ロシア人の国家観(2)

独立した旧ソ連の二国現状(ウクライナ、グルジア)

複雑な話ではあるが、日本と韓国の関係のように、ロシアとウクライナも非常に国民同士も仲が悪い。実際、客観的に見ても、たしかにウクライナ人の性格というのは、ロシア人より陰気で執念深いように感じたし、多くのロシア人がウクライナで嫌がらせを受けたという話をしているくらい、ソ連時代から対立は根深いようだ。

特に、同じウクライナでも東と西に大きく分けた地域によって、驚くほど文化や住民の意識が違っており、使っている言語も東はロシア語が主なのに対して、西は純粋にウクライナ語が中心となってくる。その上、西側は文化・宗教的にもポーランドなどのカトリック圏との結びつきが強いため、余計にロシア嫌いがエスカレートするらしい。

ウクライナで一時「オレンジ革命」といって騒がれた政治的な動きも、今になると、親ロシア派の巻き返しが激しく、以前ほどの影響力があるとはいえないようだ。これも、多くは資源問題もあろうが、やはり、出稼ぎ労働者のほとんどの行き先はロシアという 実では、ウクライナがロシアに対抗するにも限界があろう。

また、日本ではほとんど報道されないが、このオレンジ革命の英雄に奉られた政治家たちが、結構胡散臭いことをしている人たちで、特にユーリー・ティマシェンコという女性に関しては、ロシアをかましての資源ビジネスで、かなり汚い手を使って、大富豪になっているために、ロシア当局からは逮捕状が出ており、一度はモスクワの空港で捕まりかけたこともあった。

Poisoning in the UKRAINE by Alex Miller-Mignone

さらに、顔が変形したことで世界に注目されたユーシェンコ大統領も、馬鹿息子が大金を手にして放蕩の限りを尽くして、警察のご厄介になったりしているのは有名な話で、大半を占めるウクライナの貧しい国民にとっては、決して気持ちのいい話ではないはずだ。

そもそも、このオレンジ革命と同時期に、グルジア(コーカサスの小国家、トルコの隣に位置する)でも同様の「薔薇革命」と呼ばれた政治的な異変があって、長年大統領の座に居座ってきたソ連時代から名の知られた政治家、シュワルナゼが追放され、サーカシビリという若者が大統領になった。当初は若いということと、婦人が外国人で教養が高く、清廉潔白のイメージで受けがよかったものの、実際には、彼が政権を取ってからよくなったのは道路事情くらいで、物乞いも増えたし、ロシア語学習を禁止したために教職を追われる人もおり、さらには、右ハンドル自動車の輸入まで禁止して、日本の中古車が とばっちりを受けたりで、国民の評判も徐々に低下していたようだ。

wikipedia ミヘイル・サアカシュヴィリ

当初からロシアの立場から見れば、明らかにサーカシビリという男は、アメリカ流の教育を受けて反ロシア的な意識の強い、アメリカの傀儡政権だということが明らかであった。実際に、現地の空港からの道路には「ブッシュ街道」と名付けられ、ご丁寧に本人の写真まで入る手の込みようで、ちょっと歴史と誇り高いグルジアとしては、腰が低過ぎて驚きだった。正直言って、潤っている人は一部としか言いようがない有様で、ロシア語教育を受けてきた世代の人たちは、出稼ぎ先を失って、今後どうやってこの国を支えていくのか、こちらが不安になるくらいである。(それくらいに、この国は旧ソ連圏で最も経済的に立ち行かない国なので、大半の国民が出稼ぎで故郷の家族を養っているのが現状なのだ)

当初は国民のそこそこの歓迎を受けたのであろう。しかし、彼があまりにロシアと敵対するような過激な言動を行ったりしたために、石油やガスなどの資源供給がロシア側から停止され、自国の唯一ともいうべき輸出品であったワインが、ロシア市場から締め出されるなどの弊害も出てきて、さらに内部で政治的に対立する勢力が拡大し、分裂の危機の模様。先月は、グルジアの首都トビリシでサーカシビリ反対派の大規模集会が開かれた模様である。

こういった表面的なことはともかくとして、ソ連崩壊後も貧しい中を人種に関係なく、助け合って 生きてきたロシアの人々が、こういった政治的なことのために、非常にお互いを傷付け合うように なってきているのは、本当に残念なことであるし、やはり、多少はアメリカからの陰謀を感じてしまう。 そういう風に言うと、ロシア贔屓に思われるかもしれない。しかし、実際に現地の人たちと過去から 遡っての話に付き合うと、そういう風に思えてくるのである。

このような旧ソ連圏の社会問題に関しては、ロシア側報道からニュースを読んでいると、たしかに多少の偏りはあるものの、他の国の報道と合わせて見ることによって、逆に不思議な平衡感覚がつかめるようになってくる気がするのである。そういう意味では、アメリカ側の立場を代弁するようなニュースばかりを流す報道機関もまた、公正とはいえないだろう。

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