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2007年8月28日

【視察】アルアイン訪問記

峯山政宏さんの記事にも掲載いただいているが、7月に多摩大学ルネッサンスセンターの「40歳代CEO育成講座」の海外調査の一環で、アラブ首長国連邦(以下、UAE)のアルアインにあるハフィート山の緑化地帯の見学ご案内をいただいた。連山サイトにその模様をレポートいただいているが、メンバーの一員である高畑よりご案内およびレクチャーの感謝とともに、訪問しての感想を述べてみようと思う。

峯山さんの記事

今回の我々チームの調査テーマは「環境問題」。地球環境問題は、一国の取り組みだけでなく、各国が一致協力して進めることなくしては解決しえない問題であり、かつ、国際競争下で誰がどれくらい経済成長への影響を受容しつつ取り組むのかという点や、南北問題、解決に向けた仕組み作りなど、多くの複雑な課題を抱えている。そうした現状を踏まえつつ解決に向けたカギを探るなかで、我々は、これからの人口増加傾向において世界の総人口の4分の1を占めると予想されているイスラム教国家に着目し、また、イスラム教の文化、歴史、伝統の中に、独自の地球環境問題の解決につながるヒントがあるのではないか思い、2007年7月14日から22日の間、UAE、エジプト、イラン、トルコの中東4ヶ国を訪問した。その中でUAEにおける環境問題への取組みの事例の一つとしてハフィート山の緑化地域の見学をご案内いただくとともに、主にアブダビでの環境政策に関してのレクチャーをいただいたという経緯である。

今回のUAE訪問においては、ドバイ・アブダビを訪問し、主にアブダビにおける積極的な環境施策を目の当たりにすることとなった。アブダビ首長国においては、前首長であり、前大統領のシェイク・ザイード氏が政策面で国の緑化に非常に力を入れており、豊富なオイルマネーを原資として、地下水くみ上げ及び海水淡水化などにより水資源を確保した上で、砂漠地帯に大規模な緑化地域を作り上げているそうだ。シェイク・ザイード氏は国民に絶大な信頼を有しており、絶滅種動物をひとつの島に集めて保護区を作ったり、自身の出身地であるアル・アイン市のハフィート山という1,200メートルの岩山をふもとから緑化をしていたりなど、その信頼感をベースに国民に環境意識を根付ける活動を実施していたという。一面の岩山に芝生を張り、水をやり、緑化をしているその光景は圧巻である。ハフィート山以外でもアルアインをはじめ、アブダビ市街地も、砂漠の地とは思えない緑の多さが印象的であった。

他にもアブダビ政府においては、大気保全、水源確保などにフォーカスした環境モニタリングを近年実施しはじめ、経済発展が自国の環境に悪影響を与えないようにするという取り組みが以前より、スタートしている。また、2年前にシェイク・ザイード氏の死去により、その長男であるシェイク・ハリーファ氏に政権が交代し「新たな国造り」に着手している。シェイク・ハリーファ氏は主に財政・石油資源に関する部分を統括し、経済政策は皇太子で弟であるシェイク・モハンマド皇太子が統括している。環境政策はこのシェイク・モハンマド皇太子のイニシアチブのもとに進められている。

その中で、2006年3月に、世界的な資源維持・代替エネルギーの必要性に応えるため、また単なる石油生産国ではなく、資源維持・代替エネルギーに関する新技術輸出国となり、国際エネルギー市場における地位を確固たるものにするため、「Masdar Initiative」という環境構想を発表している。同構想は、再生可能エネルギー、エネルギーの効率化、炭素マネジメントおよびその資金化・水利用・海水淡水化のための、高度な革新的技術の発展および商業化を図るものである。背景には「石油・ガスのモノカルチャー型」のアブダビに、新たな産業ベースを構築することにあり、その中で「観光産業」と「環境ビジネス」がその柱として期待されている。

そういった背景から、今後、UAEにおける「環境ビジネス」への投資は有望であり、優れた環境技術をもっている日本やドイツなどにはUAEからの期待も多いと思われる。今回、アルアインをご案内いただいた峯山氏の所属するAL MAHA LAND AGRICULTURAL Co.,LTD. にも、日本の環境技術をUAEにつなげ、UAEでの旺盛な環境ビジネスニーズにいち早く対応しようという意欲を感じた。日本は世界有数の優れた環境技術を保有している国である。京都議定書の温暖化ガス削減目標の達成に暗雲が立ち込めている日本ではあるが、積極的な環境技術の提供によりCDMを活用した削減目標の達成に向けた動きも今後、加速化が考えられる。その際にUAEは非常にチャンスのある市場ではないかと感じた。

また、投資・ビジネスといった短期利益やインセンティブだけではなく、シェイク・サイード氏がそうだったように、「国民のために」さらに「地球のために」と視野を広げて、環境問題への積極的な取組みを、一人一人が、そして全ての国が、常に考えていく必要性を強く感じた訪問であった。

株式会社デジタルスケープ 高畑秀道

写真
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写真1:アルアイン市内。緑の多さに驚き。

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写真2:ハフィート山の緑化。後ろの岩山を緑で覆うというのだから圧巻。

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写真3:ハフィート山頂から臨む景色。草一つ生えていない見渡す限りの岩石。

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写真4:湧き上がる地下水(というよりお湯)をバックに、今回訪問メンバーと峯山氏。

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