【環境企業】ハイフラックス

米国の経済誌「フォーブス・アジア」の表紙を飾ったこともある東南アジアの富豪のオリビア・ラム氏の会社Hyflux Pte. Ltd.にはマレーシアとの国境近くにアジア最大級の淡水化施設ある。人口増加そして都市化や工業化などによる水不足・水質汚濁の問題を解決することで成長する海水淡水化技術を持った水処理会社に注目してみよう。

会社概要

Hyflux(ハイフラックス)社は1989年当時Hydrochem(ハイドロケム)という名前でシンガポール、マレーシア、インドネシアそして中国で水処理システムの販売商社として設立。2001年1月にはシンガポール証券取引所でリストされる最初の水処理会社となり、2005年3月からはthe Straits Times Indexのインデックス株となる。今日、Hyfluxは水処理会社という範囲を超えて成長し、10億シンガポールドルを上回る株式の時価総額がある。言わばシンガポール、中国、中東と北アフリカそしてインドでのプロジェクトと活動はアジアの主要な環境系企業のリーダー的存在である。膜の技術を専門にHyfluxはデザイン開発、パイロットテスト、システム統合とエンジニアリングを含むサービス提供をしているソリューションプロバイダーである。またターンキー(完成品引渡し)方式で広範囲にわたる水と液体処理システムの操作・管理・委任またはDesign-Build-Own-Operate (DBOO) 契約に従事。日本を除いてアジア最大であるシンガポールにある膜と素材研究センターでHyfluxは最先端の膜技術開発が可能であり、会社の成長を確実とする。住宅研究もしくは世界で評判の良い機関との協力でHyfluxは総合的な膜製品(重合、ステンレス鋼と陶器)と膜システムを開発するために技術を強化する。そして水処理と産業の製造処理において環境にやさしい解決を広範囲にわたるアプリケーションに提供する。Hyfluxは商標登録済の膜でバイオ素材(例:乳酸や生分解性プラスチック等)の生産のように使用後の油と溶媒をリサイクルすることのような環境に関連したクリーンエネルギーのフィールドへも進んでいる。2006年にはGlobal Water Intelligence(英国)によってGlobal Water Awardsを与えられ、2005年と2006年にはフォーブズアジアにBillion Companyとして2回リスト入りした等Hyfluxの優れた成績は広く認められている。 財政的な能力の発展は最先端技術とその操作の成長の鍵となる。研究と技術開発による獲得に対し、連続的に強く集中した戦略で中国、インド、中東と北アフリカとアジア太平洋の発達する市場まで広げる準備はできている。

CEO兼社長オリビア・ラム

水の女王との異名があるらしい女性オリビア・ラム氏がHyfluxのCEO兼社長である。資本金20000シンガポールドル(約140万円)従業員3名から始まり、逆浸透膜(1ナノメートル以上の粒子は通さない)を東レの協力で手に入れた。シンガポールは日本と違って河川の水が豊富ではなく隣国マレーシアに必要な水のほとんどを依存してきた。そこで、同国政府がラム氏に下水処理(工業用水や飲料水を再利用)プラントの建設・運営を受注した。これは経済発展のためにシンガポール政府が進めた造水政策だったが、これにうまく乗った彼女の事業は急速に発展した。海水から塩分を取り除くアジア最大級の脱塩処理施設も稼動させ、シンガポールの水需要の約35%を供給。2005年からはドバイでも事業開始した。

【HYFLUX】Olivia Lum, Group CEO & Presidentより


第11回日経アジア賞 経済発展部門

アジアで「水の女王」と呼ばれる。1989年に水処理会社ハイフラックス(当時はハイドロケム)を興してから17年。「水は他のもので代えようがない」を持論に、シンガポールだけでなく、中国や中東など飲み水や工業用水が足りない地域で、下水の再生や海水の淡水化など“水造り”に取り組む。

(中略)

【略歴】
1960年、マレーシア生まれ。孤児としてマレーシア人の貧しい家庭に養女として育った。小遣いを稼ぐため市場でアイスクリームや果物の行商をし、「7歳の時には学校から食堂の一角を借りてパンを売った」という。 中学生のころに科学が好きになり、シンガポール国立大学で化学を専攻。医薬品のグラクソに入社した。「技術とビジネスを結びつけるのが面白い」というラム氏の才覚は幼年時代に培われたようだ。苦学したラム氏だが、ハイフラックスの成功により、いまや資産2億4000万米ドルを保有。05年フォーブス・アジア版ではアジアの富豪の39位に名を連ねた。03年には地元女性誌の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、05年にはシンガポールの地元経済紙から女性としては初めて最優秀ビジネス・エグゼクティブに選出されている。独身。45歳。[5月24日/日本経済新聞]