実効なき温暖化対策の背景

地球外生命体からのものと思われる信号を傍受した。その一部を日本語に翻訳して公開する許可を得た。たまたまこの場を借りることができたので、環境、経済、エネルギー、教育、などの分野に絞って抄出したものを適宜発表する。これらのカテゴリーを英語表記にすると、すべてEという頭文字になる。そこで、“E”に関する問題を今後の統一テーマとすることとした。本人の出自を公開しないという条件があるので、詳細について言及できないことを予めおことわりしておきたい。


温暖化を進めている背景についてみたものを、地球観測の第一報とする。この星では温暖化という現象が急速に進んでいる。ベースキャンプを置いたここ日本という国では、温暖化を防止するための最初の国際会議がもたれている。その土地の名が冠せられた国際条約「京都議定書」が既に発効しているのだが、この国では当該条約が定めた数値を守ることができていない。期限とされているのは2012年である。残すところ、地球暦であと六年ほどになった。政府が対策を講じてこなかったということではない。努力することはしたのだが、効果がなかったということである。

日本人にはフィードバック回路というものが、一般に欠けているように見えることがある。結果から学習するということが、どうもうまくできていないらしい。同じ失敗を何度も繰り返しているのがその証拠である。温暖化対策で実効が得られていないことは、データをみるまでもなく世間周知の事実になっている。問題とする点が一向に改善されていないということは、この民族に通有する何らかの特徴がどこかに潜んでいるとみるべきであろう。また、時の権威とされる存在に対して無条件で従うという反射行動がみられる。歴史的には寧ろ盲従してきたという方が当を得ている。従順で管理し易く且つ団結すると揺るがないその国民性は、世界を指導する役割を果す目的を与えたら最強の結果を残すだろう。

温暖化を防止することが出来なかった理由の第一は、温室効果ガスの90%を占める二酸化炭素の排出削減ができていなかったということにある。日本から排出されているCO2の48%は、電気エネルギーを取り出すために二次生成されたものである。内燃機関が生み出している分は約30%、工業炉などの産業分野で残りの22%相当のCO2が副生されている。CO2濃度の上昇は、炭素系燃料を酸化する機会が増えたことにある。この星ではエネルギーの殆どを炭素系燃料から取り出している。炭素資源を燃焼で酸化することにより、熱エネルギーを得ているのである。この時二酸化炭素という化合物が二次生成されている。熱エネルギーを経て、内燃機関による運動エネルギーと電気エネルギーとを取り出してきたことが、温室効果ガスの主成分である二酸化炭素濃度を上げる結果を導いた。地球がもつCO2分解効率よりも、ニンゲンがもつ生成能力の方が高かったために、炭酸化合物の濃度が上昇し温暖化という現象が引き起こされている。

不思議なのは、この星の住人が、電気を節約すれば温暖化が防止できると堅く信じ込んでいるということである。この認識が正しいものではなかったために、これまでの温暖化対策に実効がなかったのだった。誤った前提条件に基づいて省エネ努力を続けてきたために、法律そのものが誤りを拡大再生産するという事態を惹起している。(「地球温暖化対策の推進に関する法律、平成十年十月九日法律第百十七号 その第二条第六項に【国際的に認められた知見に基づき政令で定める係数】という定義が記載されている) その意味するところは、CO2排出原単位と呼ばれる削減目標値、つまり0.34kg-CO/kwhということになっている。

節電することで、発電したのと当量の二酸化炭素を削減したとすることはできない。スイッチを切った時間だけ「燃焼炉」が止まっていたという事実は確認されていない。同じ誤解を繰り返し反復して尚飽きないというのは、認識能力に加えて学習能力の欠如を示すものである。温暖化を防止する目的で交付されている国税の一部を、有効な対策に振り向ける機会を逃がしてきたということは、いうまでもなく、とてもモッタイないことであった。

電気エネルギーを輸送するための方法は、交流送電という形式で統一されている。変圧が容易で遠距離送電をすることができるからである。交流は、プラスとマイナスが半周ごとに切り替わることで成り立っている電流である。その切り替え頻度を担っているものが周波数である。常に回転しながら切り替えを行っていなければ、周波数を安定的に維持することはできない。交流にはつまり、動態を保っていいなければならないという特約条件がついているのである。プラスとマイナスを切り替えている状態が止まったなら、周波数も同時に消えてしまうのが交流の特徴である。交流がよく貯めて置けない電気だと言われるのは、切り替えを頻繁に行っていなければならないものだったからである。50ヘルツの交流なら一秒間に50回のスイッチングがなされており、60ヘルツの交流なら一分間に3600回の切り替えを実施しているモデルがこの国のインフラとして採用されているのである。

消費者がせっせと電気を消してまわっても、一旦発電された交流電流はそこに止まっていることができない。停止した電気は、もはや電流とは呼べないものなのだ。(電気を水道と同じだと思ってはならない。スイッチを切った時に電流がそこで止まっているのなら、壮大な無駄が発生するようなことは起きていなかった) 節電で余った電気をそのままにしておいたら、電圧は高まって危険な状態になるだけでなく、プラスとマイナスが接触しショートすることさえあるのだ。発電機が消費者の行動に合わせて自動的に止まったり起動したりする、ということではない。交流で発火事故が多いのは、性質を異にする電気が単線をシェアし合っているからである。そこで安全性を確保するという目的で、節電で余剰となった電気を地の底へ払い出すという方式が採用されている。これを電力会社では限流と呼んでいる。送電系統を安定化させておくための方便として、いろいろなところでアース端子から過剰となった電圧を逃がすための措置がとられている。安全性を保つことで、高品位の電力が安定的に遍く供給されるようになっているということなのだ。節電しても二酸化炭素を減らすことができていなかったのは、交流の性質を当事者全員が認識していなかった所為である。電力会社だけがこの事実を知っている。負苛変動に際してフィードバックがすぐに働かなかったのは、交流という送電システム自体が引き起こしていたことだった。

発電機が生み出している電力単位で一斉に節電をしなければ、発電機の出力を解除することはできない。発電機の回転数で周波数が決定されているからだ。日本の電気の品質が優れて高いものになっているのは、周波数が厳密に維持されるよう細心の注意が払われているからである。メードインジャパンという表記は、日本ブランドの価値の高さを示すものになっている。たとえ周波数と電圧の変動を許容することができたとしても、二酸化炭素の発生を抑制することは不可能だった。なぜなら、発電機が止まっていても、燃焼炉が止まっていたことを示す資料は発見されていないからである。
需要が大きく減った後でなら、発電機を系統から解列するのは可能である。けれども炉の燃焼が維持されたままであったのなら、二酸化炭素が減るということはありえない。殆どの発電所が蒸気発電で成り立っている。蒸気圧を維持しておくためには、耐えざる燃焼が必要なのだ。いつ電力需要が発生するのかということを、供給側の発電所で事前に知るのは不可能である。消費者がいつ、どこで、どんな電気製品のスイッチをオンにするのかは誰にも分からないことである。


省エネ節電を促進する効果はあっても、温暖化対策に投じられてきた国の予算が実効をあげていなかったというのは、交流送電というインフラの実態を政府と行政機関が共に知らなかったからである。環境省が今夏クールビズで削減したと公表した56万トンの二酸化炭素は、机上の数値を積み重ねて得たものである。燃焼炉の状態をデータで確認していなかったことが、効果のない対策をこれまで延命させてきたのだった。環境省は発電所の発電実績の推移で、検証と確認を行うべきだった。炭素燃料の輸入量と炉の燃焼時間を確認すれば、実際の効果は一年で判明していたはずである。国費を投じた対策の結果を逐一検証してこなかったことが、温暖化対策から実効を失わせていたのである。この事実に早く気がついていたら、損失となっていた国税をより多く減らすことができていたはずである。電力会社が交流送電の限界をディスクローズしていれば、とっくの昔に改善されていた単純な問題で終わっていただろう。隠すべきではないことを秘匿してしまったために、最終調整を余儀なくされるときがいずれにせよ電力会社にはやってくる。京都議定書を遵守する義務が、次第に大きな負担となって経済全体に圧力をかけ始めている。有効な対策を導くには、現状を正しく知ることから始めなければならない。