今回は、イラク情勢を見てみたい。
イラクでは、私の予想どうり、内戦の危機が高まり、米軍撤退が議論されだした。私は、今日の事態をイラク戦争開戦
の前から予測していた。以下はVOL22からの抜粋。
事態はこのどおり推移している。後述するように、アメリカのイラク戦争は孫子の兵法に完全に違背している。
「イラクにおいて、反米攻撃がやまず、一向に沈静化の見通しが立たないどころか、一部では米軍は実質的に敗退しているという報道もある。世の識者、評論家の中には、現在の状況が理解できず、イラク戦争の見通しに自身が持てないまま事態の推移を見守っている人が多い。特に親米といわれる人々は、このような状況に対して無視を決め込んでいるとしか思えない。
△ 私は、昨年のイラク戦争開始前から、この戦争は泥沼化し、結果的にアメリカは敗退する。唯一それを避けるには、インダス川から紅海、地中海で囲まれたエリアを核攻撃により、根絶やしにするしかないことを主張してきた。よって、現在の状況はむしろ、私の予測通りといえる。何故、そのような予測が成り立つのか?それは私の分析手法が、歴史の法則を発見し、そこからの逸脱度合いを見て事の成否を判別するという、極めてシンプルなものだからだ。
△ この観点から、アメリカのイラク戦争は戦略的大失敗であり、アメリカの孤立、衰退、モンロー化と、結果として、世界の戦国化を生むことは、”地政学的大失策が引き起こす、米国の衰退と世界の戦国化!”でも書いたとおり。
△ では、私が見出した『歴史的法則』とは何なのか。
1、ハートランドの長期支配は不可能
まず、一つ目は「一つの政治権力でハートランドを長期間支配することは不可能であり、むしろ、ハートランドに手を出すと、その本国まで瓦解する」という世界史上のあるいは地政学上の法則だ。
アレクサンダー大王のマケドニアはインダス川まで攻め込み、ローマ帝国においてトラヤヌス帝は最大版図を確立し、パルティアに攻め込み、ペルシャ湾に達した直後から衰退が始まった。ナポレオンやヒトラーあるいはジンギスカンを例にとれば、ユーラシアハートランドへの遠征が、結局はその本国まで滅ぼす契機になったことを見れば分かるだろう。ナチスドイツは150個師団300万人でソ連に攻め込んだが、結局は敗退した。地域住民を敵に回し、消耗戦に巻き込まれたからだ。
さらに、「短期的支配」に限っても、この地域の支配には大量殺戮、敵対勢力の根絶やしが必要なことは、以前、述べた。
2、キリスト教徒やユダヤ教徒が、イスラム教徒を支配して上手くいった例は皆無
これは、十字軍や19世紀から20世紀にかけての植民地支配をあるいは、ソ連軍のアフガン侵攻の結果を見れば、短期的に見れば上手くいっても、結局は破綻し、かえって移民問題を生み、本国を乗っ取られることに繋がることをみれば分かる。
イスラム教徒は近代国家ではなく部族社会、宗教社会で生きており、一族の誰かが殺されると、必ず復讐するし、聖戦を聖職者が宣言すれば戦うことは宗教的義務となる。このような死を恐れぬ10億のイスラム教徒は、国境を超え連帯している。よって、米軍は10万ぐらいの兵力で、2千7百万のイラク人のみならず、10億のイスラム教徒を敵に回して、この地域を支配できるわけは無いのである。
<参考>
△ 米国家情報会議、イラク開戦前に反米闘争予測 朝日新聞9月29日
http://www.asahi.com/international/update/0929/004.html
米政府の「国家情報会議」が、イラク戦争開戦前の03年1月にイラク情勢に関する二つの機密報告書をまとめ、その中でイラク戦争後の事態について、反米武装勢力による暫定政府や米軍への攻撃が起きる可能性を予測し、ブッシュ大統領に報告していたことが28日、明らかになった。
同会議は中央情報局(CIA)長官の諮問機関。CIAは、朝日新聞の問い合わせに報告書の存在は認めたが、内容については機密を理由に明らかにしなかった。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、報告書は、米軍がイラクに侵攻すればイスラム過激派への支持が高まり、イラク社会が武力紛争に陥ると予測。別の報告書では、旧フセイン政権の残党やテロ組織などが、連携または独自にゲリラ戦争を引き起こす可能性を警告していた。
ホワイトハウスのマクレラン報道官は28日、「大統領は戦争の決断を下した場合にどのような試練に直面するか熟知していた」と述べ、警告を受けていたことを認めた。同会議はイラク情勢について今年7月、「最悪の場合、内戦につながる」との悲観的な見通しを示した機密文書「国家情報評価」も作成した。 (09/29 12:18)
3、アメリカはユーラシアの縁(リムランド)でしか戦争をしたことがない
アメリカがユーラシアに本格的に関与してくるのは、第一次世界大戦以降のことであるが、アフガン戦争以前は、全てユーラシアの外縁部への軍事展開に留まっていた。第二次大戦でも欧州戦線では、内陸部のベルリン攻撃は行わず、ミュンヘンまでしか行かなかったし、朝鮮戦争でも満州を爆撃しなかった。湾岸戦争でもクゥェート解放に留まり、バグダット侵攻を行わなかった。これは、シーパワーとしての自己規定により、アメリカの戦略がリムランド支配に特化するというもので、極めて合理的判断といえる。
何故、アフガン戦争から、イラク戦争にかけて、いかにそれまでのアメリカの戦略である”From The Sea”ドクトリン(米海軍は92年に新しい戦略「フロム・ザ・シー」を打ち出し,沿岸海域の作戦へと重点を移している。)に基づくシーパワーとしてのリムランド支配戦略からの逸脱が行われ、ハートランド直接攻撃という戦略的下策を取ったのかを理解する必要がある。
個人でも、企業でも、それまで未知の分野に進出するときには細心の注意と下調べが必要であり、それなくしては必ず失敗するのは鉄則だ。そして、アメリカのアフガンからイラク攻撃は明らかにこの轍を踏んだのだ。
4、戦略的下策の背景
はっきり言えば、アメリカのユーラシアハートランド直接攻撃は、従来のアメリカの戦略から大きく逸脱する、「戦略的大失策」なのは明白であり、従来のアメリカの外交、軍事政策とは別の論理、力学で行われているということだ。そして、その力学とは、過去何度も指摘したが、パールやウォルフォビッツに代表されるシオニストであり、シオニストと連携し、黙示録実現を望むキリスト教原理主義者だ。911を契機として、それまで中東についてはアラブよりでイスラエルに冷淡であったブッシュ政権を彼らが乗っ取り、中東戦争にアメリカを引き釣り込んだというのが真相だ。
5、米兵の士気
嘘で練り固めた理由で戦地に送られ、日々攻撃にさらされ損耗を続ける米兵に士気の高さは望むべくも無く、実質的には、相当部分の米軍が戦力を失っていると見るべきだ。」
<参考>
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20060809/K2006080903770.html?C=S
リーバーマン上院議員が敗北 イラク戦争容認に批判
2006年 8月 9日 (水) 20:53
11月の米中間選挙を前に、民主党のコネティカット州上院予備選が8日投開票され、00年の大統領選で同党の副大統領候補だったリーバーマン上院議員(64)が、新顔の事業家で「米軍のイラク早期撤退」を掲げたラモント氏(52)に52%対48%の得票率で敗北を喫した。
リーバーマン氏がイラク戦争を容認し、ブッシュ政権寄りの姿勢をとっていたのが敗因とみられる。現職上院議員が党内の予備選で敗れるのは異例で、イラク政策に対する草の根の批判の強さが浮き彫りになった形だ。民主党左派やインターネットのブロガーが全国的にラモント氏を支援、旋風を起こした。
リーバーマン氏は8日夜、ハートフォードのホテルで「左右に分裂した党派的な古い政治が勝ってしまった」と敗北の弁。無所属に転じて上院を目指す意向を示した。
同州の上院選は共和、民主両党の公認候補に無所属のリーバーマン氏が加わる構図となる。民主党の公認を得たラモント氏は「失敗したブッシュの外交政策を直す時がきた」と語った。
ユダヤ系のリーバーマン氏は、イラク戦争はもとより、ブッシュ政権の対テロ戦争、イスラエル寄りの中東政策を一貫して支持してきた。党内では中道からタカ派と位置付けられている。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20060409/20060409-00000015-jnn-int.htmlより、
イラク「まさに内戦状態」エジプト大統領
エジプトのムバラク大統領は中東の衛星テレビとのインタビューで、イラクで内戦がまさに始まっているとの見方を示しました。これは中東の衛星テレビ、アルアラビアが8日に放送したものです。この中で、ムバラク大統領はイラク情勢について、「内戦の瀬戸際にあるというのではない。それはまさに始まっている」と指摘しました。そして、イラクに駐留しているアメリカ軍が撤退すれば、内戦は拡大し、情勢はさらに悪化するだろうと警告しました。
さらにフセイン政権が崩壊して以降、イラクで多数派のイスラム教シーア派が政治的な最大勢力となったことで、シーア派住民はイラクよりもイランに忠誠心を抱いていると指摘し、スンニ派が長らく政治を独占してきたアラブ世界が揺さぶられているとの認識を示しました。(09日10:39)
http://topics.kyodo.co.jp/feature01/archives/2006/08/post_1360.html
2006年08月07日
全面的内戦なら米軍撤退 イラクで米誌報道
イラクで内戦の恐れも 米司令官が議会証言
【ワシントン3日共同】「イラクなどでの作戦を担当している米中央軍のアビザイド司令官は3日、イラクの首都バグダッドなどでの「宗派対立が悪化している」と指摘、これを阻止できなければ「イラクは内戦に突入する可能性もある」と極めて厳しい認識を示した。上院軍事委員会の公聴会で証言した。
公聴会には、ラムズフェルド国防長官らも出席。長官は、イラク駐留米軍の撤退問題について「早期撤退や期限設定を求める声があることは知っている」と述べながらも、撤退の判断は「司令官の勧告に基づく」と従来の見解を繰り返し、撤退は時期尚早との考えを示した。」
このまま、イラクから米軍が撤退すれば、イスラエルは中東で孤立し、間違いなく、周辺国から報復される。この状況は、孫子のいう、「死地」に該当する。孫子は九地篇で、「死地には則ち戦う。」と述べている。全力で戦えば辛うじて生き延びることができるが、そうでなければ敵に討たれてしまうのを「死地」という。そのような場に置かれたら全力で戦えと孫子は言う。要は進退窮まった時は、ただ命を捨てて戦えと言っているのだ。 しかし、孫子は「戦って死ね」と言っているわけではないことに注意すべき。進退窮まると人は気力が萎えて、もう駄目だと観念してしまい、自分で腹を切ったりもする。しかし、そういうことをせず、その様な時こそ全力で生きる方へ向かって賭けるのだ。それが、「戦」の意味だ。 そうやって、命を拾った例はたくさんある。関ヶ原の戦いで、西軍が敗北した後に家康の本陣へ突っ込んでそのまま薩摩まで逃げ帰った島津義弘、越前朝倉攻めの最中に浅井の裏切りから挟撃にあい、 金ヶ崎で挟み撃ちにされた織田信長、信玄に完膚無きまでに叩かれた三方原の戦いでの徳川家康等々。 織田信長の本能寺の変も信長にとっては死地だったと思わる。あの時信長は弓と刀で体が動く間中戦ったのだが、 その当時から「見苦しい」という評価があった。しかし、孫子から考えると、これは「死地則戦」を実践したと考えてよいのではないか。 最後まで、生きる方へエネルギーを燃やし尽くした織田信長という男は、相当な猛者だったと言えよう。
このようか視点から、イスラエルの戦争は今後ますますヒートアップすると予測する。ラビン首相以来の対パレスチナ和平路線は結局は縮小均衡の占領地からの撤退しか生まず、長期的にはこれもイスラエルの滅亡に繋がるとの判断から、一か八かの積極的攻勢に出たのだ。つまり、篭城が不可能ならば、九死に一生をかけて攻めるということをイスラエルは実践したのだ。
<参考>
上記のような、アメリカのイラク戦争は、以下のような孫子の戦略に悉く違背している、「必敗の戦略」だということが分かる。
http://maneuver.s16.xrea.com/cn/sonshi1.html
計篇〈無謀な戦争をしてはならない〉
軍事は国家の命運を決する重大事である。だから軍の死生を分ける戦場や、国家の存亡を分ける進路の選択は、くれぐれも明察しなければならない。そこで、死生の地や存亡の道を考えるために五つの基本事項を用い、さらにどこが死生の地でどれが存亡の道かを明らかにするため、彼我の優劣を比較・計量する基準を使って、双方の実状を探る。
基本事項(五事)は、(一)道、(二)天、(三)地、(四)将、(五)法。
(一)道
民衆の意思を君主に同化させる、内政の正しさ。
ふだんからこれが実行されているからこそ、戦争になっても、民衆に統治者と死生を共にさせることができ、民衆は政府の命令に疑いを持たない。
(二)天
陰陽、気温の寒暖、四季の推移のさだめや、天に対する順逆二通りの方法、および天への順応がもたらす勝利など。
(三)地
地形の高低、国土や戦場の広い狭い、距離の遠近、地形の険しさと平坦さ、軍を敗死させる地勢と生存させる地勢など。
(四)将
物事を明察できる智力、部下の信頼、部下を思いやる仁慈の心、困難にくじけない勇気、軍隊を維持する厳格さなど、将軍が備える能力。
(五)法
軍隊の部署割りを定めた軍法、軍を監督する官吏の職権を定めた軍法、君主が将軍とかわした軍の指揮権についての軍法など。
およそこれら五つの事項は、いやしくも将軍である以上、だれでも聞き知ってはいるが、その重要性を思い知っている者は勝ち、単にうわべの知識として知っているだけの者は勝てない。
そこで、彼我の死生の地や存亡の道をはっきりさせるため、優劣を具体的に比較・計量する基準(七計)を用いて、実際に両者の実状を探究してみるのである。
その内訳は、
1:君主はどちらが民心を掌握できる賢明さを備えているか
2:将軍の能力はどちらが優れているか
3:天地がもたらす利点はどちらにあるか
4:軍法や命令はどちらが徹底しているか
5:兵力数はどちらが強大か
6:兵士はどちらが軍事訓練に習熟しているか
7:賞罰はどちらが明確に実行されているか
といったことである。わたしはこうした比較・計量によって、開戦前からすでに勝敗の行方を察知する。
将軍がわたしのはかりごとに従う場合には、彼を用いたならきっと勝つであろうから留任させる。将軍がわたしのはかりごとに従わない場合には、彼を用いたならきっと負けるであろうからやめさせる。
はかりごとの有利なことがわかって従われたならば、そこで勢ということを助けとして出陣後の外謀とする。勢とは、有利な状況を見れば、それにもとづいてその場に適した臨機応変の処置を取ることである。
およそ軍隊を運用するときの一般原則としては、軽戦車千台、皮革で装甲した重戦車千台、歩兵十万人の編成規模で、四百キロの外地に兵糧を輸送する形態の場合には、民衆と政府の出費、外国使節の接待費、皮革を接着したり塗り固めたりする膠や漆などの工作材料の購入費、戦車や甲冑の供給などの諸経費に、日ごとに千金もの莫大な金額を投じ続け、そうした念入りな準備の後に、ようやく十万の軍が出動できるようになる。
こうした外征軍が戦闘するとき、対陣中の敵に勝つまで長期持久戦をすることになれば、自軍を疲労させて鋭気を挫く結果になり、また敵の城を攻囲すれば、戦力を消耗し尽くしてしまい、また野戦も攻城もせずにいたずらに行軍や露営を繰り返して、長期に渡り軍を国外に張り付けておけば、国家経済は窮乏する。
もし、このような戦い方をして、軍が疲労して鋭気が挫かれたり、あるいは戦力が消耗しきったり、財貨を使い果たしたりする状態に陥れば、それまで中立だった諸侯も、その疲弊につけ込もうとして兵をあげる始末となる。いったんこうした窮地に立ってしまえば、いかに知謀の人でも、善後策を立てることはできない。
だから戦争には、少々まずくとも素早く切り上げるということはあっても、うまくて長引くということはない。そもそも戦争が長期化して国家の利益になったためしはない。だから、用兵につきまとう損害を徹底的に知り尽くしていない者には、用兵がもたらす利益を完全に知り尽くすこともできないのである。
謀攻篇(用兵とはスピードである)
およそ軍事力を用いる原則としては、敵国を保全したまま勝つのが最上の策で、敵国を撃破して勝つのは次善の策である。
敵の軍団(一万二千五百人)を保全したまま勝つのが最上の策で、敵の軍団を撃破して勝つのは次善の策である。
敵の旅団(五百人)を保全したまま勝つのが最上の策で、敵の旅団を撃破して勝つのは次善の策である。
敵の大隊(百人)を保全したまま勝つのが最上の策で、敵の大隊を撃破して勝つのは次善の策である。
敵の小隊(五人)を保全したまま勝つのが最上の策で、敵の小隊を撃破して勝つのは次善の策である。
したがって、百度戦闘して百度勝利を収めるのは、最善の方策ではない。戦わずに敵の軍事力を屈服させることこそ、最善の方策なのである。
<参考>
中東情勢悪化により、原油価格が高騰すれば、水素エネルギーへの移行に拍車がかかるだろう。我々は、この機会に、官民あげて、水素化を考えなければならない。
下記は牛糞から得られたメタンガス(バイオガス)から直接水素を取り出して燃料電池に送る方法。この施設の水素生成装置は「メタン直接改質法」を利用している燃料電池プラント(北海道別海町)。
http://www.iesu.co.jp/shinbun/2003/15-8-25.htm
この方法は北海道大学触媒化学研究センター(当時、現在芝浦工業大学)の市川勝教授の発明になるものである。
実験棟はバイオガスプラントの中心施設である「受入・エネルギー利用施設」のすぐ北側に隣接している。
別海の水素プラントの特徴は2つある。 第一は、バイオガス中のメタンガスから二酸化炭素を全く発生しないで水素とベンゼンを生成する直接改質法の採用である。ベンゼンは「芳香族化合物」に分類される炭化水素で、6個の炭素の骨格に水素がついた6角形の形をしている。 メタン直接改質法では多孔質のゼオライトを利用した触媒が使われている。5.4オングストローム(1オングストローム=1億分の1センチ)という細孔 の制御が重要だという。市川教授の研究成果は地中で石油が誕生したメカニズムを示唆する興味深いものであり、このメカニズムの解明から 燃料電池の大幅コストダウンが期待されると評価する。
第二は、発生した水素をベンゼンなどの芳香族化合物と化合させ「有機ハイドライド」として貯蔵する方法である。有機ハイドライドは通常のガソリンと同様の液体で、高圧水素ボンベ無しで水素を高密度で保存できる。運搬と流通もこれまでのタンクローリーやガソリンスタンドの利用が可能なのだ。有機ハイドライドを加熱すればもとの水素と芳香族化合物へと容易に戻る。 【水素】+【芳香族化合物】 ←→ 【有機ハイドライド】 要するに有機ハイドライドは高密度な水素を貯蔵し運搬するメディアなのである。別海ではベンゼンに類似したトルエンという芳香族化合物に水素を添加してメチルシクロヘキサンという有機ハイドライドの形で外部のタンクに貯蔵している。 水素は外部タンクの有機ハイドライドから再生して、荏原バラード製の固体高分子型の燃料電池に供給される。現在、発電容量は最大8.5キロワットである。実証実験は平成16年度から始まった。市川教授は、液体有機ハイドライドを利用して様々な燃料電池を結合する水素供給システム、既存の電力線に対するもうひとつのエネルギーインフラ、「シクロヘキサン・デカリンハイウェー」を提唱している。別海の実験はまさにもうひとつのエネルギーハイウェーの始まりなのだ。
以下は本PJの詳細な説明
http://www.biomass-hq.jp/biomasstown/pdf11/betsukai.pdf
http://www.bunkyo.ac.jp/faculty/lib/slib/kiyo/Int/it1601/it160106.pdf
以下はUAEでの砂漠の緑化PJの説明「GCC諸国における国内農業および工業の発展に向けて(英文)」
バイオ樹脂を用いた灌漑計画は、中東の国内産業を育てるより包括的な計画に組み込まれました。石油精製所から排出される水素を使って、燃料電池で発電し、その電力で国内工業を育てると同時に、そこから産出される水を灌漑に使おうという計画
http://www.iesu.co.jp/shinbun/2003/15-8-25.htm
以上
