今、この国の未来に不安を抱かぬ者は一人としていないだろう。未曾有の経済的発展を享受しながら、理想も持たず、国家としての責任能力も自覚せぬまま世界進出を遂げた日本。バブル崩壊が経済を袋小路へと迷い込ませたとき、そこに我々が誇るべきものは何ひとつとして残らなかった。「イージス」とはギリシャ神話に登場する最高神ゼウスが娘アテナに与えた、あらゆる邪悪を払う「無敵の盾」のこと。同時に、最新鋭の防空システムを搭載し、専守防衛の象徴ともいえる海上自衛隊の護衛艦をも指し示す。だが、語る...

水素文明を語る(1)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

対談レポート2:橘みゆき(1)

序文:1.同時多発テロ THE PRESIDENT: I can hear you. (Applause.) I can hear you.  The rest of the world hears you. (Applause.)  And the people who knocked these buildings down will hear all of us soon. (Applause.) CROWD: U.S.A.! U.S.A.! The White Houseより President Bush Salutes Heroes in New York 「私にはあなたたちの痛みが聞こえます。私にはあなたたちの痛みが聞こえます。ビルを爆破したテロリストにも我々の悲しみが聞こえるでしょう。」(執筆者訳)大統領の演説を聞いた後、USAと連呼するアメリカ国民。 2001年9月11日...

連載コラム8 楽園ロタ島:その歴史とコミュニティ

連載コラム5&6が「太陽エネルギー」、連載コラム7が「ゴミ」とヘヴィーな話題を続けてしまった。ここらで一息入れたいのだが……。もしかしたら、またヘヴィな展開になるかもしれないが、よろしくお付き合いの程を! 今回は、「友愛」を絵に描いたようなチャモロのコミュニティ(地域社会とか共同体という意味)とその背景にある歴史をテーマにお話しよう。我々がお手本にしたくなるような、素晴らしいコミュニティなのだが、そのクォリティーを保つためには、これからの発展には注意しなくてはならないこともある。 ********** 1.楽園の住民チャモロ ロタ島のチャモロ人たち(カロリン人たちも)は、道で出会うといつも手を挙げて「Hafa Adai !(こんにちは!)」と挨拶する。それがクルマどうしであっても、クルマと歩行者であってもだ。……と、事前に聞かされていた。それは本当だった。詳細に観察すると、全員が...

【対談】 日本の若者に未来はあるか(1)教育バウチャー

永井俊哉と峯山政宏による四回にわたる対談の第一回目。安倍内閣が教育再生の目玉として推進しようとしている教育バウチャー制度を検討する。また、奉仕活動や愛国心教育の是非をも考える。 永井俊哉(左)& 峯山政宏(右)峯山:本日は「日本の若者に未来はあるのか」というタイトルで永井さんと若者の教育と就職についてお話ししたいとおもいます。よろしくおねがいします。このたび発足した安倍内閣は、教育再生を内閣の重要な課題にしていますが、 安倍晋三さんの政策をどう思いますか。永井:彼の構想には、評価できるところもあれば、そうでないところもあります。峯山:永井さんから見て具体的に言うと何が評価できて、何が評価できないのでしょうか永井:一番評価できるのは、教育バウチャーの導入ですね。峯山:教育バウチャーの導入とは一体どういうことでしょうか?ブッシュ政権が導入に失敗したという話しを聞いたことがあります。永井:従来の...

京都議定書の目標を達成は困難である

環境破壊の文明史 狩猟・採取時代、人類は自然の恵みにより水や食料を得ていました。食料の多少により、人口が増減していました。農業時代になると、水を引いたり、家畜を飼うことで以前より多くの食料が獲得できるようになり、それに合わせて、人口は増加していきました。古代文明がいくつも勃興と消滅を繰り返していましたが、地球全体からみると、人類の活動は現在と比べると微々たるものでした。地球は無限に大きくて、必要となる水・食料・資源は無尽蔵であり、ゴミなども自然の回復力でなんとかなっていました。 自然の恵み >> 人類の活動 という時代です。そうは言っても、文明が消滅した後には、砂漠や不毛な土地、はげ山が残されてきました。千年以上経過しても相変わらず砂漠のままという場所は世界各地にあります。アマゾン奥地や東南アジアでは自然の回復力が強かったため再び森に戻ったケースもありますがごく一部にすぎません。 産業革命...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL126

<紹介> 江田島孔明対談レポート http://www.teamrenzan.com/archives/writer/mineyama/3_1.html 今回は、戦略を構築する上で、歴史を学ぶことの重要性について、私見を述べてみたい。 まず、歴史とはいったい何であろうか。歴史はまさしく、人類発生と同時にあるが、それが文書化されたのは、「歴史の父」の名を冠されるギリシアの史家ヘロドトスが書いた「ヒストリアイ」が端緒であろう。ヘロドトスは前五世紀のペルシア戦争を頂点とする東西抗争、東方諸国の歴史につき、ギリシア人と異邦人とが果した偉大な事跡、両者が争うに至った原因を後世に伝えるべくこれを書いた。何よりもまず正確さが重視され、豊富に織りこまれた説話は長巻を飽かず読ませる魅力をもつ。 ヘロドトスは「ヒストリアイ」を次のようにはじめる。「本書は、ハリカルナッソス出身のヘロドトスが、人間界の出来事が時...

若者を犠牲にする社会

奪われし若者の未来 2002年5月、小泉内閣は最初の所信表明演説のむすびで、次のように『米百俵の故事』を引用している。 明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が届けられました。米百俵は、当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまいます。しかし、当時の指導者は、百俵を将来の千俵、万俵として活かすため、明日の人づくりのための学校設立資金に使いました。その結果、設立された国漢学校は、後に多くの人材を育て上げることとなったのです。今の痛みに耐えて明日を良くしようという『米百俵の精神』こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないでしょうか。新世紀を迎え、日本が希望に満ち溢れた未来を創造できるか否かは、国民一人ひとりの、改革に立ち向かう志と決意にかかっています。」[小泉首相の所信表明演説(米百票の引用)より] 「国がおこるのもまちが栄えるのも、ことごとく人にある。食...

近自然学ビデオ講義録(15)

全15回にわたり山脇正俊教授による近自然学の特別講義を放映いたします。本サイトだけのオリジナル講義です。目次:近自然学ビデオ講義録より最新の講義をお選びください。 ...

対談レポート1:江田島孔明(3)

第一話と第二話を通して、どちらかというと、硬派な地政学の一面をご紹介してきた。このように言うと、「地政学に軟派な面なんて、あるのかよ!、江田島孔明の作品はいつもバリバリの硬派(右翼?)じゃないか」と反論される方が多いかもしれない。まさにその通りであるが、対談シリーズ1:江田島孔明の最終回にあたる今回はどちらかという硬派な側面はすべて江田島氏の世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略シリーズにお任せして、地政学を通して学べるトリビアの泉的な雑学をご提供したい。 料理が発展する条件 料理が発展する条件とは恐らく様々な要因に関係するに違いない。料理とは営々として、受けつがれてきた民族の歴史であり、民族ごとの多様性を前提としているので、一概にこの料理は良くて、この料理はまずいと断定することは民俗学者の諸先生より、「この青2歳が!」とお叱りを受けるに違いない。しかし、旅行で海外にいくなら、旅の...

連載コラム7 楽園ロタ島:ゴミは資源だ!

連載コラム5&6と2回続けて太陽エネルギーの有効利用についてお話した。少々難しいコラムとなっただろうか。エネルギーは我々の生活のあらゆる局面に深く関わっていながら、直接目に見えないだけに、何となく縁が薄いように感じられるようだ。バナナやエビが太陽エネルギーの塊だと言われても、ピンと来ないに違いない。しかし、バナナもエビも、そして風や雨も、紛れもなく太陽エネルギーの塊なのだ。 そこで今回は、読者の皆さんにもなじみ深いテーマを選んだ積もりだ。 前回、ロタ島のゴミ、特に建築廃材に触れた。ゴミや汚水は近代文明と現代社会が生み出した問題であり汚点だと言えよう。この問題をどう考えたら良いのか? 近自然学の視点からは、ゴミや汚水の背景にどんな世界が見えるのか? 皆さんと一緒に考えてみたい。 ********** 1.楽園にはゴミも汚水もない ゴミと汚水は、固形か液状かの形の違いはあるものの、我...

先進国の地理的条件

世界には、高度に発達した産業を持ち、生活水準が高い先進国と、そうでない発展途上国がある。勤勉で教育水準の高い国民もいれば、そうでない国民もある。自由と民主主義が可能な国家もあれば、そうでない独裁的国家もある。この違いはなぜ生まれるのか、地理的環境的要因を考えてみよう。1. 先進国の気候的条件国際通貨基金によると、先進国と呼べるのは、北米(アメリカ合衆国、カナダ)、ヨーロッパ(イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス、オーストリア、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、アイルランド、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、キプロス)、東アジア(日本、大韓民国、台湾、香港特別行政区、シンガポール)の三極の国々を除けば、後は、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルぐらいなものである[IMF: Advanced Economies,...

中国投資市場でピッチャー!

北海道大学名誉教授市川勝博士により不可能だと言われていた水素の貯蔵そして運搬が可能となる技術の量産化が始まっています。(詳細は近日公開の市川・永井対談を参照して下さい。)この水素エネルギー革命の時代に、アラブ・日本の企業による新合弁会社が近く創設される予定です。(詳細は11月8日のMASDAR計画日本説明会か1月28~31日のENVIRONMENT2007/JAPAN TODAY2007へご参加下さい。)ポストオイルの代替エネルギーに水素エネルギーが着々と進行中、本日私はシンガポールで行われたGlobal Entrepolis @ Singapore2006のHOT Pitchというイベントに参加しました。 そこで私は中国人投資家に向けてピッチャーとしてバイオレジン、水素エネルギーシステムそして水素兌換の地域通貨CYBER CASHについての内容を含めたスピーチをしてきました。 CYBER...