世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL123

<中近東諸国調略の鍵>
http://www.teamrenzan.com/archives/company/masdar.html
「アラブ首長国連邦アブダビ首長国のMASDARプロジェクトにおける日本企業参加説明会をご案内申し上げます。」

今回は、北朝鮮の核実験の影響と、今後の展開について検討してみたい。

まず、重要な点として、ランドパワーとシーパワーの接点であり、緩衝地帯でもある北朝鮮が核を保有することで、どのような地政学上のパワーバランスの変化があるかだ。北朝鮮の核は小型であり、ミサイルへの搭載が不可能なようで、現時点での運搬手段は航空機か艦船に限られている。つまり、第二次大戦のアメリカの保有したリトルボーイやファットマンと同じだ。このような状況では、核兵器をもったところで投射能力の関係から、影響がある範囲は限られる。その範囲とは中ロ韓だ。アメリカには到底到達しないし、日本についても、船や航空機に搭載し、落下させるとなると、移動距離の観点から途中で衛星による補足、航空機による撃墜がかなりの確立で予想される。つまり、現時点では、北の核とは国境を接する中ロ韓の脅威ではあっても、日米については直接的な脅威とはいえない。このことを反映し、東京株式市場では日経平均株価(225種)が一時、100円を超す下げ幅を記録したが、最終的には前週末比プラスで取引を終えた。市場は「北朝鮮ショック」をとりあえず冷静に受け止めたようだ。

地政学では、重要なのは「意図ではなく能力」であるという格言がある。これは、兵器や軍隊について、その「意図」は無視し、「能力」で評価すべきというのが冷徹なリアリズムの立場だ。こう考えると、なぜ、日本が日米安保を結んでいるか分かる。端的にいえば、日本の三自衛隊や中ロの海軍が束になっても第七艦隊に勝てないからだ。つまり、日米安保は、「アメリカと戦争をしない」ための保障として締結され、みかじめ料を払っているのだ。そして、日本が核保有をしないということを表明しても、世界は日本を事実上の核保有国と看做しているのは、その能力が日本にはあるからだ。

同様に、中ロ韓が北の核実験に敏感に反応したのは、国境を越えて核を投射されれば、事実上防ぐ手段がないからだ。その事を反映し、韓国で株価の暴落、ウォンの為替レートの急落を引き起こした。今や現実の脅威となった北朝鮮の核兵器に対する恐怖が、金融市場を襲ったのだ。 9日、証券市場は韓国総合株価指数(KOSPI指数)が一時50ポイント近く下落し、終値は32.60ポイント下落した1319.40となった。
北の核実験は、直接的には、対米直接交渉により、金融制裁を解除させることを狙ったものだが、隠れた目的として、中国の東北工程(下記参照)に対する恫喝もある。胡錦濤国家主席は、北朝鮮が人民元偽札や麻薬に手を染めていることもあり、明確に反金正日であり、東北地方の開発に、北朝鮮の国家体制が邪魔という立場だ。現在、中国は事実上の対北植民地政策を推進している。その中国に対して、核による恫喝でもって「アメリカを交渉の場に呼べ」といってる訳だ。
胡錦濤にとって、到底飲める話ではなく、北の体制変更を本気で考えているであろう。中国の関心事は、北の体制変更時における、大規模の難民の流入だ。東北地方には200万人といわれる朝鮮族が居住しており、難民の流入は東北地方における民族問題に直結するし、それを避けるために、国家崩壊はさせず、体制だけを変更する手段を追及するだろう。つまり、クーデター方式による親中政権の樹立だ。

では、アメリカが、今回の核実験に反応しているのは何故だろうか。それは、北の核が反米諸国に渡ることを懸念しているからだ。米国は、北朝鮮が核兵器の技術を海外に輸出するケースを懸念している。米国のニューヨークタイムズは10日、「北朝鮮が開発した兵器の中で、輸出しなかったものはない」とし、北朝鮮の核兵器輸出を懸念した。続けて同紙は「軍指揮官や民間の政策担当者らは、北朝鮮による核兵器や核部品の販売を阻む目的でブッシュ大統領が北朝鮮封鎖を命令した場合に備え、関連計画を準備している」と報じた。
日本については、現時点では直接の脅威とはいえなくても、北の次のカードである「核をミサイルに搭載」されたら、事実上、それを防ぐことが不可能だから制裁に積極的だ。対北経済制裁のレベルを徹底的に上げていくことで、国内にはびこる親朝鮮勢力をあぶり出し、兵糧攻めにできる。実は、これこそが、日本の宿願であり、体内の癌細胞を除去する荒療治だ。核実験で、北朝鮮問題は拉致事件とは全く別の安全保障上の問題になったといえる。平壌宣言は間違いなく破棄だ。何よりも、発足間もない安倍政権には、とてつもない追い風になる。有事というのは、必ず現政権に有利に働き、野党も政府批判しにくくなるからだ。さらに、核実験以降中韓の陸軍は北との国境に貼り付けられ、軍事緊張は非常に高まっている。そのため、日中、日韓会談を通じ、中韓ともに、東北工程や太陽政策を一時中断し、日本との関係を改善させるしかなくなったということだ。これが、パワーバランスの変化だ。

一番重要な問題は、北の核実験が、事実上のNPT体制の崩壊から、核拡散に対して、歯止めがない状況、すなわち、「核の無限拡散」を生むという、重要な契機になるということだ。この状況を放置すると日本や韓国、台湾といった諸国さらには、反米諸国の核武装論が台頭することは間違いないだろう。

このように考えると、北の核は、極東のみならず、世界のパワーバランスに重要な変化をもたらすということが分かる。「歴史を動かすのは、百の議論より、一発の銃弾。」私は、歴史を学んだ立場から、歴史が動く時は、かならず、戦争が起きているということを確信している。言い方を変えると、流血なくして、平和裏に歴史が動くということはありえない。例えば、明治維新に際しては、桜田門外の変により井伊大老が水戸浪士の白刃に倒れ、戊辰戦争に繋がったし、日本が太平洋戦争に突っ込んでいくには、2.26事件の流血が引き金になっていた。ナポレオンやヒトラーの誕生には、言うまでもなく、フランス革命や第一次大戦後の疲弊した社会での、大量の流血が必要だったのだ。このように、パワーバランスの変化、地政学的立ち場の変化というものは、流血なくしては起き得ないということが、人類史を貫く真理なのだろう。

私がかねてより提言している、「環太平洋連合」は日本を閉鎖的ランドパワーからシーパワーの盟主へと転換させることを眼目とするが、それは、国会での平和裏の議論の積み重ねによって達成されるものではなく、既成事実としての「日米英豪海洋国家連合による、対ランドパワー海戦の勝利」によってもたらされる。北の核実験は、その「きっかけ」を生んだのだ。明治維新における、ペリー来航に匹敵する出来事だ。海洋国家連合は、このきっかけを十分活用しなければならない。

国連安全保障理事会は、北朝鮮の地下核実験実施発表を受けて協議に入り、この中で米国は核など大量破壊兵器の拡散を阻止するため、北朝鮮を出入りする船舶の臨検など、制裁の法的根拠となる国連憲章7章に基づく対北朝鮮制裁決議原案を各国に提示した。
 米国の決議原案は、北朝鮮の核実験を非難したうえで、「大量破壊兵器開発につながる軍事用品やぜいたく品などの北朝鮮への輸出禁止」「大量破壊兵器やミサイル計画に関連する資産、取引の凍結」などであり、日本政府は、北朝鮮の核実験発表を受けた国連での制裁決議に、強制力を伴う船舶への臨検が盛り込まれた場合に備え、日本の平和と安全に重要な影響を与える「周辺事態」と認定できるかについて検討に入った。

これは、実現すれば、戦後初の「日本の海上戦闘部隊による実戦」に繋がる可能性が高い。海上で北朝鮮が日米海軍に勝てる可能性は皆無なので、これは海自のデビュー戦ということになるだろう。

ここで、思い出していただきたい。英米の関心はあくまで、中近東の制覇であり、北朝鮮ではない。ではなぜ、北朝鮮を対象にして、経済制裁や臨検を行うのか。実は、これこそが、第二十六計 指桑罵槐「桑を指して槐を罵る(くわをゆびさして、えんじゅをののしる)」戦略だ。
 斉に司馬という将軍がいた。斉が燕に攻撃を受けた時、この将軍が陣頭に立ち、軍を召集した。しかし軍目付である、寵臣の荘賈が約束の期限を大幅に遅れてやってきた。
言い訳をし、王に助けを求めようとした荘賈を、司馬は軍法に照らし合わせて素早く処刑してしまった。これを見た兵士は震え上がり、軍の統制は引き締まったという。
つまり、金正日を生贄にすることで、ランドパワーや中近東の指導者に「警告」を与えているのだ。シーパワー連合による臨検は、言い方を変えると、まさに「環太平洋連合のデビュー戦」ともいえる。
現在の状況としては、関が原合戦前夜の杭瀬川の戦いが両陣営の先鋒である北朝鮮と日本の間で始まったようなものだ。
三成家臣・島左近、兵500で杭瀬川を渡り東軍陣所近くを放火し、東軍を挑発し、挑発に乗った東軍側の中村一栄、有馬豊氏を宇喜多秀家家臣・明石全登隊が攻撃しかける(杭瀬川の戦い)
注意していただきたい。杭瀬川では、島左近率いる西軍は東軍を打ち破り、大いに士気を高めたが、半日後の関が原の本戦では、西軍は惨敗したのだということを。当時、日本全国の大名は、ほぼ全て東西に分かれ、局地戦を戦っていた。しかし、日本の命運を決めたのは、たった半日の「関が原」における東西両軍の激突だった。
関が原が、以前説明した、ピボッタルポイントであることを知っていた徳川家康は、もてる全軍を二分し、東海道、中仙道を西上させ、全軍の集結を関が原でさせようとしていた。つまり、江戸はがら空きだったのだ。東北戦線では上杉と最上が衝突し、伊達が上杉の背後を狙うという状況だったが、場合によっては、関東管領の上杉と奥州探題の伊達が裏で手を組み、江戸を攻め落とすことも可能だったし、家康はそのことを百も承知で、もてるカードを全て西に向けるという決断をして、勝利した。ここには「江戸は落ちてもかまわない」という意思があったのだ。実は、この家康の決断こそが、戦略の根幹だ。戦略上の優先順位を決め、最優先事項にもてる全てのカードを切る。まさに、経営学における「選択と集中」だ。
反対に、東西の二正面作戦において、西部への選択と集中に失敗した例はシェリーフェンプランが挙げられる。
ドイツ参謀総長シェリーフェンは、ビスマクル亡き後の政治家を信ぜず、将来、必ず東西2正面作戦を強いられると考え、敵を1つ1つ各個撃破により殲滅しようと戦略を練る。
 ハンニバルのカンネーの殲滅戦を参考にフランス軍の包囲殲滅プランを練る。(北からベルギー領を通りアミアンからパリの背後を抜けスイス国境へ達する壮大な計画)これは、6週間でフランス軍を完全に殲滅する作戦だった。
 ドイツ軍はこの作戦を実行するために、優勢な敵に対する各個撃破と、殲滅戦の訓練を徹底して行った。
 しかし、シェリーフェンの名は有名になりすぎ、シェリーフェンプラの内容が漏れたため、各国は要塞の建設に走った
彼は、第一次世界大戦が始まる1年前に他界した。
遺言は、「ドイツ全軍を右翼(ベルギー突入予定軍)に向けよ。」であった。
第一次世界大戦では、後任のドイツの参謀総長小モルトケが、彼のプランを信ぜず、ロシア戦線に部隊を引き抜いて右翼を骨抜きにしてしまいシェリーフェンは不発に終わった
(しかし、骨抜きにされた右翼でも連合軍の左翼は敗れパリから50kmまでドイツ軍は到達している)
ドイツ軍がシェリーフェンの遺言に従い、全軍を西部戦線に投入し、仏軍を撃破した後、東部でロシア軍を撃破していれば、あるいは、歴史は変わったかもしれない。事実、東部では、タンネンベルク会戦により、パウル・フォン=ヒンデンブルク大将とエーリッヒ・ルーデンドルフ少将指揮下のドイツ軍がサムソノフ大将指揮のロシア軍を包囲・全滅させ、フォン・レネンカンプ大将麾下の軍団も撃破している。ロシア軍の戦死・行方不明3万、捕虜9万2000。プロイセンは東プロイセンを奪回。

このように、戦略上の勝利とは、目標の優先順位付けと選択と集中によってもたらされる。言い方を変えると、日本は東部戦線で北朝鮮を打倒することを最終目標にするのではなく、決戦正面はインド洋の制海権確保と中近東調略であることを決して忘れてはならず、対北臨検はあくまで、海洋国家連合にとっての「デビュー戦」であり「前哨戦」であり「エキジビジョンマッチ」にすぎない事を十分自覚の上、粛々と対応することが重要だ。

つまり、今回の海洋国家連合による臨検は、今後予想されるマラッカやホルムズを初めとするチョークポイントにおける臨検の予行演習だ。そのためには、冒頭で紹介した、

http://www.teamrenzan.com/archives/company/masdar.html
アラブ首長国連邦アブダビ首長国のMASDARプロジェクトは関が原である、中近東諸国調略の上で、重要な意味を持っている事を理解する必要がある。
関が原において、家康は、三成挙兵の情報をつかんだ後、上杉征伐時、上州小山の軍議で大坂の状況を説明した上で、諸将に去就を問うた。その問いかけに、豊臣家譜代筆頭の福島正則が、大坂に残してきた妻子を犠牲にしても、家康に従い三成を討つことを誓うと、豊臣恩顧の諸大名は、全て、家康について三成を討つことを誓った。
この、最初に口火を切った福島正則には、家康の意を受けた黒田長政が、早い時期から調略を続けており、当然の結果ともいえる。裏を返せば、福島の調略が家康の戦略の根幹だった。結果として、山内一豊をはじめとして、秀吉が家康の西上を防ぐ目的で東海道に配置した大名は、悉く家康に寝返り、家康は遮るものなく、東海道を通過できた。福島がもしあの時西軍側につき、あるいは中立を守って居城の清洲に篭城でもすれば 地政学的に家康は東海道を西に進軍できなくなっていて、裏切った豊臣恩恵達も福島が篭城するものだから家康と合流できず 西軍につかざるをえなくなっただろう。清洲は東海道のチョークポイントだからだ。このような事前の調略を徹底的に行い、豊臣恩顧の諸大名を先に西上させ、岐阜城攻めで、その真意を行動で確認した上で、はじめて徳川譜代の本隊を全軍、西に向けたのだ。このように、事前調略の重要性は計り知れない。
ここで忘れてはいけない黄金則をひとつだけ指摘しておく。私が数年前より繰り返し主張してきたように、世界は戦国時代に突入した。戦国時代を生き抜くには十八史略や孫子に書かれた権謀術数や戦略が必要なのだが、それらの裏づけになるのは、マキャベリが言った「人間はフォルトゥナ―運命の輪―の中にいる。そして人の上に立つ君主はヴィルトゥ―勇気、力量―によってその運命の輪から脱却し、自らで運命を切り開かなければならない」という言葉だ。

  意味するところは、「世界は運命の輪に支配されている。この世界は必然の世界だ。心臓を動かすだけなら誰にでも出来るが、本当に自分自身を持って生きている人間は僅かだ。本当に生きるためには、ヴィルトゥを身に付けなければならない。しかし、運命に立ち向かえるだけのヴィルトゥを持ったものだけについて、幸運の女神であるフォルトゥナが微笑む」ということだ。古代ローマは市民権をもったローマ軍がヴィルトゥを発揮していた間は、帝国を維持できていたが、次第に傭兵に頼りだし、享楽にふけり、ヴィルトゥを失った時点で衰退し、崩壊した。日本人は、これから起こりうるあらゆる問題は、避けては通れず、ヴィルトゥをもってあたらなけらばならず、さもなくば、フォルトゥナが微笑むことは決してないということを肝に銘ずべきだ。策はいくらでも献策できるが、ヴィルトゥだけは、そうはいかない。そうして、いつの時代でも、ヴィルトゥを発揮するのは、国家の上層部ではなく、下級武士であったということも又、真理であろう。今後、幾多の草莽の志士が立つことになるだろう。私は日本の若者に強く期待している。

<参考>
(↓出所) http://npslq9-web.hp.infoseek.co.jp/sls111.html
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 SAPIO記事青木直人『「中朝友好」の名のもとに北朝鮮の経済植民地化「第二のチベット化」が進む』より、北朝鮮の「虎の子」の資源が次々と中国企業の手に落ちている。
 まず、今年7月、北朝鮮 最大の鉄鉱石が眠る咸鏡道の茂山鉄鉱の開発権を中国の三社が獲得した。同鉱山は鉄鉱石 の埋蔵量が三十億トン、可採埋蔵量十三億トンを誇る、北朝鮮屈指の優良鉱山だ。 投資予定金額は最低でも七十億元と想定されていて、内訳は50億元が鉱山の開発費で、 残りの20億元は茂山から吉林省の通化までの鉄道と道路の建設費用に充てられるという。
 年間の採掘量は1000万トンで、中国の資源開発関係者は「50年間で、骨までしゃぶり尽くされるだろう」と予想する。
 鉄鉱石に次いで、今夏、無煙炭の埋蔵量で最大規模の龍登炭鉱も中国との合弁開発に踏み切った。中国側のパートナーは政府系企業である五鉱集団で、同グループは国内最大の非鉄金属企業の傘下に属している。計画では一カ月に百万トンの無煙炭を採掘して、中国に送るという。

 中国が北朝鮮の支配に魅力を感じるのは、二つの点による。一つは北朝鮮がレアメタルの宝庫だということ。タングステン、モリブデン、タリウムの 鉱山が開発されていて、すべて中国企業のものになっている。しかも、中朝国境の街新義州は実質中国領であり。 朝鮮族は入れないらしい。

 そして、二つ目は、北京政府が命運をかけている、東北開発にとって、北朝鮮が障害であることだ。
 例えば、東北地方の中核都市瀋陽は工業が盛んであり、市の郊外には多くの重化学工場が立ち並んでいる。瀋陽市内のみならずその近隣都市圏は撫順の石炭・鞍山の鉄鉱石、やや遠いながら黒龍江省大慶の油田などの豊富な資源を生かした一大コンビナートであり、20世紀後半の中国を工業面で支えた。
 しかし近年外資を導入した長江デルタや珠江デルタ地域の経済発展に比べ、瀋陽を始めとする東北地方は取り残された感が否めない。
 このため中国政府は東北振興を旗印に東北開発を重点的に支援しており、瀋陽も近代都市に変貌しつつある。2003年の全市生産総額(GDP)は1,602億人民元で、全省の4分の1を占める。この東北地域への外資勧誘に対し北朝鮮が障害となっており、かつ、北朝鮮を支配できると、その日本海に面した港を使って、東北地方の発展ができるという点もある。そして、貴州とチベットという辺境地帯の開発を成功させた胡主席は東北3省の開発に政治生命を賭けているが、金正日体制の北朝鮮がその障害になっているのも、真実だ。

 次に、安全保障の観点から考えれば、北朝鮮は日米との緩衝地帯であり、このまま残しておきたいし、下手に吸収してしまうと、国内に少数民族を抱え、不安定要因を増し、旧ソ連のようになることになる。あるいは、隋の文帝や煬帝が高句麗遠征を三度にわたって行ったが、三度とも失敗に終わり、結果として、隋の滅亡に繋がったようになるかもしれない。つまり、北朝鮮併合は、リスクが高い選択なのだ。

 このような、経済的観点と軍事的観点の双方から検討すると、中国による北朝鮮支配は、「間接支配」の形態をとる可能性が高いことがわかる。つまり、中国は北朝鮮を軍事占領したら、金正日一派を粛清した後、朝鮮族を使って間接統治する。中国人-朝鮮族-北朝鮮人 というヒエラルキーを作り、朝鮮人の間に対立を作りだすわけだ。これが帝国主義的支配の基本だ。

 このように考えると、北朝鮮の運命は決まったも同然だ。チベット方式で漢民族への同化政策をとられるかもしない。
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(↓出所) http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/06/13/20060613000040.html
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「米国の北朝鮮に対する金融制裁強化によって、北朝鮮で製造されたドル、人民元、円の偽造紙幣の海外への流通が困難になっている一方で、北朝鮮内部や中朝国境地帯では偽造紙幣が溢れていると産経新聞が12日、非政府組織(NGO)の調査結果を引用して報じた。
 日本のNGO、「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は、今年4月に会員を派遣し、平安南道、咸鏡北道、咸鏡南道、黄海南道に住む30~60代の5人を対象に偽造紙幣に関する聞き取り調査を実施した。
 この」調査を担当したRENKの会員は中国を出国した後、調査結果をまとめ発表した。
 この調査によると、中朝国境地帯で麻薬取引を行っていた30代の密輸業者の男性は、日本円にして61万円を受け取ったが、後にすべて偽造紙幣であることが分かった。麻薬取引は現金と現物がその場で交換されるため、現場で偽造紙幣を判別することは極めて難しい。また、韓国に定住したある脱北者は昨年12月、北朝鮮に残っている親戚に中朝国境地帯から2万ドルを「秘密ルート」で送金したが、そのうちの数十枚は北朝鮮の国境警備隊によって偽100ドル札にすり替えられたという。
 またある40代の貿易商の男性は、中国にいる親戚に会うため国境を越えたが、中国公安に拘束された。身柄は北朝鮮人民保安部(警察)関係機関に引き渡され、所持していた中国人民元5000元を押収された。取り調べの後に返還された5000元のうち、3000元が偽造紙幣だったという。」
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(↓出所) http://www.panda-mag.net/keyword/ta/touhokukoutei.htm
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古代国家の高句麗や渤海を「中国辺境の古代政権」「中国の地方政権」と位置づける中国社会科学院の研究プロジェクト。現在、中国と韓国・北朝鮮の歴史認識の摩擦となっている。
 高句麗は紀元前1世紀に勃興し、現在の中国東北部から朝鮮半島北部で栄えた。668年に唐・新羅連合軍の攻撃で滅亡。
 王都は5世紀前半までは現在の中国東北部(吉林省集安市一帯)に、以後は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首都である平壌に置かれていた。
 1996年に中国社会科学院が重点研究課題に決定。2002年からプロジェクトが本格的に始まり、2007年2月に終了する予定。中国には高句麗に関する史料が多く存在しているとされる。
 2004年4月、中国外交部はホームページから「朝鮮半島には高句麗、新羅、百済の3国が存在した」という記述から高句麗の部分を削除。
 また、国内にある高句麗遺跡を整備。2004年7月1日、蘇州で開かれた第28回世界遺産委員会で、「高句麗の首都と古墳群」が世界遺産に登録された。翌日、新華社は「高句麗は歴代中国王朝と隷属の関係にあり、中原王朝の管轄にあった地方政権」と報道。
 東北工程の契機となったのは、現在と将来における東北地方の朝鮮族、および韓国・北朝鮮における民族主義への対処とされている。また、吉林省にとっては観光振興の目的もある。
 中国東北地方には吉林省の延辺朝鮮族自治州を中心に約200万人の朝鮮族が居住しているが、北朝鮮の政治危機や将来の南北統一によって、この地域の帰属問題などに発展することを中国政府は警戒しているとされる。
 延辺朝鮮族自治州一帯は、北朝鮮・韓国では「間島」(カンド)と呼んでおり、間島を中国領とした間島協約は、日韓併合前年の保護国時代の1909年に日本が中国と勝手に締結したもので認められないとの考えが強い。
 このため、韓国・北朝鮮との領土問題の再燃を警戒する中国は、現在、延辺朝鮮族自治州の朝鮮族に対して、「祖国は中国」とする教育を強化している。
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以上

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