ベラウ共和国
ベラウ(パラオ、パラヲ)は南北約640kmに200以上の島々で構成された太平洋上ミクロネシア地域地域の独立共和国。人が住んでいるのはわずか9島で残りは無人島(元プロレスラーのアントニオ猪木はその1つを所有していることでも知られる)、かつては日本の一部でありパラヲ支庁(西カロリン群島パラヲ諸島コロール島)と呼ばれていた。日本以外で日本語が公用語なのはパラオの中の一つアンガウル州だけではないだろうか?パラオ語ではパラオのことをベラウと言い、2006年10月7日に首都をコロール(日本統治時代には南洋群島の統治機関である南洋庁があった)からパラオ最大の島バベルダオブ島の東海岸に位置するマルキョクへと遷都したところである。日本との間に時差はなく、雨は多いが台風はほとんどこない。年平均気温は27℃と全域が熱帯気候で所謂「地球最後の楽園」である。国旗も日本と似ていると言えば似ていて、空色と黄金色は海と陸・平和と静寂・海と満月を表している。丸は中央から少しずれている。
歴史
先史時代は未解明であるが、遺跡などが残っているので古くから人は住んでいたようだった。しかし1783年イギリス船「アンテロープ号」の座礁(アラカベサン島沖)よりパラオとヨーロッパの接触が始まった。1885年にスペインの植民地となった頃には天然痘等の西洋からの病気によりパラオ人口の90%以上が死滅したようである。1899年にスペインはパラオをドイツに売却し、ココナッツ産業が盛んになったが1914年第一次世界大戦が開始された。ドイツに対し宣戦布告した日本は旧海軍を派遣、ドイツ守備隊はこれにより降伏した。戦後処理のためのパリ講話会議のもとパラオは大日本帝国の委任統治領となり南洋庁及び南洋庁西部支庁(パラヲ支庁)が置かれ多くの日本人が移住した。写真は旧南洋庁の建物が残ったもので今は最高裁判所となっている。

徒然日常より
昭和18年当時は居住者約33,960人のうち日本人は25,026人、朝鮮半島出身者2,460人、パラオ人先住民6,474人、他にスペイン人・ドイツ人宣教師18人と住民4人に3人は日本人であり、日本人によって学校・病院・道路等のインフラ整備が行なわれた。1920年代には地元パラオ住民に対して日本語による5年制の学校教育も行なわれることになった。1933年国際連盟脱退後も委任統治を続け、第二次世界大戦(太平洋戦争)時にはコロールが海軍基地として北西太平洋方面の作戦拠点となった。1944年ペリリューの戦いではアメリカ軍の攻撃対象となり、日米両軍に多くの戦死者を出したが、パラオ民間人には死者が出なかったようだ。戦後1947年、国際連合の委託でパラオはアメリカ合衆国信託統治領となる。アメリカは莫大な援助資金でパラオに浸透した日本文化を排斥(神社やインフラの破壊)、英語教育を行ったが反日教育の成果は上がらなかったようである。1980年住民投票により非核憲法の制定、1981年自治政府発足そしてパラオ憲法発布。初代大統領にはハルオ・レメリクが就任。翌年内政・外交はパラオが、財政援助と安全保障はアメリカ合衆国が担うこととなり米軍が駐在する自由連合協定が結ばれた。非核憲法は住民投票により見直しされ、翌年非核条項は凍結された。第4代大統領クニオ・ナカムラ(名前の通り日系人)が就任。1994年10月1日独立し、国際連合へ加盟。アメリカ合衆国信託統治領最後の独立国であった。

パラオ短信より
政治
パラオは任期4年の大統領制、議会は二院制(下院16名、上院9名。任期4年)。アメリカによる経済援助は2009年に終わることから財政の自立化と9.11テロ事件以降減少した観光産業の低迷を課題にしている。29カ国と外交関係を樹立しているが、特に日本とアメリカとの関係を重視しており、日本による援助もあり関係は良好と言える。パラオ政府は日本による統治時代を評価し、ナカムラ大統領の実父の出身地である三重県伊勢市は1996年以降友好提携関係である。日本人資金や地元の観光資本によりコロール島の神社のいくつかは再建され、日本から遺骨収集のために訪れる団体もある。パラオの言語には多くの日本語が取り入れられ、日本語や日本に親しみを感じる国民は多い。子供に日本風の名前をつける人も多い親日国家。パラオ唯一の公立高校では1964年より日本語は選択科目であり、人口約200人のアンガウル州(人口約200人)では公用語の一つとして採用されている。現大統領のトミー・レメンゲサウは、2005年7月来日前に行われた会見で当時の小泉首相の靖国神社参拝について「すべての人のために祈るのは正しいことだ」と支持を表明。前大統領クニオ・ナカムラは直接参拝こそしていないものの靖国神社参拝には理解を示し、代理人を参拝のために派遣したとも言われる。

パラオ語にはカツドン(カツ丼)やアンパン(餡パン)のような食べ物をはじめ、アブラ(燃料)・ツカレテ(疲れた)・シコーキ(飛行機)ドーグバコ(道具箱)・アバレテ(暴れる)・ダイクサン(大工さん)・センプーキ(扇風機)・ベンジョ(便所)・サルマタ(猿股=パンツ)・ゴミステバ(ごみ捨て場)・チチバンド(乳バンド=ブラジャー)など、そして日常会話以外の単語、セイフ(政府)・センキョ(選挙)・コーホシャ(候補者)・ダイトウリョウ(大統領)・ハンケツ(判決)・キンロウホーシ(勤労奉仕)などの日本語が残った。
日本との外交詳細はこちら。
経済
主産業は、漁業と観光業。通貨はアメリカドルで歳入のほとんどがアメリカ合衆国による援助であり、公務員の削減や緊縮財政政策、観光・軽工業を奨励。貿易収支は大幅に貿易赤字を出しており、輸出品の7割がマグロ、そしてコプラや手工芸品で、日本への輸出はマグロが大半を占めている。輸入はアメリカ合衆国(グアムを含む) (53.3%)、日本 (10.2%)、シンガポール (7.7%)、大韓民国 (6.4%)に各種機械 (24.2%)、各種原料 (19.0%)、食料品 (15.2%)、各種製品 (13.3%)、原油 (10.4%)などを頼っている。農業と漁業は自家消費や小規模国内市場向けである。製造業は中国人労働者を使った縫製工場のみ。消費物資のほとんどを輸入に頼っている。一人当たりのGNIは$7,630と太平洋諸島の中では高いがパラオ政府はアメリカ・日本・オーストラリアからの海外援助に頼っているので国民の実態とはかけ離れているという。
交通
国内は自動車(右ハンドルの日本製中古車)やスクーターによる右側通行で、離島との交通手段には船や小型飛行機が使用される。鉄道網はない。コンチネンタル航空によるグアム・マニラ・ポナペ間の定期便があり、日本からはグアム経由が一般的。日本航空によるチャーター便が年に数度飛ばされることもある。
国民
人口の70%前後がパラオ人(マレー系のカナカ族)、他は賃金の安いアジア系外国人(フィリピン人等)。旧都コロールに人口の半分以上が居住し、キリスト教徒が多い(カトリック約40%・プロテスタント約30%)カトリックと伝統的なシャーマニズムの融合した新宗教モデクゲイ、エホバの証人、モルモン教徒、土着の宗教などがある。公用語は英語とパラオ語、アンガウルのみ英語とアンガウル語と日本語が公用語。娯楽は映画やテレビ、ラジオでエフエム東京と日本航空の協力で設立されたラジオ局がある。自由連合協定に基づき、パラオ国民の一部はアメリカ軍人として採用され、イラク戦争へもパラオ兵が従軍。
地方
パラオは以下16の行政区分がある。
- アイメリーク州 (Aimeliik)
- アイライ州 (Airai)
- アンガウル州 (Angaur)
- ハトベイ州 (Hatobohei)
- カヤンゲル州 (Kayangel)
- コロール州 (Koror)
- マルキョク州 (Melekeok)
- ガラルド州 (Ngaraard)
- アルコロン州 (Ngarchelong)
- ガラツマオ州 (Ngardmau)
- ガスパン州 (Ngatpang)
- エサール州 (Ngchesar)
- アルモノグイ州 (Ngeremlengui)
- オギワル州 (Ngiwal)
- ペリリュー州 (Peleliu)
- ソンソロル州 (Sonsorol)

パラオ政府観光局より
参考
ハイチ共和国とベラウ共和国(パラオ)の対比

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