木村暁の最近のブログ記事

2008年4月20日

世界経済の行方

この読者コラムは2008/2/20に書いたものです。 公開される日が何時になるのかは分りませんし、内容はごくごく大雑把なものですが、 過去を振り返る日記のようなものになればと思い、投稿いたします。

アメリカのサブプライムローン問題に端を発して、CDO(金融商品の一種)価格が過大に評価されていた事がわかりました。 このCDOを大量に購入していたらしいイギリスの銀行では取り付け騒ぎがおき、 欧州では銀行間の資金の融通が出来なくなる信用収縮が起きる等、全世界に激震が走りました。

私は、これから世界経済は徐々に悪くなるのではないか、 その悪くなり方は、 日本国の1990年代、つまり「失われた10年」と同じ ではないかと考えています。 一言で言えば、世界経済は「恐慌」に突入しつつあると考えています。

私の現時点での世界経済の現状について基本認識はリチャード・クー氏の著書、 「陰」と「陽」の経済学 我々はどのような不況と戦ってきたのか にある、「陰の局面」入りをしてしまったのだというものです。 それも、これまでそうであった日本一国だけではなく、西欧及びアメリカすらもです。

欧米の投資銀行は、サブプライムローン問題に端を発するCDOの評価損で大きくバランスシートを毀損しました。 その結果、どうやら利益だけでは損失を穴埋めできないらしく、シンガポールや中東のSWFから増資を受けたりしています。 同様に、モノラインと呼ばれる再保険会社がサブプライムローン関係で、バランスシートを大きく毀損しています。

このサブプライムローン問題の震源地であり、冷戦後に世界経済の牽引役であったアメリカでは、 政府は減税をFRB(中央銀行)は利下げを打ち出し景気対策を行って、 「陰の局面」入りを阻止しようとしているように見えます。

しかしそれでもこの記事に予測されたごとく、 米経済の中心である個人消費は減少し、 そして、それがまた欧米金融機関のバランスシートを毀損し、 銀行の利益がその損失補填に回る分は投資(この場合は銀行の信用創造)が減り、 それがまた個人消費を毀損し、という 悪循環 に突入しつつあるようです。

ただ、米政府の減税策は小切手を使って税金を還付するという方式をとっている関係で、 その税金の還付が実現するのはまだ先であり、米政府の減税策に効果なかったと言い切るには早いのですが、 2001年に同様の政策を行ったところ貯蓄率が向上したとあり、米の消費は増えない可能性もあります。

デカップリング論というものがあります。曰くBRICsの様な新興国経済は先進国の経済と非連動であり、 先進国の経済悪化に影響されずに成長するだろうというものです。 しかし、新興国にも先進国に輸出している部分はあるわけで、引きずられて経済の後退は避けられないでしょう。 つまり、全世界的に経済後退が予想されます。 最近ではこの事をして「リカップリング」などと言っています。

少なくとも、 アジアにおいて対米輸出の減少はやはり景気後退に繋がります。 リカップリングとなれば、欧米の投資銀行の投資先(=信用創造先?)は、 世界中どこを探しても減少するという事を意味します。 そして投資銀行も自ら 貸し出し基準を引き締め、 その結果として 貸し渋っているので、 この問題は傾向は更に加速します。

さて、 経済学 によると前年より投資総額が増えれば経済は成長し、逆に投資総額が前年より減少すると経済は後退するそうです。

つまり、現状は全世界一斉の経済後退局面の入り口に立っているか、もう既に突入した状態でしょう。 そして、残念ながら明快な底打ちやトレンド反転のシナリオは見えていません。 以上が、私が世界経済は「恐慌」に突入しつつあると考える理由です。

サブプライムローンは、軽めに見積もっても全体で1兆ドルの損失が出ていると言われ、 これまでの増資額でどうにかなる程度ではありません。 中央銀行が幾ら量的緩和や利下げを行っても需要が不足していれば、 どんな投資銀行にも投資(=信用創造?)が出来ないので経済は成長出来ません。

日本国内はというと企業は 原材料費の高騰 を理由に消費者への販売価格を値上げしておりインフレの徴候が見られます。 しかし日本国内の景気は悪く、合わせて考えると、スタグフに入ったようにも思われます。

中国では、労働者不足と、理解はできるのですが中国政府の労働者保護が理由で人件費が高騰しており、 世界の工場としての立ち居地が怪しくなるかもしれません。 上海の不動産が高騰していたという話もあり、これも何時かは調整に入るかもしれません。

西欧においても不動産価格のバブルがあったという話はあり、これも時間の問題かもしれません。 仏ソシエテ・ジェネラル や 英ノーザン・ロック の一件など、まだ氷山の一角かもしれないのです。

恐慌に伴う世界経済の混乱は、食料自給率の低い我が国にとって災厄そのものでしょう。 せめてエネルギーが自給できれば、ある程度はこの問題を緩和できると聞いた事があります。 また、石油は過剰流動性と需要増加で高騰していますが、水素・電気中心のエネルギー体系経済を目指すなら、 恐慌時に諸外国と石油の争奪戦をやるという難事に参加せずに済むかもしれません。 それにあわせた国内のインフラ再構築は内需を大いに刺激するでしょう。 そういう方向で上手く行く事を、切に願うばかりです。

関連コラム

参照:イギリスですらペイオフできず

参考:アジア通貨危機から10年

国際ルポライター峯山政宏コラムニスト、近く再び旅へ → 応援はクリックで!

主要な読者層(2008.4.18)

2007年7月17日

【読者】時代の転換点

はじめに

一読者としては、連山日本語版の終了の可能性は大変にショックです。 ただ不可解なことは、何故6個の読者コラムなのかということ。 私を含めて読者コラムニストは4人居ます。 +6で10人になるからきりが良いのが、年末まで7,8,9,10,11,12の6ヶ月間あり、 1ヶ月に一人としたのか、その程度の事であり、特に深い理由ではないでしょう。 つまり、問題はそんな程度にしか思っていないらしい事。 そして、既に1回投稿している私のこの投稿は6個の一つにカウントされない可能性があります。 ネットゲリラさんに習い、ペンネームをやめて本名を名乗る事にしました。 私の名前を見て、普段、特に最近何を書いているか知っている人も居るかもしれませんが、 今は人手が必要です。 連山読者には大学、官庁及び衆議院・参議院からアクセスが多い旨も記述があり、 同時に市民兵としての団結力の問われるファランクスが引き合いに出されていました。 自分と隣の人を左腕の円盾で守り、協調で構築する槍衾で攻撃前進するファランクスです。 私が普段に書いている内容を知る人なら、お前が言うなという事でしょうが、 どうやら既に居る私を含めた4名の読者コラムニストと、 今は読者でしかない大学、官庁及び衆議院・参議院からのアクセス者であるあなたとの団結が必要なようです。 その為には、ファランクスなら敵方への前進、実際には連山への投稿をして貰わねばなりません。 私は、あなた方が普段何処に居て何をしているか知りません。 ただ、何かを世に問う文章をそれなりにまとめるのは大変だという事は経験者として多少は知っているつもりです。 その頭脳的労力の発揮をお願いします。 フランス語分かるから困らないという方もあるかと思いますが、連山の日本語版が消えて良い事はないでしょう。 こういう知は、広く共有され、インターネット(特に2ch)によってかすかに生まれつつある、我が国の、或いは民族としての日本人の意識共有体に反映されなければ、 我が国は次の時代を切り開けないでしょう。これからの時代を思えば、連山は日本意識共有体における一つの、そして大きな思考潮流の源泉であるべきです。 何故に日本国が未来を切り開けることが重要なのか?国無き民の苦難がどういうものか歴史に学ぶ事は出来るはずです。 だからこそ、未来においても皆が良き国に生きる事が出来るよう、日本「国民」として、あなたの「経験」「常識」や「思い」を、文章に表してください。 程度問題はあるとしても、それが意識共有体に反映されるでしょうから。 わざとやっているのでしょうが、プログラマやSEやってる私に言わせれば、 エクセルのショートカットキーは、ネットで検索すれば一発で分かることです。 WorldWideWeb上なのだからリンク張れば良いだけなのに、 既にまとまっているものを、再度まとめるなおすは、労力と才能の無駄遣いです。 でも、確かに知っていると便利なことには違いありません。 その「ちょっと便利だな」という、そんな程度でも良いという事が真意なのでしょう。 何処かの大学、官庁及び衆議院・参議院にて、あなたが日常において属しているそこから、思考だけで良いですので、 文章にすることでネットの意識共有体に連山経由で投じてください。ネットの意識共有体の潮流の変革は必要と思っていますが、 その為には質だけでなく量も重要です。 特に今は。

世界情勢

基本的には日々のニュースを見て、成り行きに合わせて見解を修正していますし、 田中宇氏princeofwales1941氏に感化された面が大きくありますが、私も最近ではどうやらアメリカの覇権はアメリカ自身が終わらせるのではないかという気がしています。 アメリカとしては、主要国に中国が含まれ、協調関係を基調とする東アジア共同体のようなものを構築させようとしているようです。 つまりは、東アジアにおける冷戦構造の終焉です。 その為には、北朝鮮が悪の国ではなく普通の国である必要があり、その為には拉致問題が邪魔なのでしょう。 正確には、拉致でアメリカのアジア撤退阻止を図る我が国の「親米派」がかもしれません。 だからアメリカ自身が動いて、外国人である日本人の拉致問題を解決しようとしているようです。 拉致が解決すると、拉致問題を大きく取り上げることで不協和音を作り、 「協調関係を基調とする東アジア共同体」の構築・アメリカの東アジア撤退阻止を図ってきた「元親米派」にとっては、頭の痛い問題です。 日米共闘のシンボルである拉致をあっさりアメリカが解決してしまったら、アメリカの撤退流れを止める大きな手段を失うからです。 しかも、先の従軍慰安婦の件に見られるように、もはや歴史問題を言うのはアメリカであって中国ではない。 その中国は北朝鮮への経済制裁停止を唱えるという点でアメリカに同調しており、 韓国もアメリカと同調して拉致解決を働きかけています。 北朝鮮が中国に吸収されるのか、韓国と一体化した後に一部韓国が独立するのか、実際にどうなるかはわかりませんが、 東アジア共同体のグランドデザインを巡っての国益確保のパワーゲームが展開されていたとしても、 そこに参加していないという意味で今は日本だけが孤立しています。 世界の設計図は世界島の東北部ではなく中原にて作成されているそうです。 確かに我が国は世界を支配していません。となると、どうあがいてもいずれはより力の強いアメリカの撤退を止められなくなるでしょう。その時の事を思えば、望まずとも来るであろう東アジア共同体の時代に、 せめて不利な立場にならずに済む外交をすべきでしょう。 つまり、今は「協調関係を基調とする東アジア共同体」とその外の地域と国益の関係を考えるグランドデザインの力が問われる段階です。 今の我が国の政界は、戦後ずっと続いていた親米派、或いはアメリカの傀儡です。だから政権交代が無かったのです。 自らの存立の基盤を日本人ではなくアメリカにおいてきた者が支配層において多数派なのです。 省益あって国益なしは昔からかもしれませんが、最近では内向き度合いの強すぎる官僚機構も同じでしょう。 急な権力構造の抜本転換は確かに極めて困難ですが、日本国民としてはそれを考えなければなりません。 何故なら、今の政治権力者は東アジア共同体での我が国の立ち居地を考慮せず、アメリカ撤退をを阻止する事しか考えません。 或いは、場当たり的にしかモノを考えられません。例えば、農業は重要でしょうが、 食料自給率と安全保障を考えながら、東アジア共同体の時代において、日本国どうある国であるべきか、 そういうグランドデザインは、国民に選挙で問わねば政策合意など形成し得ないはずです。しかし、それをしない。或いは出来ない。 この為に、本来なら我が国が確保しえたはずの国益が損なわれている可能性が極めて大きくあります。 そして、いずれアメリカが彼ら「自称親米派」を切り捨てる為の攻撃を、この日本国に向かって投じ、 その被害を巻き添えで受ける可能性があります。消費税が良い例ですが、国民に負担だけを押し付けて、自分の身を守る連中でもあります。 そして、その事を恥とも思わない。こういう問題を避ける為にこそ、東アジア共同体と国益の関係をまともに構想し、 それをふまえて動けるものをリーダーとして選び、政治権力を与えるようにすべきです。 今の参議院選挙は年金が争点だそうですが、年金問題の本質は国家組織運営能力の有無でしょう。 それの無いものに、こんな大事は任せたくないものです。


タイトル 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG DVD-BOX
媒体 DVD
監督, 出演 神山健治田中敦子 他
出版社と出版時期 バンダイビジュアル, 2007/08/24
タイトル GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
媒体 DVD
監督, 出演 押井守田中敦子 他
出版社と出版時期 バンダイビジュアル, 2004/02/25
書名 保存食品開発物語
媒体 文庫
著者 スー シェパード 他
出版社と出版時期 文藝春秋, 2001/11
書名 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
媒体 単行本
著者 ジャレド・ダイアモンド 他
出版社と出版時期 草思社, 2005/12/21
書名 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)
媒体 単行本
著者 ジャレド・ダイアモンド 他
出版社と出版時期 草思社, 2005/12/21
書名 天使の軍隊
媒体 単行本
著者 佐々木 敏
出版社と出版時期 講談社, 2007/04/26

速報ニュース

中越沖地震:雨が追い打ち 対応に追われる住民 毎日新聞 2007年7月17日 14時

関係コラム

政治的無関心と当事者意識

2007年5月11日

企業中心の日本社会はどう変わるのか

はじめに

本稿は主に日本人のエトス(ethos)について論じます。結論を先に言えば、 かつて山本七平氏が「会社の名誉はあっても団地の名誉は無い」と表した企業中心の日本人・日本社会ですが、 企業が利益至上主義に変化しつつあり、その結果日本社会が混沌に向かっているというものです。

中心であった企業が利益至上主義に変化した

技術継承の危機とされる2007年問題は、団塊の世代の定年退職が最大要因とされていますが、 OJTを基本とした社員教育を行ってきたはずの日本企業で、 何故に技術の継承が出来ていないと言う危機が発生するのでしょうか? 失われた10年の間に採用を絞っていたという面もあるでしょうが、 10年間の人的空白があっても、それ以外の期間には人を雇い、教育していたはずです。 にも関わらず、OJT体制の中にあって伝えるべきが伝わっていない理由、 それは、昔やっていた事をやらなくなったと考えるのが自然でしょう。 OJTでは、日常の仕事の中でやっていない事が伝わる機会はありません。 では、昔やっていた事は誰がやるようになったのか? 「企画への特化」などの名目で下請けにやらせるようになったはずです。 企業経営には、スマイル・カーブという概念があります。 失われた10年から立ち直る為にはどうすれば良いかと言う切実な課題があり、 この点について多くの企業経営者に道を示す概念でした。 ただ、残念ながら選択と集中やり方がまずかったのでしょう。 コア・コンピタンスの提唱者は、 「コア・ビジネスに固執していると、自社のビジネスチャンスの範囲を狭め、 新しい競争の場を作る可能性を自ら閉じてしまうことになる」として、 非戦略的な“選択と集中”や利益至上主義に基づくリストラを戒めていますが、 このような利益至上主義の落とし穴にはまった企業が多くあった結果が、 2007年問題と呼ばれる技術継承問題の一因でしょう。

企業中心社会での企業の利益至上主義化の弊害

バランスシート危機から脱出する為に利益率を高めようとするのは真っ当な行動であり、 「米百俵の精神」などが受け入れられたのは、企業中心の日本人のエトスからすれば当然の事でしょう。 しかし、バランスシート不況を脱したにも関わらずホワイトカラー・エグゼンプションのような話が出てきて、 ひたすら賃下げしようとする経営者と政治家の姿勢を見て、 企業中心という日本人のエトスに変化の兆しが出てきたように見えます。 (代替するものが無いので、兆しがあるのであって、変化はしていません。) 国民の成果主義への評価が低下して年功賃金を肯定し、一生今の会社で働きたいと思い、 自由な生き方としてのフリーターを否定するようになったというニュースが記憶に新しいですが、 これは、企業中心のエトスを持つ日本人の規範意識の結果でしょうか? かつてのような企業中心のエトスから会社に身を捧げる事に積極的なものではなく、 安定的で良い暮らしをしたいという保身が動機のものでしょう。 また、今の高校生では立身出世を目指す「積極性」は希薄化し、享楽主義が増えています。 これが、かつての高度経済成長期を支えた日本人と同じ日本人に見えるでしょうか? こういった事の原因が不況にあるというなら、いざなぎ超えの好景気が続いているはずの現在では起きないはずの現象です。 これらは、日本国内における縮退のわかりやすい例だといえます。

揺り戻しの動きはあるが

そんな中で、経済同友会桜井正光代表幹事の就任挨拶では、 「3.新・日本流経営の創造」「4.人を大切にし、社会を大切にし、仕事を大切にする」という、 2つの小見出しがあり、揺り戻しの動きがあるから大丈夫と思われるかもしれません。 しかし、期待するのは間違いです。 利益至上主義に走り、日本社会を荒廃させた当人に、まともな秩序など構築できるはずがないからです。

縮退と知的機動

歴史において「移動する種に対して移動しない種」は常に劣勢であるそうですが、 何らかの社会的・知的な大移動が無ければ、並大抵のことでは現状は改善しないでしょう。 社会全体を貫く未来志向の知的大転換が必要になると思われます。 それが出来なければ、日本社会の荒廃は止められないでしょう。

読者コラム

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岡本太郎との対峙~万博公園『太陽の塔』~ 川崎たけし

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