災害対策におけるバックアップの進め:OS標準機能

ウイルスやシステム問題が起きやすいクリスマスや年末年始が過ぎて1ヶ月が経過しました。 データ消失・破壊の原因はソフトウェア、ハードウェアの故障に加え悪意を持った侵入者によるものが増加しています。 最近は地震、台風、竜巻、落雷等大規模天災による災害が恒常的になりつつあります。   気象庁:日本付近で発生した主な被害地震(平成8年~18年12月) 印刷物をデータ化し拠点を分けて分散している方もいらっしゃるでしょう。 多くの会社は社内にサーバーコンピュータを設置し、少なくともサーバーがダウンして業務に支障がでないようにサーバーのファイルを定期的にバックアップしています。しかしこのバックアップはサーバーのダウンに備えたもので決して個人のファイルを保護するためのものではありません。 また、データ消失の1番の原因は実は「人為的なミス」です。ディスクがクラッシュする以前にパソコンの使用ユーザ自身がデータ...

水素エネルギー(3)水素の製造方法

水素は、現在、石油精製所、鉄鋼プラントなどから副生されているが、そのほとんどは自家消費されており、本格的な燃料電池の燃料供給源にはならない。燃料電池を普及させるには、どのようにして安価に、かつ環境を破壊することなく、水素を製造するかが課題となる。さまざまな水素製造方法を検討しながら、有力候補を探っていこう。1. 水蒸気改質現在広く行われている水素の製造方法は、水蒸気を使って天然ガスの主要成分であるメタンから以下のように水素を製造する水蒸気改質法である。水蒸気改質法とは、CH4+H2O→3H2+COという吸熱反応とCO+H2O→H2+CO2というシフト反応を組み合わせたもので、両者をまとめると、CH4+2H2O→4H2+CO2という反応式になる。固体酸化物燃料電池のような高温で作動する燃料電池では、自分の熱で、水蒸気改質ができる。ただし、シフト反応の部分は異なる。固体酸化物型燃料電池における...

アブダビでの展示会の報告

1月28日から31日まで、UAEのアブダビ市で行われたEnvironment2007でのCTFLLPとサイバーコンサルタントの出展とそれに対する来客の反応を報告する。アンケートの結果は、近く出版される本の中に書く予定です。 CTFLLPブース 有機ハイドライド技術を説明する市川博士 CyberConsultantブース バイオ樹脂の実験結果を説明するUAE大学研究者グループ 市川博士による有機ハイドライド技術の講演 北海道大学の市川教授は、従来の水素貯蔵技術に対する有機ハイドライド技術の優位、石油精製所などで多くの副生水素があり、水素の酸化で生まれる水の需要が多いUAEで燃料自動車ないし水素燃料自動車の普及がもたらすメリットを語った。JapanTodayのプレゼンテーション・ステージは、概して人が集まらなかったが、市川博士のプレゼンテーションには、多くの熱心な聴衆が集まった。 バイオ樹脂実...

第一次大戦後のドイツは2度経済破綻した

ドイツの歴史を振り返ると、第一次大戦の敗北後、1923年のハイパーインフレ(1兆倍)で経済破綻したことと、1929年の世界恐慌の影響で深刻な不況と大量失業者を出したことによって、ドイツ経済は2度破綻した。その結果、中産階級の財産は失われた。社会が混乱を深める中、ヒトラー率いるナチス党が支持を広げていった。ヒトラーによる公共事業や軍事施設の拡大により、ドイツ経済は復活した。 1923年のハイパーインフレ 1917年、第一次世界大戦で疲弊したロシアは深刻な食糧不足に陥り、同年3月、食糧暴動が首都で発生(二月革命)し、ロシア帝国が崩壊した。同年11月、十月革命によりソヴィエト政権が樹立した。ロシア革命の成功を見たドイツの労働者は、パンと平和を求めるデモやストライキを行った。イギリスによる海上封鎖下によりドイツも食糧不足であった。1918年11月3日、キール軍港の水兵による反乱をきっかけにドイツ革...

Environment 2007 速報

Environment 2007 展示会とエアショーの動画をご覧下さい。 現地新聞と展示会会場           エアショー             ...

環境をサポートするJETROとアブダビ首長国日本大使館、アルアインの貴族Dr.Abdulaziz Al-Fahim

2007年1月28日Environment2007開催初日、環境系参加企業を激励するためにアブダビ日本大使館より大使館公邸で素晴らしいレセプションを開催して頂きました。日本人は大量のエネルギー資源を消費していますが、そのほとんどをアラビア湾岸からの輸入に依存しています。レセプションにはダボス会議に出席された帰国便で立ち寄られたJETROのCEO & Chairman 渡辺修理事長、在UAE波多野琢磨特命全権大使がスピーチをされました。波多野大使とお話の機会があったのですが、サウジアラビアでの降雪など気候変動を大変心配されておられました。急激な気候変動、地球環境のために開催されたEnvironment2007のJAPAN TODAY2007には齋藤貢公使、猪口相第一書記、臼井幸之助二等書記など多くの方々が努力されていました。特に峯山政宏元代表の同郷先輩でもある臼井幸之助氏はアラビア国...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL138

<紹介> “Environment 2007,28 Jan – 31 Jan, 2007 JAPAN TODAY in UAE” の成功を、心よりお祈りします。 http://www.ee-uae.com/index.cfm?fuseaction=Exhibition.Pages&pageName=Exhibition&parent=Exhibition ------------引用-------------- http://www.jetro.go.jp/events/tradefair/20060808110-event ジェトロは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビ市で開催されるの中東地域最大規模の環境見本市「ENVIRONMENT 2007」において「JAPAN TODAY 2007」と銘打つ日本館を初めて設置します。 これは2006年12月に日本とアラブ首長国連邦(UA...

地球寒冷化に関するペンタゴンレポート・2

はじめに 現在の気候変動に関する常識は、たとえ気候変動があったとしてもそれは緩やかなもので、現代文明なら充分対応可能だというものだろう。 しかし、南ヨーロッパ、アフリカ、中央アメリカ、南アメリカ、は旱魃、酷暑、水不足、による不作で悩むだろうが、北ヨーロッパ、ロシア、北アメリカは大丈夫だろう、と言う考えは甘い。 たとえばオーストラリアの報告書は放牧地の降雨量の減少によって、牛の重さが12%、牛乳の生産は30%減り、果樹園では病害虫が増え、飲料水は10%減ると予測している。 貧しい国では気候の変動に上手く対応できず、難民が流出して例えばアメリカのような比較的豊かな国に押し寄せる恐れがある。 しかしもっと恐ろしいことが起こるかもしれない。 歴史を振り返る 元の報告書から転載 8,200年前の寒冷化 グリーンランドのアイスコアの調査によれば、8,200年前に100年に及ぶ寒冷期があったことが分...

通貨メカニズムが作り出したもの

ドル資本は機軸通貨に固有のダイナミズムを活用して、貧困化する国を生み出すようになっている。現在の枠組みにおけるアメリカの繁栄というのは、犠牲となるものを常に必要とする。これからも栄え続けようとするアメリカは、多くの国に更なる犠牲を求めることによって、その立場を堅持してゆくことになるだろう。アメリカにとってドルは売るものであって、本来自らが買うようなものではなかった。外貨に投資していた資本を回収するときにドルが必要となったため、為替市場で元の通貨に買い戻していただけのことだった。ドル資本を操っていた一群が決算を行うには、一旦ドルに戻して利益を確定しなければならない。その時にドル高になり過ぎないよう適度な交換レートを維持しながら、機軸通貨としてのドルを安定裡に還流させているのである。(現在起きている円安状態は、これとは別の理由で抵抗線を一時的に突破したもので、日銀の利上げまたはイラクへの増派が...

BAKA層の選挙戦略

原亨氏は地球寒冷化"An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security"のペンタゴンリポート要約を読者に見せてくれたが、所謂PENTAGON REPORTの米国国防のための報告はブッシュ大統領に当初は無視されていた(そのために秘密報告がリークされたのだろう)。ところが、あの京都議定書からの離脱で地球環境に背を向けてきたブッシュ大統領が、イラク戦争での敗退が決定的となり石油エネルギーが手に入らなくなったので2007年1月18日、1月23日に行う一般教書演説で急遽「環境派」に転じる方針を打ち出した。温暖化の原因は人間の活動かどうかは不明としたブッシュ政権の心境変化はどのようなものだったのだろうか?単純に言えば「なくなるなら他から奪えばいいじゃん」と思っていたのが「無...

水素文明を語る(9)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

水素エネルギー(2)水素の貯蔵と運搬

燃料電池の燃料である水素は、水素脆化をもたらすので、貯蔵が難しい。また石油のように常温常圧で液体ではないから、気体のままでは、エネルギー密度が低すぎて、自動車のような可動体の燃料にはならない。では、どのようにして燃料電池の燃料を貯蔵し、運搬すればよいのか、現在開発が進められている各種の方法を検討してみよう。1. 圧縮水素ガスボンベ 自動車会社などが最も力を注いでいる水素の貯蔵方法は、水素を高圧化/低温化により体積を圧縮し、容積あたりのエネルギー密度を高める方法である。しかし、高圧圧縮 するには、数百気圧が必要で、圧縮のためのコストがかかる上に、危険である。また、高圧に耐える素材を使わなければならないので、それもコストを高める。超低温で冷却して液化しようにも、水素の沸点はマイナス253℃であり、冷却するだけで水素エネルギーの20%が失われてしまう。また、断熱素材を使用しなければならないので、...

天候の悪化が社会を乱す

2004年、デイ・アフター・トゥモロー(The Day After Tomorrow) の映画が日本で上映されました。この映画は大ヒットしました。ぜひDVDを購入するなり、レンタルして見ていただきたい映画の1つです。温暖化が進んだためメキシコ湾流が止まり、世界中の天候が急速に悪化し、地球規模の巨大な嵐が発生した。この嵐が去るまでの間(映画では1週間程度)、アメリカでは北から南へ大勢の人が避難していった。環境学者の主人公はNYに留まった息子を救出するために北に向かったというお話なのですが、内容の詳細は 公式ページ を見てください。この映画は、あまりに現実離れしているのですが、2003年10月に米国国防総省により発表された「急激な気候変動シナリオとそれがアメリカの国家安全保障に与える影響」というレポートを基にして作られています。温暖化といえば、海水面が上昇により、海岸沿いの都市や南太平洋の島が...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL137

今回は、中東を支配するためのインド洋戦略について考えてみたい。ランドパワーとシーパワーが世界の覇権をかけて争うとき、必ず、中東の支配権を争奪する。 その場合、近代以降の世界史が教えることは、インド洋の制海権を確保した最強のシーパワーが、エネルギー供給源である、最重要の中東の支配権を得るということだ。   これは、英国の3C政策とドイツの3B政策の衝突の結果としての第一次世界大戦、米英間の中東争奪としての第二次世界大戦、米ソ冷戦でも繰り返された「世界史のパターンだ」。「インド洋を制するものは中東を制し、世界を制する」ということだ。 現代の911以降の日英米軍の中東やインド洋への戦力投射も、全ては、この文脈で理解すべきだ。  すなわち、「シーパワーとランドパワーの中東争奪戦が本格化」したことが、今日の中東の争乱事態の背景だ。 そして、ランドパワー陣営で、最も、中東を欲してい...

プロトン・デジタル・アーカイブFz-LLC

2007年3月1日より、ウェブ雑誌『連山』の所有者が、株式会社チーム連山からアラブ首長国連邦ドバイにあるプロトン ・デジタル・アーカイブFz-LLCに変更となります。執筆者も一部変更となりますが、詳細は、後日(2月下旬 ごろ)お知らせいたします。 プロトン・デジタル・アーカイブFz-LLCについて プロトン・デジタル・アーカイブ社はアラブ首長国連邦のドバイ・ナレッジ・ヴィレッジ(ドバイの知識村)に本部を置く教育法人です。 教育法人であるために、無税特権を与えられています。 日本は急速に高齢化していますが、アラビア湾岸諸国は人口の半数が二十歳以下です。老人は知識が豊富で若者には知識が少ないというギャップに我々は注目しました。日本とアラブ首長国連邦は非常に離れていますが 、情報技術を駆使すれば、高度な技術提供も可能となります。我々はまず30種に及ぶバイオ樹脂、水素貯蔵・運搬技術のサポート事業を...

地球寒冷化に関するペンタゴンレポート・1

2004年6月に日本でも公開された「デイ・アフタートゥモロー(The Day After Tomorrow)」はカリフォルニアが竜巻に教われ、二ューヨークが大雪に見舞われる異常気象を描いて観客を驚かせた。この映画の基礎になったのが、ここでいう「ペンタゴンレポート」である。 出典 この報告書は原題を“An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security”(急激な気候変動とそれが米国国防に持つ意味)と言い、2003年の10月にピーターシュワルツとラグランドールがまとめて報告した。もともとは秘密報告であったはずなのだが、2004年2月にオブザーバー紙がその存在を公表した。ここからシナリオを書いていたのでは4ヵ月後の2004年6月に日本で公開することは難しいだろう。映...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略新春特別企画最終号

今回は、新春特別企画の最終回ということで、号外、その1、その2で見てきた日本の過去のインド洋戦略とその蹉跌についての検討をふまえ、「もし江田島孔明が、1941年12月の時点で日本の陸海軍の統帥権を掌握していたら、どのように戦ったか」という、シミュレーションをしてみたい。独断と偏見、思い込みに裏打ちされて、「歴史のIf」を検討することほど楽しいものはないので、しばし、お付き合いいただきたい。 まず、太平洋戦争の本質とは何だったのかについて、考えてみたい。 太平洋戦争について、「自衛戦争」だったとか、「植民地解放戦争」だったとの主張もあるが、私は、そのような考えは取らない。 自衛戦争かどうかについては、戦略の観点から、実は、大した意味は持たない。戦争は勝たなければならず、自衛戦争でさえあれば、敗北が正当化されるものではない。 植民地解放戦争かどうかについては、単に結果論として、戦後、アジアにお...

知識は使い方で差がつく

知識は使い方で差がつく 石油・ドル本位制という競争原理のもとで機能する国際経済の枠組みは、温暖化をすすめて気候の変動と海面水位の上昇とを同時に地表へともたらした。温暖化を抑えるための国際条約である京都議定書はめでたく発効したのだったが、温室効果ガスの排出削減は日本の場合前進ではなく後退を続けている。これまでの対策すべてが、前進どころか却って状況を悪化させたというデータが報告されている。温暖化防止対策に何年もの間投じられてきた国の予算は、まったく効果をあげていなかったのだった。国はこの現実を、理解することができていない。効果のない対策を更に推し進めるために、捨て金になる公金を追加投入し続けているというのが現状なのだ。定常的な対策にこだわるという判断のもとに、政府は二酸化炭素を増やしながら国民の負担を増加させているのである。地球全体のCO2濃度は、この三年程度で約40ppm(0.0004%)増...

水素文明を語る(8)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

水素エネルギー(1)燃料電池

燃料電池は、次世代の発電機として注目を浴びているが、どのタイプの燃料電池が普及するかは、現時点ではまだわからない。伝統的に、燃料電池は、電解質の種類によって、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、固体高分子形、アルカリ電解質の五つに分類されるので、この分類にしたがって、各種の燃料電池の長所と短所を確認しつつ、有力候補を探ってみたい。 1. リン酸形燃料電池(PAFC) Phosphoric Acid Fuel Cells [EERE] 電解質としてリン酸水溶液を用いるので、こう呼ばれる。William Robert Grove 卿が、1843年に世界で初めて試作した燃料電池は、これに近かった。 上の図にあるように、燃料極から水素イオンが電解質を移動し、電子が電線を通ることで、電気が流れ、空気極で、水素イオンと電子と酸素が結合して、水となる。最も早く実用化・商用化され、第一世代の燃料電池と呼...

首都直下地震の被害は100兆円

2007年01月13日、千島列島沖で M7.2の地震が発生しました。この地震は、2006年11月15日に発生した千島列島沖地震(M7.9)の余震となります。2006年12月26日に発生した台湾南部地震(M6.7)では海底ケーブルが切断され、支那や東南アジアで通信しにくい状態となりました。インターネットは災害に強いという触れ込みですが、通信が集中する海底ケーブルが何本も切れるという事態が起こると、通信速度が落ちたり、不安定になります。ネットワーク社会は災害に弱いものだという認識をしておいた方が良いでしょう。日本列島近辺は地震が発生しやすい地域の1つで、地球全体の1割も発生しています。大きな被害をもたらした地震をいくつか列挙すると以下のとおりです。 ●1923年09月01日 大正関東地震 - M 7.9、死者10万5000人以上(日本災害史上最大)。被害総額:55億円(当時のGDPの4割以上)...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL136

今回は、ブッシュ政権が画策する対イラク2万人増派の影響を検討してみる。 まず、この時期に増派が検討されているのは、増派によってテロ組織に大攻勢をかけ、一旦、治安が回復するとその後の撤退が可能になるという思惑からだろう。 しかし、過去の戦史を見ると、このような決定は、最悪の戦略である、「兵力の逐次投入」でしかなく、失敗することは見えている。 <参考> ------------引用-------------- http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070113/usa070113006.htm 「4つの戦争 同時進行」米国防長官、増派に理解求める  【ワシントン=有元隆志】ゲーツ米国防長官は12日、ブッシュ大統領が発表したイラク新政策をめぐる上院軍事委員会の公聴会で証言し、混迷を続けるイラクの現状について「4つの戦争が同時に進行している」との見方を示し、2万...

水素の製造

水素を製造するにはどうすればいいのだろうか? 誰でも直ぐ思いつくのは、水の電気分解だろう。確かにこれで水素は作れるが、そうやって作った水素の持つエネルギーは使った電気エネルギーよりも増えることはない。少なくともその水素を使って発電すれば、水の分解に使った電気よりも少量の電気しか得られない。 と言うことは、水を電気分解して水素を作っても意味があるのは、それが電気の消費地への送電が困難な場合に限られるだろう、ということだ。 たとえば陸地から遠く離れた海の上である。そのような場所で、太陽光発電、太陽熱発電、波力発電、風力発電などによって発電すれば、その電気で水素を作り、陸地に運ぶことは経済的に成り立つ可能性がある。 しかし現在の太陽光発電、太陽熱発電、波力発電、風力発電は従来の火力発電よりもコスト高になっている。この発電コストが技術革新によって革命的に安くならない限り、このようにして作った水素エ...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略新春特別号その2

前号に引き続き、日本にとってのインド洋とは何なのかを、その歴史を通して、検討してみたい。まず、私が年末の号外である、「海洋国家連合のインド洋戦略」や新春特別号その1で述べたことを要約すると、「シーパワーにとっての対外政策は多国籍企業の企業活動そのもの」ということができる。  これは、我々が通常思い浮かべる「主権、領土、国民」を要素とする従来型の国家像が、実はランドパワーである欧州大陸で30年戦争後に生まれた概念ということを考えれば、大航海時代以降のインド洋の覇者であるポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスは、国家というより、現代的なグローバルな多国籍企業の魁として捉えるべきだということだ。 つまり、シーパワーのエトスが、実は、「主権、領土、国民」の護持にあるのではなく、「交易によるあくなき利潤追求」すなわち「資本主義」にあることを理解すれば、時代によってその扱う交易品が、奴隷であったり、...

水にまつわる物語(二)

非政府系の政府とは何か 地球を復元するプロジェクトを始めるには、要するにアメリカがやってきたことの逆をやればよい、ということがこれまでの報告を見れば分かるだろう。ドルをローカル通貨に戻して新しい中立・中性の機軸通貨に変更する、というのがこれから生まれる革命政府の実行するべき二番目の仕事になるだろう。できてしまった偏りをなくすためには、軸足を国家にではなく惑星の上に置かなければならない。革命政府とは言うものの、実態は国境を超越した民間の非政府系組織の集合体のことである。(表現上の撞着は現象界の通弊なのだ。「無」を説明するのに、その言葉を存在させた状態を以て証明する以外に方法というものがない。ミンコフスキーの時空間には、不整合性というものが仕込まれている) 国境線に拘束された国を代表する組織という形ではなく、惑星を代表する組織であればその出自が何であったとしても差し支えはない。この惑星にできて...

インディアンスタンダード

グローバルスタンダードが多文化の溶け合った1つの形(メルティングポッド)ではないことが日本人には理解しにくい。ほとんどの日本人はみんなが英語を解してみんながアメリカ発のファッションをし、アメリカ企業のトレンドを追いかけ模倣することがグローバルスタンダードに繋がると心底から信じ切っているからだ。アメリカの欠点が浮き彫りになりつつある今、アメリカンスタンダード=グローバルスタンダードを標準にしていていいのだろうか?そもそも世界中で通用する基準(規格やルール等)が1つのシェイプとなること事態がおかしい。今回はインディアンスタンダードとかアラビアンスタンダードを中心に独自のスタンダードがその世界ではグローバルスタンダードになることを書く。アメリカンスタンダードもグローバルスタンダードの一つでしかないのである。 ベジタリアン率の高い国や認知されている地域では菜食主義の実行は容易である。ベジに愛のある...

水素文明を語る(7)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

電子書籍の時代

グーテンベルクによる活版印刷技術の発明以来、紙の本は、知のメディアとして重要な役割を果たしてきた。しかし、他方で、紙の本を製造、運搬、保管するのに、多くの資源が消費され、かつ半数近くが売れ残り、破棄されているというのも事実である。電子書籍の普及は、資源の節約という観点からも、重要である。1. 電子書籍とは何か電子書籍(ebook)とは、紙とインクの代わりに、電子媒体で読む出版物であり、CD-ROMでパッケージ化された商品も電子書籍に入れることができるが、省資源という観点からして(同時に経済的観点からしても)最も望ましい電子出版の形態は、インターネットを用いて、生産、流通、消費のすべてを電子媒体内部で完結させる方法である。2. 電子書籍のメリット電子書籍には、次のようなメリットがある。2.1.生産者にとってのメリット品切れ・返品などの在庫問題が発生しない製本・配布・保存コスト削減→利益率を高...

財政再建団体を宣言した夕張市

2006年6月20日、夕張市市議会の定例議会冒頭で、後藤市長が自主再建が困難であると判断し、法の下での財政再建に取り組む決断をしたとの表明がされました。 平成になって財政再建団体となったのは、1992年の福岡県赤池町(現在は福智町)以来の出来事です。(赤池町は2001年度に再建が完了しました)夕張市は財政再建のため、職員のリストラを始めとする財政再建計画を策定中です。夕張市のホームページを見たところ、2006年11月18日から23日にかけて住民に対する説明会で使った資料が公開されていました。 「夕張市財政再建の基本的枠組み案について(PDF:28KB)」 【要約は以下のとおり】 1.解消すべき赤字額 約360億円(平成18年度末見込) 2.歳出の削減、歳入の確保の取り組みの内容  (1)総人件費の大幅な削減  (職員数を減らす、給与水準を3割下げる 等)     →退職金も大幅に下がるため...

RSSリーダー利用:ブラウザ内蔵型

<RSSリーダー利用のメリット>  従来、サイトが更新されたかどうかを調べるには1つ1つサイトを訪問する必要がありました。  RSSリーダーはRSSにてWebサイトの更新された記事や要約などを受取る専用ソフトです。  Webサイトの更新情報を効率的に集める事が出来ます。   ※確認したいWebサイトがRSS(Atom)に対応している必要があります     <RSSとAtom>  どちらもコンテンツを配信するデータもしくは、そのフォーマットの総称で、  XMLで記述されています。  Atomはフォーマットを規定するRSSの仕様の他、Webサイトのコンテンツを編集するための  通信プロトコルの仕様も持っています。  RSSの仕様は凍結されており重要な変更は出来ませんが、  将来的な変更に対応していくものの結果の1つとしてAtomが出てきました。  Atomは特定のベンダに依存せず、誰でも自由に...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL135

今回は、ロシアの資源戦略の問題点について、検討したい。 私のコラムは、世界史を基礎にしてランドパワーとシーパワーの戦略を読み解くことが目的であり、そのため、ランドパワーとシーパワーの決戦正面としての中東と、ランドパワーの総帥としてのロシアプーチン政権についての分析が大半を占めることになる。 孫子曰く、「敵を知り己を知らば百戦危うからず 」 周知のように、ロシアはプーチン政権下で、石油、ガスといったエネルギー資源を戦略の柱に据えだした。 ロシアは石油生産は世界第2位。ガスは1位で、ガス埋蔵量は世界全体の3割以上を占める。プーチン大統領は1994年のサンクトペテルブルク副市長時代に書いた論文では、「ロシアの豊かな資源を活用すれば、世界的な大国の座を取り戻すことができる」と早々と主張していた。空前の石油価格高騰で、プーチンの夢が実現するかにみえる。 冷戦時代のソ連はICBM、SLBM、戦略空軍3...

「水素エネルギー社会におけるインフラ及び都市・住宅に関する研究」

国土交通省国土交通政策研究所が水素エネルギー社会について大変まとまった報告書を発表している、「水素エネルギー社会におけるインフラ及び都市・住宅に関する研究」国土交通政策研究 第59号、2005年12月、である。1年前の資料だが紹介してみよう。著者は、前研究調整官 瀬本 浩史、研究調整官 山田 哲也、前研究官 江岡 幸司、研究官 山形 創一(敬称略)である。 ◆報告書の要旨 この報告では次の5つの項目について検討・整理を行っている。  ・水素エネルギー社会とその将来展望(執筆:水素エネルギー協会 岡野一清理事)  ・わが国の水素エネルギー社会への取組  ・水素エネルギー社会を目指す各国の戦略的取組(執筆:京都大学国際融合創造センター・フェロー 大橋一彦氏)  ・水素エネルギー社会における新たなインフラのあり方(執筆:京都大学国際融合創造センター・フェロー 大橋一彦氏)  ・水素エネルギー社会...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略 新春特別号その1

掲載日(7日前編、14日中篇、21日後編予定) 今回は、平成十九年新春を記念して、「日本のインド洋戦略」を、その歴史的経緯、蹉跌を見ていくことで、検討してみたい。  日本人は、海というと、日本海や東シナ海、太平洋を思い浮かべる。たしかに、近世以前の日本人にとって、海とはこれらを指していた。しかし、近世以降、具体的には、大航海時代を経て、地球が「グローバルな一つの経済圏」として認識されてくるようになると、より重要な意味を持つのは、インド洋になった。 日本とインド洋が直接結ばれるようになったのは、よく知られる、1543年の中国船に乗ったポルトガル人が種子島に漂着し、鉄砲を伝えてからだ。1549年のイエズス会士フランシスコ・ザビエルの来日とあいまって、この時期のポルトガル、すなわち「世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略号外」http://www.teamrenzan.com/arc...

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL134

今回は、フセインの処刑によって、新たな局面を迎える中東情勢の今後を、主に、イスラエルの立場で検討してみたい。 まず、今後の中東情勢がどのような展開をするかに関わらず、イスラエルの将来は、非常に暗いと言わざるをえないことは、私の過去のコラムをご覧いただければ、お分かりいただけるであろう。要約すると、イスラエルの抱える問題とは、ユダヤ人口の減少、ムスリム人口の増大、アメリカにおける親ユダヤ勢力の退潮といった潜在的なトレンドの中で、イラク戦争にアメリカが敗北し、イラク撤退がほぼ確実になったことにある。 この状況は、「援軍を失った篭城戦」に等しく、時間の経過がそのまま不利に繋がる。世界史を概観しても、似たような戦略状況において、局面を打開できたのは、織田信長の桶狭間以外には、ほとんどない。逆に、攻囲側が、篭城側をあらゆる手段で篭絡し、城を落としていく例は、枚挙に暇が無い。つまり、「援軍の無い篭城」...

水にまつわる物語(一)

革命前夜 水を一次資源とするエネルギー供給システムは、遠からず実用化の段階を迎える。そして直ちに世界中へと普及するようになってゆくだろう。待っているための時間は既にない。このモデルを核にしたエネルギーシステムを速やかに供給していくことによって、最も合理的な社会システムを逸早く構築していかなければならない。水素エネルギーの登場は、既存の枠組みを大きく変える契機となるだろう。ことの成否を決定する鍵となるのは、水を分解する効率の高さとその持続安定性並びに安全性などの維持である。 水素資源を安定的に生産しこれを大量備蓄しておくための有効な技術には、これまでに複数の方法のあることが確認されている。残された課題は、水素を水から取り出すための方法の標準化ただひとつだけである。その他の技術に関するさまざまな方法は、最も合理的なモデルを一つだけ選択すればよいレベルに達している。水以外のあらゆる資源では、エネ...

水素文明を語る(6)

北海道大学名誉教授で触媒化学の世界的権威である市川勝博士と永井俊哉による対談。水素をいかにして作るか、いかにして運搬し、貯蔵するか、いかにして燃料電池で発電させるかについて語り合う。 ...

【書評】 知識依拠型経済のグローバル化

MIT教授で、エコノミストのレスター・サローは、グローバリゼーションを生き延びるためには、知識依拠型経済への移行が必要であると言う。知識依拠型社会とは何か。日本はどうすればよいのか。世界的にどのような取り組みが必要なのかを考えよう。 1. 知識依拠型経済とは何か レスター・サローは、2003年に“Fortune Favors the Bold”という本を出した。この本の邦訳タイトルは『知識資本主義』となっているが、このタイトルには、違和感がある。“Fortune Favors the Bold”は「運命の女神は勇者に味方する」という諺で、中国の諺では「虎穴に入らずんば虎児を得ず」に近い。日本語訳で原題を採用しなければならない理由はないが、『知識資本主義』というタイトルはまずい。レスター・サローは、“knowledge-based economy”という表現を使っても、“knowle...

ベジは地球を救う?!

エコロジストとしてベジタリアンを選択する人がいる。どうやってベジタリアニズムで森林破壊・地球温暖化から水質汚染・砂漠化まで救うのだろうか。牛が地球に悪影響を及ぼしてると考えたことがあるだろうか?ベジタリアンをよく知らない日本人にとっては食肉の害も知らないことが多い。私自身ベジタリアンとなり他のベジタリアンが何故ベジタリアンになったのか気になって調べてからエコなベジを知った。ベジタリアンは地球セイバーとなるのか?肉食の需要がどのように地球をいためつけているのか? 「ベジよ、食糧危機を救え!」 米沢の郷土料理の原点と言われる「かてもの(主食にまぜて炊くものの意で、主食を増量して空腹を癒すことが目的)」は大飢饉の際に領民の飢えを救った。これは魚の干し物なども含めた昔ながらの日本の食生活だが、ベジタリアニズムにふさわしい菜食中心の素食ならぬ粗食で危機を乗り越える上杉鷹山の知恵である。 もちろん江戸...

あやうい高所得者層

勝ち続けることができるか 現在、勝ち組である高所得層は、今後10年安泰でしょうか? かつての社会主義国では共産党員であったり、いわゆる特権階級(社会主義は階級社会ではないのだけれど、資本主義国と比べて一般大衆との格差が大きい)であれば一生安泰でした。社会主義国陣営の崩壊により、旧共産党員のほとんどは路頭に迷うことになる(彼らはルーブルしか持っていなかった)のですが、この日本ではどうなるのでしょうか? 2006年7月に夕張市が財政再建団体を申請して、その後のリストラ策が示されているのは、対岸の火事でいいのでしょうか。高所得層であっても足元をよく見ないといけません。高い報酬は自分の能力によって担保されているのでなければ、高所得層から転落した場合、下手をするとホームレスになってしまう可能性すらあるのです。 10年後の日本(楽観シナリオ) 今後10年間、日本全体がどうなるのか、ニート・フリータ層の...

貧困にあえぐニート・フリータ層

2006年9月16日のコラム「年収300万円台に備えよう」で森永卓郎さんの「年収300万円時代を生き抜く経済学」について書きましたが、現実には年収100万円代しか稼げないフリータ層がどんどん増えてきています。年収300万円ならば、それほど苦労しなくても生きていけるのですが、さすがに100万円代となると、自力で生活するには困難です。今は親が建てた家に住み、親の貯金を取り崩し、親の年金収入から補填されることにより、問題は先送りされています。自分が死ぬまでこのようなぬるま湯的な状況が続くわけありません。今なんとかなっているから大丈夫と思うのは、非常に危ない認識です。 極甘シナリオを想定しても厳しい 私自身は日本の国家破綻は避けられないと認識してますが、仮に奇跡的な方法により、避けられたとします。その場合、日本が抱える膨大な借金を考えると金利をあらゆる手段で低く抑え、その代償として円安と物価高を受...