
“アレキサンダー大王イッソスの戦い” B.C.333
今回は、前回に引き続き、「二正面作戦」を放棄したアメリカの国家戦略について、検討してみたい。
まず、「二正面作戦」とは、「世界の重要地域二箇所で大規模な戦争を同時に戦うこと」と定義できる。この二箇所とは長い間欧州とアジアであった。第二次大戦で、アメリカはアジアと欧州の二箇所で戦った。その後の冷戦におけるアメリカの国家戦略は、2と1/2戦略と呼ばれた。
アメリカの戦略に変化を生んだのは、ベトナム戦争だ。アジア太平洋地域にも関することだが、軍事的に何が起ったかというと、それはアメリカの2と1/2(二か二分の一)戦略が1と1/2戦略になったことだ。
これはどういうことかと言うと、アメリカが想定していた仮想敵国はソビエトだ。東ヨーロッパはソビエトが覇権をにぎりその勢力下にある。西ヨーロッパはアメリカの同盟国なので、このヨーロッパの正面で一つの大きな戦争が起る可能性が高かった。それから朝鮮戦争があったが、極東方面でもう一つの大きな戦争が起る可能性が高かった。これが2と1/2の2に相当し、その他中東で小規模な紛争が起り得るであろうというのが1/2で表現されているわけだ。つまり二つの大きな戦争と1/2の小規模な戦争に備えなければならないというのが2と1/2戦略だ。これがベトナム戦争でアメリカが疲弊した結果、1と1/2戦略になったということだ。
現在では、アメリカは明言はしていないが、ベトナム戦争後の1と1/2戦略すらも放棄し、1戦略に移行している。すなわち、決戦正面である中東に全軍を集中させ、アジアや欧州での有事には関わらないということだ。つまり、北朝鮮との6カ国協議の推移を見てもわかるとおり、基本的には、極東有事に繋がるような動きは避け、北とは交渉で時間を稼ぎ、北京政府に問題解決を丸投げするというやり方だ。
<参考>
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http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070210/ssk070210002.htm
北へ重油5万トン 「初期段階の見返り」中国が4カ国に打診
【北京=大谷次郎、有元隆志】北朝鮮の核問題に関する6カ国協議で、北朝鮮が核関連施設の稼働停止など「初期段階措置」を受け入れる見返りの支援として、議長国の中国が日米中韓露5カ国が重油を5万トン程度北朝鮮に提供する案を各国に打診していることが10日、明らかになった。ただ、日米露は負担に消極的で、合意文書には負担を義務づける表現は削除され、各国の判断に委ねられる見通しだ。北朝鮮は50万トン以上の重油提供を求めており、反発は必至だ。
参加各国は10日午前から北京市内の釣魚台迎賓館で、北朝鮮の非核化に向けた合意形成づくりの協議を継続。議長国の中国は同日、参加国間の前日までの協議を踏まえ、合意文書草案の修正案を示す見通し。修正案には義務化しない5万トン程度の負担も盛り込まれているもようだ。
北朝鮮への見返り支援をめぐっては、日本側が「拉致問題を含む日朝関係の進展がない段階では、できることに限界がある」との方針に基づき重油提供の負担に難色を示しているほか、米国やロシアも消極的だった。
米国首席代表のヒル国務次官補は10日午前、北京市内のホテルで記者団に「問題点はいろいろあるが、北朝鮮が何が重要と考えているのか分からない」とした上で、「今日はさまざまな2国間協議がある」と述べ、北朝鮮首席代表の金桂寛外務次官との再会談の可能性を示唆した。
日本首席代表の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は同日午前、記者団に「産みの苦しみの時期に入った。合意達成に至るまでに相当の努力を要する」と述べた。
これまで、北朝鮮が寧辺の黒鉛減速炉(5000キロワット)などの核関連施設5カ所の稼働停止と閉鎖を2カ月をめどに実施し、その見返りとして同期間内にエネルギー、経済支援などを開始することを柱とした中国の草案をたたき台に調整が進められてきた。
また、韓国の通信社・聯合ニュースは10日、北朝鮮が見返り支援で、200万キロワット相当のエネルギー支援を要求していると報じた。支援を初期段階措置の実施期限である60日以内に使用できるよう求めているという。
(2007/02/10 14:42)
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私は、以前より、北朝鮮は、北京政府による半島併呑策である東北工程が進めば、ロシアを引っ張り込んで北京に対抗することが明白であり、その意味で中ロ離間策を仕掛ける材料として、日米にとっても利用価値があると考えていた。簡単に言うと、金正日と胡錦涛が対立する構図を作ることが、日米の利益に繋がるのだ。そのため、北朝鮮は体制の存続をかろうじて維持できる程度に支援すべきと考えてきた。これを「中朝二虎競食計」と呼ぶ。
<参考>
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http://www.teamrenzan.com/archives/writer/edajima/vol111.html
中国もそれがわかっているから、容易なことでは間接支配にも乗り出さないだろうが。問題を複雑にしているのが、中国国内の朝鮮族の存在だ。中国朝鮮族の総数は約200万人である。これは在米韓国人数に匹敵し、南北朝鮮国外では最大級のコリアン・コミュニティーといえる。中国国内の分布は東北地区に集中し、なかでも吉林省に約120万人が居住し、吉林省南部の延辺朝鮮族自治州(首府延吉市)に約80万人が集中している。延吉市には中国語と朝鮮語で教育する延辺大学も設置されている。
このほか、黒竜江省に約45万人、遼寧省に約25万人、内モンゴル自治区に約2万人が分布し、北京、天津や上海などの大都市にも進出している。各地の朝鮮族集住地区には行政的に朝鮮族自治県(吉林省長白朝鮮族自治県)や多くの朝鮮族郷・鎮が設置されている(リンク参照)。これら東北三省の首府には朝鮮族の学校や放送局、新聞社、出版社などが設置されて、朝鮮語の普及を行っている。これら朝鮮族が中国が北朝鮮を支配した場合、反漢民族闘争を行う可能性もある。まさに、「朝鮮のチベット化」だ。
この策を名づけて、「中朝二虎競食」の計という。イギリスがかってナポレオンやヒトラーをそれぞれプロイセンやロシアを支援し、ぶつけることで潰した策略であり、対立するランドパワーを相互にけしかけることがシーパワー戦略の根幹だ。
中国に、「北朝鮮を支配できれば、東北地方に大規模投資する」「ODEの提供で北朝鮮を復興させる」といった餌で釣れば、のってくるだろう。そうすれば、こちらのものだ。
このように、ベースに老子をおいた上で、前号で紹介した、「中ロ離間」と「中朝二虎競食計」の同時適用、すなわち、「中ロ離間中朝二虎競食計」さらに、縷々述べてきた、国内の親中朝派を一網打尽とする「連環計」を合わせ適用する、トリプルコンボ「中ロ離間中朝二虎競食連環計」をもって、極東三国志を日米によって制覇する。この過程で、中国による、金正日一派の粛清がなれば、拉致問題の全面解決に繋がる。これが江田島孔明の「北朝鮮仕置き」だ。
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東北地域の開発に執念を燃やす、内陸派閥の胡錦涛と上海閥の江沢民の対立から見ても、胡錦涛は金正日体制を潰そうとし、江沢民は逆に、金正日を胡錦涛に対する当て馬としようとする等、北朝鮮はシーパワーとランドパワーの鬩ぎ合いの最前線だ。
このような観点から、日米は、北の体制保障を水面下で支援すると予測していた。もちろん、拉致や偽札といった問題の解決は必須だが。
そして、アメリカが六カ国協議による北の「繋ぎとめ」を望む最大の理由が「中東問題」だ。
つまり、アメリカが二正面作戦を放棄し、陸上戦力を全て中東に集中している状況で、陸戦の可能性がある北朝鮮攻撃は、到底不可能な話だ。北朝鮮にしても、日米の支援は死活的に重要なので、ここで両者は利害の一致があることになる。これが、六カ国協議の背景だ。
さらに、重要な点として、アメリカによるイラン攻撃の可能性が高まっていることが挙げられる。
例えば、イラクへの2万人増派に反対したイラク占領米中央軍のアビザイド司令官を更迭し、海軍出身のファロン海軍大将を太平洋軍司令官からの異動という形で任命した。これは、ブッシュ政権は、対イラン戦争が発生すると想定し、その場合、矢面に立ち犠牲になる陸軍の反対を考慮し、アビザイドを更迭した上で、「駐留米軍撤収」「海空統連合作戦」「太平洋軍と中央軍の連携」を視野に入れているのではないかと推察される。
中央軍司令官はこれまで、陸軍大将の就任が慣例であったが、ここにきて海軍大将を当てたのは、それだけ、イラン攻撃に対する陸軍の反対が強いことと、海岸線の長い国(イラン)への上陸や海上封鎖のため空母機動部隊が必要という二つの理由によるのだろう。

そして、ブッシュ政権はペルシャ湾にイラン攻撃のため空母2隻(ニミッツ級原子力空母ステニス・アイゼンハワー)を中心とする二個戦闘群の配備を実施した。この中には、イラクのゲリラ対策には不要な米原潜「ニューポート・ニューズ」が日本タンカー「最上川」16万tとホルムズ海峡で衝突した事件があった事で判明したように、原潜も含まれている。
ブッシュ大統領のイラン戦争言明演説の07.1.10(ブッシュ大統領は「イラクの近隣国であるイランとシリアは、イラクの反米ゲリラに資金や武器を供給したり、ゲリラを軍事訓練したりして、アメリカのイラク再建を邪魔している。イランとシリアの妨害工作を潰すため、戦線を拡大する」という戦略を明言した。)当日には、イラク北部クルド自治区のイラン領事館を重装備した米軍が襲撃、外交官ら6人を拘束した。これらは、イランへの露骨な戦争挑発行動だった。
<参考>
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http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200701150020.html
米高官「イラン攻撃の可能性、排除せず」
2007.01.15Web posted at: 17:47 JST CNN
ワシントン(CNN) ハドリー米大統領補佐官(国家安全保障担当)は14日、イランへの軍事攻撃を計画してないとする一方、可能性を排除しない方針を示し、イラン攻撃に反対を表明した米上院議員の圧力に抵抗した。
ハドリー補佐官はNBCテレビの番組「ミート・ザ・プレス」で、ブッシュ米大統領がイランとの問題を外交で解決する意向を明言したと述べた。ただ、ABCテレビの「ジス・ウィーク」でハドリー補佐官は、イラン攻撃の可能性を排除しないとコメント。攻撃には米議会の承認が必要だとする一部上院議員の主張に同意するか明言しなかった。
ブッシュ米大統領は10日に発表したイラク新政策で、イランとシリアへの強硬姿勢を表明した。米政権は、イランがイラク国内に戦闘員を送り込み、イラク駐留米軍を攻撃していると主張。イラン当局者らはねつ造だとしてこれを否定するとともに、イラク国内のイラン人を標的とした「違法行為」を支持するのが米国の狙いだと反論している。
ハドリー補佐官はABC番組で、イラク情勢が米政権にとって最優先事項であることを強調する一方、米軍に対する攻撃を阻止できると認識してイランに介入する権限が米国にあるかとの質問には回答を避けた。番組司会者から「イラン介入の権限があると考えていないのですね」と念を押されると、ハドリー補佐官は「そのようなことは言っていない。これは別の問題。越境には法律上の問題が常に伴う」と語った。
ブッシュ政権は、イランのイラク介入を阻止するため抜本的な対策が必要だとしている。チャック・ヘーゲル上院議員(共和党、ネブラスカ)は先週開かれた上院外交委員会の公聴会で、ベトナム戦争当時のニクソン政権がカンボジア攻撃を否定しながら、実際には武器流入阻止を名目に攻撃を実施していた経緯を挙げ、米政権がイランやシリアに介入しないと国民にうそをつく可能性を警告した。
こうしたなかイラク駐留米軍は、先週イラク北部で拘束したイラン領事館職員5人が、イラン革命防衛隊の要員だとの声明を発表。5人がイラク国内の過激派に資金や武器、爆発物製造技術を提供するとともに、過激派を訓練し、イラク政府や多国籍軍の攻撃を試みていると述べた。
国営イラン通信(IRNA)によると、イランのホセイニ外務省報道官は、米国の行動が国際規約や外交規則に違反していると非難し、5人の即時解放を求めた。
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http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4500/news/20070111id23.htm
イラク駐留米軍がイラン領事館を捜索、兵5人を拘束
【カイロ=柳沢亨之】イラク国営放送などによると、同国北部クルド人自治区の主要都市アルビルで11日早朝、駐留米軍がイラン領事館を家宅捜索、警備兵5人を拘束した。
ブッシュ大統領のイラク新戦略発表に合わせ、隣国イランをけん制しようとした可能性もある。
家宅捜索で米軍はコンピューターや文書も押収した。これに対しイラン政府は、外交施設保護の義務を有するイラク外務省あてに抗議文を提出した。
イランは、イラク政府の中枢を握るイスラム教シーア派の後ろ盾で、シーア派民兵への支援の疑いも指摘されている。米国はイランの影響力拡大を事実上黙認していたが、昨年12月、複数の同国外交官を拘束するなど、圧力を徐々に強めている。イラク元情報将校は「米軍の対イラン攻勢は、イラクのシーア派民兵への攻撃の可能性をイランに警告したもの」と見ている。
(2007年1月11日22時2分 読売新聞)
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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070207id28.htm
イラン、露供与の防空ミサイルシステムを演習で初使用
【テヘラン=工藤武人】イラン革命防衛隊は7日、ロシアが供与した防空ミサイルシステム「TOR―M1」をミサイル演習で初めて使用した。
イラン学生通信が同隊航空部隊のサラミ司令官の話として伝えた。
演習は、同日から2日間の日程で、ペルシャ湾などを舞台に始まった。TOR―M1は、48の標的を同時に捕捉し短距離地対空ミサイルで撃墜する能力を備えており、イランの「防衛能力」の高さを誇示し、対イラン軍事攻撃の可能性を排除しない米国をけん制する狙いもあるとみられる。
イランは2005年末、ロシアと10億ドル(約1200億円)で29基のTOR―M1の売買契約を締結。ロシア、イラン双方は1月にイラン側に引き渡されたことを認めていた。
(2007年2月7日23時5分 読売新聞)
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私は、イランの国土や人口が米軍が苦戦しているイラクの数倍に及ぶ点や、国内がシーア派で団結しており、イラクにおけるような、スンニとシーアの対立が無い状況等を考えると、戦略的にはイランへの攻撃、少なくとも陸上部隊の投入はないと考えていた。イラン攻撃が唯一あるとすれば、それは核攻撃しかないとも考えていた。
そして、その可能性がここ1-2ヶ月でかなり高くなっていることを感じている。はっきりいえば、アメリカは真珠湾の時と同じように、対イラン戦を正当化するための挑発行為に出ているのだ。
なぜ、米国はイランを攻撃するのか?それは、表の理由は、核開発だが、真の理由は、「石油のドルによる決済システムの維持」なのだ。これは、イラク戦争と全く同じ構図だ。世界第4位の産油国であるイランは、外貨準備のドル保有比率の引き下げに伴い、原油の輸出代金受け取りに関して、ユーロ建てでの支払いを求めている。アメリカはこの動きがベネズエラやロシアといった、反米産油国に波及するのを防ぎたいのだ。
問題は、イラクで3000人以上の死者を出した米陸軍が、果たして、イラン攻撃命令に従うのかどうかだ。むしろ、イラン攻撃は、イラク駐留米軍への攻撃に拍車をかけ、犠牲が増加する可能性が高い。
重要な点として、米陸軍は兵力が不足しており、現状においても、イラク駐留米陸軍の40%は州兵によって占められている。州兵は平時には通常の仕事に従事している。アメリカ国民にとっては隣人や友人・知人、家族だったする。軍現役を退き、サラリーマン、農民、郵便配達、運転手、弁護士、医者、土木技術者、企業経営者などの職業についているが、召集されると仕事を中断して兵役に就く義務がある。専門職も多いことから、地域経済や会社経営に支障をきたしかねないケースもあるという。
彼らを海外に派兵し、戦死させている状況は、アメリカにおける国家分裂、すなわち最も重要な対立である、「連邦と州の衝突」に繋がる危険性を秘めている。
州兵の歴史を見ると、アメリカ独立戦争においては、アメリカ各地の民兵が果たした役割は大きく、イギリス軍を撃退するのに功があった。独立後も、開拓地域における不安定な治安もあって武装した市民の存在は珍しくなかった。19世紀を通じて、政府方針や財政事情もあり、アメリカにおける常備軍の規模は小さいものであった。その間、米墨戦争や米西戦争があり、常備軍のみではなく民兵部隊も動員されている。南北戦争においては、アメリカ領内における戦闘という側面もあり、両陣営とも多くの民兵を動員している。
民兵の連邦組織への組み込みが開始されたのは、1903年のことである。米西戦争において、民兵はその錬度の低さが問題となっていた。1903年民兵法の公布により、各州で組織されていた民兵部隊に連邦予算の支給が大幅に増加され、装備・錬度などの軍事能力の向上が求められた。
1916年国家防衛法の施行により、民兵部隊は連邦軍の予備部隊としての性格がより明示され、民兵部隊は各州の管轄ではなく、連邦政府の管轄となった。また、有事においては、連邦軍と同等の行動が行えるように訓練・編制・装備も同等のものとすることとなっている。なお、同法において、州兵・National Guardの語が初めて用いられた。
第一次世界大戦においては、アメリカは常備軍のほか、州兵部隊もヨーロッパに派遣し、各州兵部隊の混成であった第42師団を始めとして、大きな戦果を挙げた。
1933年に国家防衛法の改定により、州兵における連邦軍の予備部隊としての性格は強められている。1940年になると、第二次世界大戦に参戦していないにも関わらず、陸軍州兵19個師団と陸軍州兵航空隊29個飛行中隊が連邦軍に動員されている。 つまり、この時期から第二次世界大戦を通じ、アメリカは独立した州の集合体から、国際金融資本による連邦主導の管理国家に変質したのだ。
その後も、州兵はアメリカ軍の一部として、戦時に動員されており、朝鮮戦争、湾岸戦争、コソボ紛争、アフガニスタン侵攻、イラク戦争に参加している。なお、ベトナム戦争には参加していない。この他、国内任務として、公民権運動に伴う暴動、ベトナム反戦運動、ロサンゼルス暴動など騒乱の鎮圧やハリケーン・カトリーナを始めとする災害救援を実施している。
<参考>
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http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/us_troops_crisis6.htm
イラク戦争の負担と矛盾の集中点としての州兵・州兵制度。米バーモント州での住民投票の成功とイラク撤退決議の採択。州兵帰還要求運動(Bring the National Guard Home)の開始。
(1) 米軍危機と反戦世論の拡大・浸透を示したのが、3月19日、20日に先だって行われた米バーモント州の住民投票である。バーモント州各地では3月1日、50を超える町で住民集会が開かれた。州251の町のうち実に5分の1に当たる町が、有権者総数の5%以上の請願署名を集めて住民投票を組織し、49の町がイラク撤退決議を採択し、3つの町が反対、一つの町が同数であった。
このバーモント州での決議は、州兵の召集が地域社会に大きな困難を与えていることを表している。同州北部の町ミルトンでは警官の4分の1がいなくなった。ジョネス村では、町の商店が閉鎖された。オーナーが召集されたためである。消防士もいなくなった。251の町のうち200以上の工場および農場で従業員がいなくなっている。企業、役所、家族、地域のコミュニティなどあらゆるレベルで、息子、娘、夫、妻、いとこ、あるいは隣人の誰かが州兵に関わっている。バーモント州出身の米兵の人口当たりの死者数は召集された兵士の中で最高であり、召集された兵士の割合も2番目に高い。イラク民衆の粘り強い武装抵抗闘争を前に米軍が陥った死傷者の急増、ローテーション危機、現役の兵員不足を埋め合わせ、何とかやりくりしするための強引な州兵召集が、住民の生活や雇用、更には地域社会そのものをズタズタにし、住民全体を投票へと向かわせ、ブッシュ政権に一撃を食らわせたのである。
※Vermont towns say ‘Bring our troops home’
http://la.indymedia.org/news/2005/03/123366.php
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このように、本来「国土(州)防衛」を任務としている州兵を海外に派遣し、戦死させ、結果として反戦の動きが加速すれば、アメリカの戦争継続は不可能になるであろう。州権主義者は保守主義でモンロー主義者でもあり、本来「反連邦」なのだ。
よって、この状況が続けば、かっての、州権主義者による「オクラホマシティーの連邦ビル爆破」のような事件や南北戦争が起きる可能性すらある。昨年の中間選挙の結果、共和党が大敗したことは、このようなアメリカの世論を反映したものだ。
重要な点として、アメリカがこのように中東に戦略重心を決定的に移行している状況は、極東における力の空白を生み、それを埋めるため、自衛隊が拡充されるという点だ。平成20年に予定されている日本の新型ヘリコプター搭載護衛艦で、実質的な戦後初の「空母」(16DDH)竣工はその象徴だ。
<参考>
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http://military.gozaru.jp/others/16ddh.htm
日本の新型ヘリコプター搭載護衛艦で、実質的な戦後初のヘリ「空母」。現在各護衛隊群の旗艦となっているヘリコプター搭載護衛艦DDHの内、「はるな」型の「はるな」は昭和48年、「ひえい」は49年に竣工しFRAM(近代化改装・艦齢延長工事)も行われたが、既に艦齢は30年を過ぎており、 「はるな」は平成20年度に除籍が見込まれている。その為代替艦として本級の建造が平成13年度からの中期防衛力整備計画に盛り込まれ、16年度計画および17年度計画で2隻が建造されることとなっていた。 その後2番艦は18年度計画に盛り込まれたため、それぞれ計画年度から通称16DDH、18DDHと呼ばれている。しかし日本の戦後初めてとなる、このヘリ「空母」建造までの道のりは極めて長いものだった。
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航空自衛隊次期主力戦闘機の可能性が高いF22ラプター飛行動画
http://www.nicovideo.jp/watch/uthnUci06q51k
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注意すべきは、二年後の大統領選だ。おそらく、ヒラリーとマケインの一騎打ちになるだろう。仮にヒラリーが勝った場合、日本にはかなり厳しいことになることが予想される。ヒラリーは90年代から北京政府の代理人として、江沢民の上海閥とは親密な関係にあった。その関係が胡錦涛に引き継がれているようだと、胡錦涛は、米国債の売り圧力をかけ、「日米安保破棄」をヒラリーに要求する可能性は十分ある。戦略的に考えて、アメリカが中東への戦力投射能力を担保する上で、日本の海軍や空軍の基地は必要不可欠だが、ヒラリーはそのような戦略を全く無視して、極端な行動に出る可能性も無いではない。
日本は、そのような状況にも、十分備えておく必要がある。
90年代のクリントン政権下における反日行為の数々を忘れてはいけない。クリントン大統領は中国訪問で日本を素通りしたこともあったり、当時のモンデール駐日米国大使が尖閣諸島は日本ではないニュアンスの発言もあった。この時期、CIA・国防総省・国務省の機密レポートと最新の米国製軍事技術が北京に渡された。そしてジャパンバッシングの数々や円高。このような歴史と「新春特別企画最終号」で見たアメリカ民主党の本質、さらに、ヒラリーの左翼弁護士という、VOL139で紹介した日本を農業国にしようとした占領軍GSのケーディスにも通じる経歴を考えると、どのような極端な政策があっても、不思議ではない。
注意すべきは、ヒラリーは江沢民の上海閥の代理人であり、対立関係にある内陸閥の胡錦涛とどのような関係となるかは、不明な点だ。
江沢民への対抗上、胡錦涛がマケインの共和党を応援するようだと、大統領選はおもしろくなる。そして、胡錦涛が共和党を応援するのかどうかは、アメリカ軍のイラク政策に北京が協力するかどうかで、分かる。
アメリカのイラク政策が失敗し、結果としてイラン攻撃が実現し、ホルムズ海峡が封鎖されれば、最も被害を受けるのは、VOL137で見たように、原油の戦略備蓄が無い北京になるだろう。
下記記事に見られるように、終に、バブルが崩壊しだした中国経済に、「ホルムズ海峡封鎖」による原油輸入途絶は致命的影響を与えるであろう。
海軍の使い方として、最も理想的なのは、「敵国の輸送シーレーンの遮断」だ。参考として、太平洋戦争における米海軍の潜水艦戦略を見てみたい。
1943年には、日本軍は勢終末点を越え、補給線は伸びきってしまい、元々貧弱な対潜部隊はどうにもならなくなってしまった。
逆に米軍は新型潜水艦の配備、優秀な磁気魚雷・レーダーを装備し始めた。この頃就役したガトー級潜水艦は特に目立った性能もない反面、際だった短所もない誠に使い勝手が良く、潜水艦乗組員に親しまれ、計200余隻が建造された。
さらにウルフパック戦術(潜水艦の連帯行動。常に数隻で行動し、攻撃力を高めようとしたもの。ドイツが編み出したもので、これにフォッケウルフFw200哨戒機を組み合わせ連合軍船舶を次々と沈めていった。)を取り入れ、ガ島攻防戦から日本船舶の損失は鰻登りしていく。日本海軍は護送船団方式を採用して、急造海防艦も戦列に加わったが、それでも数が全然少なく、またその護衛部隊の運営もお粗末であった。
大西洋では船団の規模を大きくすることが、損失を押さえ、また、護衛兵力の効率使用につながると知られていたが、日本海軍は通信機器の貧弱さなどのため、大船団を組むことができず、一層被害が増加してしまった。 1944年になると、日本軍の制海権はもはや日本海等近海にしか及ばなくなり、ますます米潜水艦の跳梁跋扈を許すことになる。
日本海軍の対潜能力は貧弱で、専ら聴音機(パッシブソナー)に頼り、連合軍が使用したアクティブソナー(探信儀)を持たないので、潜水艦を捕らえること容易ではなかった。対潜兵器も爆雷のみで米軍が使用したヘッジホッグの類は無く、闇雲に爆雷投下して逃がしている。結果潜水艦の返り討ちにあった駆逐艦は43隻に及んだ。
このような状況に陥り、輸送シーレーンを寸断され、日本本土は完全に補給を絶たれた。そのため、陸軍兵力は太平洋戦争末期には、本土とシナ大陸において700万を数え、ほとんど無傷であったが、無条件降伏に追い込まれた。海軍力を失ったランドパワーとはかくも脆弱なものだ。
このような戦訓から言えることは、最重要の原油チョークポイントであるホルムズ海峡に米海軍機動部隊や原潜が展開し、「いつでも封鎖できる」という姿勢を見せ付けることは、北京に対する「強力な恫喝」になり、北京とイランを離間させることも可能になるということだ。イランがアメリカに対して強気でいられるのは、中ロの後ろ盾があるからだ。この両者の内、エネルギー供給がアキレス腱の北京を脱落させるための、ホルムズ海峡封鎖戦略なのだ。この作戦を、紀元前にペルシャを攻めたアレクサンドロス大王の愛馬にちなみ、 “Operation Βουκέφαλος”「オペレーション・ブケファロス」と名づけたい。
このような目的で、海軍出身のファロンを中央軍司令官に異動させたのなら、歓迎すべきと考える。しかし、この戦略で北京が折れず、イランの後押しを継続するようだと、対イラン戦争が現実化し、イスラエルを巻き込んで、核戦争に発展することは必至だ。事態はどう転ぶか予断を許さない程、切迫していると考えられる。
もちろん、イランの核開発に協力し、兵器を供与しているロシアについても同様だ。下記記事に見られる如く、「対露五道作戦」発動に伴う、米欧間の緊張が起きている。
なお、太平洋戦争の最も重要な戦訓として、周囲を海に囲まれた日本は海上交通路、つまりはシーレーンの維持に力をいれなければならないということが挙げられる。太平洋戦争における連合艦隊は世界第三位の海軍力を誇りながら、海上護衛兵力はなきにしもあらずであった。
イギリス海軍を見本としたのに、第一次大戦でUボートと戦った海上護衛戦術について何も学ばなかったのはどういうことだろうか。地政学的にも似ているイギリスはとても参考になったろうに・・・。
主力艦決戦に執着する余り、最重要たる資源の確保、この戦争の目的でもある南方資源地帯との結びつきを自ら狭めてしまったのは残念である。いくら資源の産地を押さえても日本に持ち込めなければ意味がないことを忘れている。
そして、日本側の潜水艦用兵もあまりにもまずかった。艦隊決戦の補助兵器と考えていたからだ。
「潜水艦の最も有効な活用法は通商破壊戦である」とドイツ海軍の忠告を再三受けていたが、日本は一部を除き、最後まで艦隊決戦思想を止めなかった。潜水艦艦長らも事ある毎に艦隊決戦には不向きであると主張していた。しかし、艦隊決戦に固執する軍令部がこの事を理解するにはいたらなかった。
<参考>
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070202k0000m020040000c.html
中国株:バブル崩壊の懸念…急落受け各紙が一斉報道
1日付中国各紙は、上海、深センの両株式市場で前日に株価が急落したことを「記録的な株安」と1面で大きく伝え、バブルが崩壊したのではないかという懸念を一斉に報じた。
過去1年半で3倍になった株高に対する警戒感から、最近は経済紙を中心に「バブル状態ではないか」という論争が繰り広げられていた。投資家心理が冷え込み、株安が加速する可能性もありそうだ。
中国証券報は、前日の下げ幅は記録的だったとし、「絶壁のように急落したことで、市場に警告を発している」と指摘。上海紙の新聞晨報は「バブル崩壊の恐れで株価急落」と1面で伝え、「市場は調整局面に入ったのではないか」と分析した。
一方で、上海証券報は「中長期的には株高で推移することに変わりない」という機関投資家の強気の見方を紹介した。
上海株式市場の総合指数は1月31日に前日比5%近く急落、新華社電によると、過去7カ月で最大の下げ幅となった。1日は小幅続落だった。(上海・共同)
毎日新聞 2007年2月1日 18時49分
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http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070210AT2M1001J10022007.html
ロシア大統領「米欧と新たな壁」・NATO拡大に警戒感
ロシアのプーチン大統領は10日、独ミュンヘンで演説し、「ベルリンの壁は崩壊したが、(米欧は)再び(心理的な)壁を作ろうとしている」と述べ、米欧の外交・安保政策を強く批判した。ロシア国境に達した北大西洋条約機構(NATO)の拡大について「相互不信を高めた」と指摘したほか、米欧の軍事行動を「地域紛争の解決ではなく、悲劇を高めている」と強調した。
プーチン大統領は40カ国以上の国防相が参加したミュンヘン安保政策会議で講演した。会議には米国のゲーツ国防長官も出席。大統領は冷戦崩壊後の世界情勢について「地域紛争が増え、新たな悲劇が生まれている」と指摘するとともに、「多極化した世界の構築を目指さなければならない」と米主導の国際秩序の形成をけん制した。(ミュンヘン=桜庭薫) (23:26)
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以上


コメント
>アメリカ民主党の本質、さらに、ヒラリーの左翼弁護士という、
>VOL139で紹介した日本を農業国にしようとした占領軍GSの
>ケーディスにも通じる経歴を考えると、
>どのような極端な政策があっても、不思議ではない。
自分はかなりヤバイ事態があると思っています。具体的に言えば、日本の反戦平和団体などと組んで、「沖縄からの米軍撤退」を実行するおそれがあるということです。
ヒラリーに地政学的な視点があるかどうか正直怪しいものです。往々にして、法解釈畑出身の人間は、sein(現在するもの)よりsollen(あるべき理想)を追い求める傾向があります。夫の行動からして、それが賢者の専制=共産主義独裁という可能性は十分にあります。
なにより、彼女のバックにはユダヤの金融資本が付いています。ビル・クリントン政権の財務長官は「ゴールドマンサックス」の取締役だった人物です。そう考えれば、日本の国富収奪は間違いなく起こるでしょう。
それ以前に、取りうるオプションはいくつかありそうですね。
1.政治家を通さない米軍との直接のパイプ
2.民主党内の反中派(たとえば、下院議長のナンシー・ベロシ)の取り込み
3.イギリス・オーストラリアへの接近
4.(極端ですが)外貨準備の放出を示唆してアメリカを脅迫
4.は、それこそアメリカによる再占領を招きかねないという点で、無謀すぎるオプションですね。
江田島さんは従前より3,を提唱しており、また最近の記事では1.についても言及されていますね。
2.についてはどうでしょう?あの党も、決して一枚岩というわけではないと思います。もし、民主党に何らかの工作をしかけなくてはいけないとしたら、やはりイギリスの情報網というのは絶対の前提になりそうです。
頭の弱い安倍では無理そうですから、次期首相に方向転換を望みたいものです。
Posted by ろろ at 2007年2月13日 00:53
前出のろろさんがすでに書き込んでおられますが、私はろろオプションの2.民主党内の反中勢力の抱き込みが重要ではないかと考えております。
民主党ヒラリー、共和党マケインという対立構図になる前の段階、すなわち民主党の大統領候補からヒラリーを脱落させるあの手この手を考えておくべきではないでしょうか。バラク・オバマだってヒラリーよりはマシでしょうから、民主党の大統領候補予備選でヒラリーを葬るためには、「彼女は聖書に手を置いて宣誓できるのか」と挑発(新約聖書最初のマタイ伝にはイエス・キリストに至る直径男系男子の系図が延々と書き連ねてある)するぐらいのことをやって、アメリカの伝統的保守主義者にヒラリー・アレルギーを植え付けるぐらいのことも必要と考えます。
Posted by のらくろ at 2007年2月13日 22:51
ろろ様
全く、おっしゃるとおりですね。
1.政治家を通さない米軍との直接のパイプ
→これは、絶対に必要です。外務省すら通さず、日米防衛当局中でも海軍同士が密接に連携するための防衛省昇格です。
2.民主党内の反中派(たとえば、下院議長のナンシー・ベロシ)の取り込み
→これは米国大使の仕事ですが、望み薄であり、期待できません
3.イギリス・オーストラリアへの接近
→これは、先方から望まれているし、英国が絵をかくでしょう。それに乗ればいいのです。
4.(極端ですが)外貨準備の放出を示唆してアメリカを脅迫
→最後の手段です。これをやるには、上記3点が完全にうまくいっていて日本の味方になることが確実な場合のみです。それ以前にアラブや中国がドル放出するでしょうが。
Posted by 孔明 at 2007年2月13日 23:14
補足するとアメリカのマスコミを使って世論を動かすことが日本にできれば、なるほど、ヒラリーを蹴落とすこともできるかもしれません。しかし、マスコミは彼らに握られています。よって、可能性は小さい。
よって、日本がとりうる手は限られるのです
Posted by 孔明 at 2007年2月14日 00:36