世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL127

今回は、米国中間選挙の結果を受けて、今後のアメリカと日米関係について、考えてみたい。結果として、上下両院で民主党が多数を占めた。上院は、日本では接戦などと報道されているが、 改選分は全体の3分の1の33議席。非改選とあわせて民主51vs共和50で、多数派を民主に取られてしまった。

そのうち24が民主で共和はわずか9の惨敗だ。つまり、「共和党惨敗」が正しい結果なのだ。2年後は民主党政権だろう。

まず、今回の選挙の最大の争点は、いうまでもなく、イラク戦争の是非であった。イラク戦争については、ネオコンと呼ばれるイスラエルの代理人によって主導され、嘘で練り固められた理由で始められた、開戦前から必敗の戦争であったことを、ようやく、アメリカ人も理解しだしたようだ。私は、この点をイラク戦争開戦の前から一貫して主張しているほとんど唯一の論者だろうと考えている。

参考までに、私が二年前に書いたコラムの抜粋を文末に添付するので、参照され、読者の皆様において、答え合わせをされれば、幸甚だ。

このような正確な予測がなぜ可能なのかは、前号で述べた様に、私が国際情勢の分析において、「歴史法則アプローチ」を何よりも重視しているからだ。全ての解は、歴史の流れを読み解き、人間の因果応報、業といったものを理解することではじめて導かれる。

 今回の選挙の意味として、最も大きい点は、上下両院を民主党が占めたということよりも、「保守主義者の共和党離れ」
が顕著のなったことだ。つまり、従来の伝統的共和党支持者が大量に民主党に投票したということだ。これは、ネオコンつまり、新保守主義者と呼ばれる、民主党から共和党に潜り込んだイスラエルの代理人に、事実上共和党が支配され、イラク戦争に突っ込んでいったという事実に伝統的保守主義者は愛想をつかしたということだろう。これは、移民の増大ともあいまって、保守の分裂、弱体化につながり、無党派の増大を生むだろう。彼らが、今回は民主党に投票したのだ。これは、避けようの無いアメリカのモンロー化、衰退に拍車をかける結果といえる。

ネオコンは、在米ユダヤ人の現状について非常に不安を覚えている。在米ユダヤ人は、世俗主義(secular)の人が大部分であり、他宗派との婚姻がどんどん進んでいる。ユダヤ教というのは基本的に母系で、一般にユダヤ教徒の母親から生まれた人がユダヤ人だ。他宗派との婚姻が進み、将来的にアメリカ国内のユダヤ人コミュニティが弱体化した場合、今みたいに活発なロビー活動が不可能となる。そうするとイスラエルに対する保障ができなくなりかねない。その反面、米国におけるヒスパニックやイスラム教徒の人口は増加している。現在でも総人口の2%しかいない在米ユダヤ人は、徹底的な民主党に対するロビーとマスコミ操作によりイスラエルへの支持政策を取らせているが、今後50年から100年のスパンで考えると、対ヒスパニック、イスラム人口比から影響力を行使できなくなる可能性を考えたとしても不思議はない。ちなみにフランスでは1割近くをイスラム系住民が占めている。
 アメリカでこうなった場合、親イスラエル政策は不可能になるだろう。イスラエルにおいても、ユダヤ人とパレスチナ人の出生率の差から、戦争がなくても、将来はユダヤ人単独の国家での維持は不可能であり、ユダヤ人は早晩「南アの白人」状態になるとの試算もある。
 さらに、燃料電池の開発や、中東以外の油田への依存率を上げることにより、長期的に考えると、アメリカがイスラエル、中東をともに見捨てる可能性が非常に高いのだ。すなわち、今後どう展開しようと、イスラエルに未来は無いことになる。

そこで危機感をもった彼らは、ユダヤ人コミュニティの代替物としてキリスト教右派に眼をつけ、新たな「宿主」とした。なぜ、イスラエルは、代理人を共和党に送り込むことができたのだろうか。真のアメリカの保守主義者はWASPで共和党支持であり、田舎に住み、家族や地域を愛し、親日的(彼らは民主党のアメリカと戦争した日本に、内心では敬意を払っている。)であり、反イスラエルであり、かつ金銭を卑しむキリスト教の価値観を持っている。そして、このような人たちの典型であるアメリカのキリスト教右派の人たちの理想郷は、「大草原の小さな家」だ。

そして、ネオコンがこのキリスト教右派に取り入ることができたのは、イスラムの脅威があったからだ。イスラムの世界的な復興運動の流れはずっとあるわけだが、79年のイラン革命を一つの転換点に80年代、90年代と急速に拡大してきた。そうしたイスラム復興の流れに対して、キリスト教右派は宗教的な意味で危機感を持ち、ネオコンはイスラエルの防衛という立場から危機感を持った。イスラム復興、拡大の脅威、それがネオコンとキリスト教右派を結びつけたのだ。

イスラエルの立場で考えると、共和党を操りイラク戦争に突入させ、結果が思わしくないと、容易に本来の彼らの支持基盤であり、宿主である民主党にチェンジするという、彼らの常套手段である、「パートナーチェンジ」を行ったとも言える。平たく言えば、ブッシュはお役ごめんで解任決議を突きつけられたということだ。これは、米国企業の株主とCEOの関係を考えれば、よく分かるだろう。

イスラエルにしてみれば、従来、反イスラエルであった共和党を乗っ取り、使い捨てにするという高等戦術だ。例えば、共和党政権においては、アイゼンハワーはスエズ動乱の時、英仏イスラエルに圧力をかけ撤兵させた。ニクソンは73年の第四次中東戦争において、敗北寸前のイスラエルの核恫喝を受けるまで軍事物資の支援(実質的にはキッシンジャー主導)に応じなかった(見殺し)。
 レーガンは、83年にレバノンの米仏軍のキャンプが自爆テロを受け、死傷者を出した際に、モサドがその情報を掴んでいながら、アメリカをレバノンに引きずり込むために教えなかったことを知り、レバノンから海兵隊を撤退させ、サウジアラビアに最新鋭兵器を供与し、任期の末期において、ドイツ訪問の際、SS将校が埋葬されたビットブルグ軍人墓地に献花した。父ブッシュは、イスラエルへの100億ドルの信用供与を拒否し落選した。
 このように、共和党政権は、伝統的にイスラエルに冷たい態度をとってきた事がわかる。

では、今後の中東情勢は、どのような展開を見せるだろうか。まず、上下両院が民主党になったからといって、急な全面撤退は不可能だ。それをやれば、中東は大混乱に陥り、イランの勢力が伸張し、イラクを併呑し、イスラエルの安全保障が危うくなるだろう。ここで、忘れてはいけないのは、1979年のイラン革命以来のアメリカの中東政策の根幹は、イラクを防波堤として、シーア派イランの勢力伸張を抑え、サウジのような親米穏健派産油国や、イスラエルの安全保障を図ることだった。そのため、アメリカはサダム・フセインを育てたのだ。

しかし、この構造は、イラク戦争で根本から変化した。シーア派に対する防波堤の役割をアメリカ自身が果たさなければならなくなったのだ。そして、この点が既に破綻しつつある。これは、例えば、英国がアジアの代理店、対ランドパワー防波堤として育成してきた日本を、太平洋戦争でアメリカが崩壊させてしまったため、アジアのパワーバランスが崩れ、朝鮮戦争やベトナム戦争をアメリカが直接、戦うことになったのと同じだ。

最も重要な点として、イラクの占領からアメリカが撤退し、イランの勢力がイラク国内のシーア派にいたるまで伸張してしまった場合、OPEC諸国全体のアメリカ離れ、ドル離れに歯止めがかからなくなり、アメリカの没落、衰退が決定的になることだ。原油に代表される国際商品の取引の大半はドル建てで、輸入国はつねにドルを調達しなければならない。そのため各国の中央銀行は外貨準備をするためにドルを買う。世界の資金がアメリカに還流することでアメリカの借金経済が成立している。これは、アメリカが構築した、石油を媒介としたドル機軸体制、つまり、石油本位制といえる。

このシステムは、石油とドルの交換が保障されていることが大前提だ。アメリカ帝国の維持には、この体制が必要不可欠だ。江戸時代の幕藩体制の維持に米穀収入が、大英帝国にとってスエズ運河の支配が死活問題であったように。
 
アメリカに対抗していたフセイン政権は、初めてこの「世界秩序」に反乱した。その後OPEC諸国もこの動きに追随しようとし、OPEC総会では複数通貨加重平均によるバスケット方式建てが議論される。このままではドル暴落が起こりかねず、産油国のドル離れを黙認できないアメリカは、イラク戦争を強行したというのが真相だ。

イラクは2000年11月6日から、原油取引の決算通貨をドル建てからユーロ建てに転換した。イラクを敵対視するアメリカの通貨であるドルを嫌ったためである。このことが、イラク戦争の直接的な動機なのだ。アメリカから「悪の枢軸」の一員とされている石油埋蔵量5位のイランも、ユーロへの切り換えを検討している。世界最大の石油輸入国であるアメリカが対外収支と財政収支の双子の赤字を抱えながらも、安定的に石油を確保できていたのは、石油取引の通貨がドル建てだからだ。もし、OPEC諸国の多くがユーロへシフトした場合、アメリカ経済の破滅、すなわちアメリカ帝国終焉は決定的だ。OPEC加盟国ではカタールが4月に外貨準備の一部をドルからユーロに切り替えたと発表した。クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行首脳も外貨準備のうちドルの比率下げを検討すると警告している。

ここまで考えると、アメリカは、容易にイラクから撤退することができないことが分かる。これは、かっての日本が、シナ事変以降、泥沼の地上戦に巻き込まれ、遂に破滅を迎えたことと同じだ。アメリカにとっては、流血を継続しつつ、イラク支配を継続するより、手段は無いことになる。つまり、イラク駐留を継続するも、撤退するも、アメリカにとっての破滅は避けられない。私は、かねてより、唯一それを避けるには、インダス川から紅海、地中海で囲まれたエリアを核攻撃により、根絶やしにするしかないことを主張してきた。

何故なら、かって、この地を征服したモンゴル帝国は、『草原の掟』というものを持っていた。『草原の掟』とは、「降伏した者は許すが、抵抗した者は一人残らず殺戮する」という残虐な掟だ。

 モンゴルは、占領した地域にダルカチ(総督、知事)と呼ばれる占領軍司令官と、60人程度の兵隊だけを配置した。この数では武力で統治はできない。その代わり、反乱が起きてダルカチが殺されると、モンゴル高原から10万騎の大軍が押し寄せ、軍人か否かを問わず、生きとし生けるものをことごとく殺した。つまり大量報復である。

 征服戦争においても、即座にモンゴルに降参した国は被害を受けないが、抵抗すれば占領後三日間、略奪を受けた。反乱都市の場合は、そのあとで大殺戮も行なった。全市民を着の身着のままで市街に出して略奪、そのあと民家に火を付け、洪水を起こして街を水没させ、兵士であるか否かを問わず一人残らず殺戮した。その話が伝わると、反乱を起こす者はいなくなり、少数でも統治が可能になった。つまり、この地域の安定支配には、大量報復による、根絶やしが必要ということだ。
よって、現在の状況はむしろ、私の予測通りといえる。歴史的に見ても、異文明間、異宗教間の戦争とは、妥協の余地のない「殲滅戦」なのだ。日本国内での戦争でこの「殲滅戦」が行われたのは、宗教戦争である、一向一揆VS織田信長が有名だ。欧州においても、新教と旧教の間の30年戦争がある。

石山本願寺は信長の天下統一の動きに反抗し、元亀元年(1570 9月から、信長との戦いを始め、全国の一向宗門徒に対し、信長と戦うようにと檄を飛ばした。天正2年7月、信長は長島攻撃を開始し、志摩の九鬼水軍を中心に数百艘の軍船を用いるなど、これまでにない大軍を動員した。この軍船の威力は大きく、長島方の受けた被害は甚大であった。長島方では食糧不足から餓死者が続出、二つの砦は落ち、風雨に紛れて砦から脱出した男女千人余りが信長軍に斬り殺された。三カ月にわたる籠城戦が続き、9月29日、遂に長島方は降伏し、門徒衆は船で逃げ出した。しかし、待ちかまえていた信長軍に鉄砲で打たれ、多くは川の中へ落とされ、川の中は死者の血で赤く染まったという。また、砦に残っていた男女2万人余りは、周囲に柵を設けて閉じ込められ、四方から火を放たれ焼き殺されてしまった。

30年戦争はドイツ全土が戦場となり、町も村も大部分が荒廃し、当時約1600万人だったと推定されているドイツの人口は約600万人に減った。約1000万人という考えられないほど多くの人たちが殺されたり、餓死したり、ペストで倒れたりした。老若男女、住民は暴行略奪にあい、食べるものも、着るものもなく、家は焼かれ住む所もなく、厳しい冬の寒さにばたばたと死んでいった。農業、工業、商工業のすべてが一時完全なマヒ状態になった。この30年戦争の惨禍によって、ドイツの発展は200年後戻りさせられたといわれている。
日米の間で戦われた太平洋戦争も、実は異文明間で行われた殲滅戦であった。硫黄島、沖縄、広島、長崎の状況はそれを表している。終戦と戦後の統治が流血を見ることなく行われたのは、昭和天皇陛下の「耐えがたきを耐え、忍び難きを忍べ」といった、命令を陸軍が忠実に、実行したからだ。逆に言えば、本土決戦が実行に移されていたら、相当の死傷者が出たであろう。この場合、日本本土を占領し、戦争を終結させるまでにアメリカ軍が受ける人的損害について陸軍長官スチムソンは100万人と予想し、統合作戦本部議長であるリーヒ提督はその二倍の200万人と推測している。日本人の犠牲者は、その10倍以上だろう。

このように考えると、アメリカにとってのイラク戦争は、中東全域の平定まで、さらには、ドル基軸通貨体制の維持が可能となるまで、終結しないことになる。もし、イラクから撤退することがあれば、それは、旧ソ連がアフガンから撤退したのと同様に、「帝国の終焉」を意味する。

 ここまで読んでこられた、賢明な読者諸兄はお気づきになられたであろう。それは、「イラク戦争が、ユーロからドル機軸体制防衛のため行われたのであれば、ユーロを崩壊させれば済む話ではないか」ということだ。

 まさしく、その通りだ。そのため、アメリカはルーマニアやブルガリアといった、NATO加盟国のEU加盟を後押し、結果として、EUを崩壊させようとしている。英国は、早速来年
1月から欧州連合(EU)に加わるルーマニアとブルガリアの出稼ぎ労働者に対し、受け入れ制限を設ける動きを鮮明にした。このように、EUの東方拡大は、結果として、EUの分裂、崩壊に拍車をかけるだろう。

アメリカには、まだ、切り札が残されている。それは、「NATO解体」だ。EUが基軸通貨の点で、どうしてもドルと覇権を争う気なら、在欧米軍を全面撤退させ、ロシアやイスラムの蹂躙にまかせるのだ。これをやっただけで、ユーロの価値は暴落するだろう。また、ネオ・コンサーバティヴのグループは、ドルを脅かすユーロの脅威に対抗して欧州からの米軍撤退を強く主張している。

 実際にPNAC創設者のロバート・ケーガンがフーバー研究
所で発表した論文"Power and Weakness"では長文に渡って欧州批判と欧州無用論が繰り返し述べられている。

「アメリカはもはや欧州との同盟に拘束されるべきではないし、欧州の軍事的プレゼンスもまたアメリカにとって無用である」とする恐るべき内容の欧州軽視とアメリカ単独主義が主張されている。

 EUの敵視はまた、アメリカ国内で強い政治的圧力を行使するプロテスタント原理主義者(ファンダメンタリスト)達の教
義とも不気味に符合する。彼らは、ローマ法王庁を黙示録のバビロンの淫婦とよび欧州統合を黙示録における悪魔的な10の国家連合であると主張している。

 EUの敵視とその崩壊は彼らプロテスタント原理主義者にとって望むところなのだ。エネルギー面でもロシア依存という問題を抱えているEUは、今後、東欧を抱えることで、脆弱さを増すだろう。戦後の欧州においてパワーバランスを確保していた在欧米軍撤退すなわち、NATO解体は独仏の対立から欧州崩壊の序曲だ。新たな30年戦争や世界大戦の引き金になるだろう。まさに、欧州は、ユーラシアから突き出た半島として、パワーバランスの変化が容易に内乱や戦争に結びつくという、朝鮮半島と同様の歴史的宿命を負っている。

 地政学の用語に「軍事と経済はバランスする」というのがある。意味するところは、軍事と経済のBS(貸借対照表)の残高は常に一致しているということであり、軍事力と経済力は双方関連して、お互い、補いあい、軍事力の整備には経済力が必要であり、経済活動を適切に行うには、軍事力が必要という意味だ。例えば、中東から日本へと至る原油シーレーンの防衛には、米海軍機動部隊による制海権確保が必要であり、機動部隊の維持には日本が米国債を買う必要があるということだ。

つまり、軍事と経済はコインの両面だ。アメリカはドル価値の担保を世界最強の軍事力で行い、経済面は日本が支え、両者はバランスしている。しかし、EU、中でも東欧には、軍事力も経済力も無い。いわば、不良債権を大量に抱えこませる手口だ。

 ドル一極体制にも確かに、問題があるので、今後は、円ドルポンドといった、シーパワー通貨のバスケットが機軸になっていくと考える。金やプラチナといった貴金属も値上がりを続けているので、部分的にせよ、金本位制復活といえるかもしれない。しかし、長期的には、石油本位制からの脱却、つまり、アクエリアス化が必要な点は、言うまでもない。兌換の基礎は、長期的には、石油から水素へと移行するだろう。

<参考>
金価格の推移:田中貴金属工業
http://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/d-gold.php

このように考えると、民主党の勝利によって、短期的にイラク政策が変化することはないが、長期的には、米欧の基軸通貨を巡る争いの激化から、米欧は分裂し、EUは崩壊していくだろう。

このような状況で、日本はどうすべきだろうか。論者の中には、民主党と人脈を築けという識者もいる。しかし、よく考えてもらいたい。政党政治家というのは、会社で言えば、経営陣であるが、株主の意向で容易に首をすげ替えられる儚い存在でしかない。今回、株主は、明確にそれを実行したのだ。ここまで考えれば、日本がとるべき戦略はたった一つだ。
それは、中近東のアクエリアス化と、今後、崩壊が予想される欧州のアクエリアス化による調略でもって、株主と均衡できる戦力を官民合わせた全力で構築することだ。

イラク戦争の敗戦により、アメリカの中東地域での影響力が限りなく低下している今日、日本と世界を救うには、この戦略しかない。日本政府の意を汲んで、チーム連山が取り組む中東アクエリアス化は、その、嚆矢であり、希望となる可能性を秘めている。プロジェクトの推移は随時、チーム連山のサイト
http://www.teamrenzan.com/archives/company/post_1.html

で公開されるだろう。アメリカ幕府の衰退という、世界史上の転換点において、正しく日本を導くのは、このサイトの他には無い。

<参考>
------------引用--------------
http://npslq9-web.hp.infoseek.co.jp/sls022.html
 私は、昨年のイラク戦争開始前から、この戦争は泥沼化し、結果的にアメリカは敗退する。唯一それを避けるには、インダス川から紅海、地中海で囲まれたエリアを核攻撃により、根絶やしにするしかないことを主張してきた。

実際、モンゴル軍に逆らった敵は老若男女を問わず皆殺しにされた。この地域の支配には、このような非常さが必要だ。

よって、現在の状況はむしろ、私の予測通りといえる。何故、そのような予測が成り立つのか?それは私の分析手法が、歴史の法則を発見し、そこからの逸脱度合いを見て事の成否を判別するという、極めてシンプルなものだからだ。
△ この観点から、アメリカのイラク戦争は戦略的大失敗であり、アメリカの孤立、衰退、モンロー化と、結果として、世界の戦国化を生むことは、”地政学的大失策が引き起こす、米国の衰退と世界の戦国化!”でも書いたとおり。

△ では、私が見出した『歴史的法則』とは何なのか。
1、ハートランドの長期支配は不可能
 まず、一つ目は「一つの政治権力でハートランドを長期間支配することは不可能であり、むしろ、ハートランドに手を出すと、その本国まで瓦解する」という世界史上のあるいは地政学上の法則だ。
 アレクサンダー大王のマケドニアはインダス川まで攻め込み、ローマ帝国においてトラヤヌス帝は最大版図を確立し、パルティアに攻め込み、ペルシャ湾に達した直後から衰退が始まった。
 更に、ナポレオンやヒトラーあるいはジンギスカンを例にとれば、ユーラシアハートランドへの遠征が、結局はその本国まで滅ぼす契機になったことを見れば分かるだろう。ナチスドイツは150個師団300万人でソ連に攻め込んだが、結局は敗退した。地域住民を敵に回し、消耗戦に巻き込まれたからだ。
 さらに、「短期的支配」に限っても、この地域の支配には大量殺戮、敵対勢力の根絶やしが必要なことは、以前、述べた。

2、キリスト教徒やユダヤ教徒が、イスラム教徒を支配して上手くいった例は皆無
 これは、十字軍や19世紀から20世紀にかけての植民地支配をあるいは、ソ連軍のアフガン侵攻の結果を見れば、短期的に見れば上手くいっても、結局は破綻し、かえって移民問題を生み、本国を乗っ取られることに繋がることをみれば分かる。
 イスラム教徒は近代国家ではなく部族社会、宗教社会で生きており、一族の誰かが殺されると、必ず復讐するし、聖戦を聖職者が宣言すれば戦うことは宗教的義務となる。このような死を恐れぬ10億のイスラム教徒は、国境を超え連帯している。よって、米軍は10万ぐらいの兵力で、2千7百万のイラク人のみならず、10億のイスラム教徒を敵に回して、この地域を支配できるわけは無いのである。

------------引用--------------
------------引用--------------
http://npslq9-web.hp.infoseek.co.jp/sls022.html

△ 米国家情報会議、イラク開戦前に反米闘争予測  朝日新聞9月29日
http://www.asahi.com/international/update/0929/004.html
 米政府の「国家情報会議」が、イラク戦争開戦前の03年1月にイラク情勢に関する二つの機密報告書をまとめ、その中でイラク戦争後の事態について、反米武装勢力による暫定政府や米軍への攻撃が起きる可能性を予測し、ブッシュ大統領に報告していたことが28日、明らかになった。
 同会議は中央情報局(CIA)長官の諮問機関。CIAは、朝日新聞の問い合わせに報告書の存在は認めたが、内容については機密を理由に明らかにしなかった。
 ニューヨーク・タイムズ紙によると、報告書は、米軍がイラクに侵攻すればイスラム過激派への支持が高まり、イラク社会が武力紛争に陥ると予測。別の報告書では、旧フセイン政権の残党やテロ組織などが、連携または独自にゲリラ戦争を引き起こす可能性を警告していた。
 ホワイトハウスのマクレラン報道官は28日、「大統領は戦争の決断を下した場合にどのような試練に直面するか熟知していた」と述べ、警告を受けていたことを認めた。同会議はイラク情勢について今年7月、「最悪の場合、内戦につながる」との悲観的な見通しを示した機密文書「国家情報評価」も作成した。 (09/29 12:18)

△ 米軍、住民に発砲=陸自輸送ルートで-多国籍軍への反発懸念・イラク
 【ナシリア(イラク南部)28日時事】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワから約80キロ離れたナシリアの高速道路上で25日、米兵が道路沿いにいた住民に発砲していたことが28日、分かった。住民によると発砲で3人が負傷した。住民は「葬儀のために集まった人々を武装勢力と勘違いした米軍の誤射」と反発している。
 現場付近はクウェートやタリル空港とサマワ間の物資輸送のため、陸自派遣部隊の車列が通過するポイント。多国籍軍への住民感情が悪化することが懸念されている。

△ (時事通信) - 9月28日17時2分更新
 【バグダッド29日共同】来年1月のイラク国民議会選挙の全土実施を目指し、米軍は武装勢力が実効支配する中部ファルージャの奪回作戦に乗り出した。だが連日の空爆で家を追われ、疲弊した住民の反米感情は高まる一方。車爆弾を使った反撃も続発し、状況は泥沼化している。
 米軍は市民の犠牲を否定するが、ファルージャの病院には巻き添えで負傷した子供や女性が次々と運ばれる。病院にいたアリ・アジズさんは27日、「路上で爆弾が爆発し、驚いた米兵が無差別に銃撃、親せきら3人が殺された」と憤った。
 地元住民によると、中心街では大半の店が閉まり、住民の約半数が市外に去ったもようだ。機関銃を担いで歩き回っていた「イスラム戦士」も、米軍のスパイ活動を警戒して数日前から姿を隠した。一部はシリアやサウジアラビアなどから米軍と戦うために来た外国人で、治安部隊を狙った車爆弾による自爆攻撃にも加わっているとされる。

3、アメリカはユーラシアの縁(リムランド)でしか戦争をしたことがない
 アメリカがユーラシアに本格的に関与してくるのは、第一次世界大戦以降のことであるが、アフガン戦争以前は、全てユーラシアの外縁部への軍事展開に留まっていた。第二次大戦でも欧州戦線では、内陸部のベルリン攻撃は行わず、ミュンヘンまでしか行かなかったし、朝鮮戦争でも満州を爆撃しなかった。湾岸戦争でもクゥェート解放に留まり、バグダット侵攻を行わなかった。これは、シーパワーとしての自己規定により、アメリカの戦略がリムランド支配に特化するというもので、極めて合理的判断といえる。
 何故、アフガン戦争から、イラク戦争にかけて、いかにそれまでのアメリカの戦略である”From The Sea”ドクトリン(米海軍は92年に新しい戦略「フロム・ザ・シー」を打ち出し,沿岸海域の作戦へと重点を移している。)に基づくシーパワーとしてのリムランド支配戦略からの逸脱が行われ、ハートランド直接攻撃という戦略的下策を取ったのかを理解する必要がある。
 個人でも、企業でも、それまで未知の分野に進出するときには細心の注意と下調べが必要であり、それなくしては必ず失敗するのは鉄則だ。そして、アメリカのアフガンからイラク攻撃は明らかにこの轍を踏んだのだ。

4、戦略的下策の背景
 はっきり言えば、アメリカのユーラシアハートランド直接攻撃は、従来のアメリカの戦略から大きく逸脱する、「戦略的大失策」なのは明白であり、従来のアメリカの外交、軍事政策とは別の論理、力学で行われているということだ。
 そして、その力学とは、過去何度も指摘したが、パールやウォルフォビッツに代表されるシオニストであり、シオニストと連携し、黙示録実現を望むキリスト教原理主義者だ。
 911を契機として、それまで中東についてはアラブよりでイスラエルに冷淡であったブッシュ政権を彼らが乗っ取り、中東戦争にアメリカを引き釣り込んだというのが真相だ。

5、米兵の士気
 嘘で練り固めた理由で戦地に送られ、日々攻撃にさらされ損耗を続ける米兵に士気の高さは望むべくも無く、実質的には、相当部分の米軍が戦力を失っていると見るべきだ。
△ 次回は、このよう状況で、アメリカの真の保守主義者とは何か、そして、日本はこのようなアメリカとどう付き合っていくべきかを検討したい。
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http://npslq9-web.hp.infoseek.co.jp/sls023.html
保守派アメリカ人の本音
 前述の、確信犯シオニストと頭がおかしいキリスト教原理主義者、石油や軍需産業関係者を除いて、一般のアメリカ人はこの戦争に反対している。彼らはこの戦争が、イスラエルと石油資本のために行われていることを見抜いているが表立って言えないだけだ。
 我々日本人が、真に理解しなければいけないことは、アメリカの真の保守主義者は、現状のシオニストに乗っ取られたアメリカを激しく批判しているということだ。真のアメリカの保守主義者はWASPで共和党支持であり、田舎に住み、家族や地域を愛し、親日的(彼らは民主党のアメリカと戦争した日本に、内心では敬意を払っている。)であり、反イスラエルであり、かつ金銭を卑しむキリスト教の価値観を持っている。レーガンあるいはジョン・ウェインやケビン・コスナーがその代表と思えばいいだろう。息子ブッシュも本来はこの路線だったはずだ。
 保守派の孤立主義者ブキャナンは、自分が新しく創刊した「アメリカ保守」(The American Conservative)という雑誌の中で、「ネオコンは海外で戦争を起こしたいだけだ!アメリカの国益をそこなう、ただの戦争屋なのだ!」という反戦メッセージをくり返し主張するようになり、アメリカの保守言論界に衝撃を与えた。
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 <参考>
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2116480

△ 私は、昨年のイラク戦争開始前から、この戦争は泥沼化し、結果的にアメリカは敗退する。唯一それを避けるには、インダス川から紅海、地中海で囲まれたエリアを核攻撃により、根絶やしにするしかないことを主張してきた。
よって、現在の状況はむしろ、私の予測通りといえる。何故、そのような予測が成り立つのか?それは私の分析手法が、歴史の法則を発見し、そこからの逸脱度合いを見て事の成否を判別するという、極めてシンプルなものだからだ。
△ この観点から、アメリカのイラク戦争は戦略的大失敗であり、アメリカの孤立、衰退、モンロー化と、結果として、世界の戦国化を生むことは、”地政学的大失策が引き起こす、米国の衰退と世界の戦国化!”でも書いたとおり。

△ ならずもの国家アメリカ
著者: クライド・プレストウィッツ
監修他: 村上博美  翻訳者: 鈴木主税
ブッシュとネオコンの野望を撃て!
 傲慢・思い上がりがエスカレートする“ブッシュのアメリカ”に鉄槌を下し、迷走アメリカと復活日本のあるべき姿を提示する。
 レーガン政権の中枢にいた「保守本流の論客」による警世の書「善意」はなぜかくも誤ったのか?
 環境問題に関して、アメリカは日本の面目を失わせるようなことをした。アメリカが京都議定書を受け入れられるよう日本が最善を尽くしたにもかかわらず、アメリカは批准しなかったのだ。また、日本が喜んで受け入れた包括的核実験禁止条約を、アメリカは拒否した。国際刑事裁判所についても同様だ。
 日本は国連決議をPKO活動の根拠にするようアメリカに働きかけてきたが、アメリカは都合のいいときだけ国連を利用するだけで、時によっては国連よりも便利なNATOや別の機構を利用すると言ってはばからない。こんな関係は、確固とした基盤を共有する同盟ではない。いつ何時、何かの圧力がかかれば、すぐにでも崩壊しておかしくない。だから、この同盟をもっと持続的で有効なものにしたいなら、今こそ再考し、再構築することが必要なのである。――(本文より)
 大事なことは、真の保守主義者はモンロー主義者でもあるということだ。二度の世界大戦から冷戦を経て、米軍の海外展開はむしろあたりまえのようになったが、アメリカの歴史を通してみれば、異常なことであり、それはドイツやソ連という敵の存在があったため止むを得ないことともいえるが、敵の存在なくして、米軍の海外展開は正当化できないのだ。この観点から、対テロ戦はむしろ、正当化理由として必要だったともいえる。
△ 世界に背を向けるアメリカ
 このようなアメリカに未来があるのだろうか?長期的に考えると、シオニストに主導され、イスラエルと石油資本の利益のために対テロ戦を継続するアメリカに未来はなく、いずれゆれ戻しからモンロー主義に傾き、世界から退場していくと予測する。むしろ、モンロー主義こそが、アメリカの真の保守派の意見であり、既にその兆候は出ている。規制を大幅に強化しだしたアメリカは世界の人と資本に背を向けだしたのだ。アメリカが自由の国だとういうのは既に幻想だ。経済の空洞化とユーラシアハートランドへの侵攻が、アメリカを閉鎖的ランドパワーに変えたとみるべきだ。

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                                以上