10月2日から6日まで、長野県軽井沢町で行われた第17回国際クマ会議に出席した。約44カ国からおよそ320人が参加。アジアで行われるはじめての会議。したがってアジアの各国からの参加も多い。
アジアには世界に生息する8種のクマ類のうち6種(ジャイアントパンダ・ホッキョクグマを含む)が生息している。極東ロシア、中国、韓国、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、マレーシア、インドネシア、スリランカ、インドなどの研究者から発表があった。
ツキノワグマはなんとなく日本固有種かと思っていたが、インド・東南アジアに広く分布していることを知った。同時にヒグマがそれらの地域にいることも知った。
クマに関する問題は全ての国で共通している。
1. 森林の伐採が進み、クマの生息地が減った。
2. 熊の胆、クマの掌、クマの毛皮等をとるための密猟が絶えない。熊の胆、クマの掌、の輸出先は主に中国。
3. 道路の建設によってクマの生息域が分断され、近親交配による遺伝的弱化が心配される。
4. 森林を伐採した後に、耕作地、住宅が進出し、クマの住処であった森が分断されている。
5. 教育の必要性
(1) クマにあったときの対処
(2) クマを餌付けしない
(3) 生ゴミ、農業廃棄物の処理の仕方
6. クマ除けゴミ箱の設置を義務付けている地方はない。長野県内で設置しているのは軽井沢町だけ、しかも現在30個。
7. ブナの実の豊凶がクマの駆除頭数と綺麗に相関しているとの報告があった。
8. スェーデンでは絶滅に瀕したヒグマの頭数が回復している、しかしそれと共にオオカミの数も増えてきた。住民はヒグマは良いがオオカミは困る、と言っている。
9. 日本では多くのクマがイノシシ用の箱罠にかかって殺されている。このような捕獲間違いの統計はない。したがって誤捕獲されたクマの頭数はクマの殺害頭数には含まれていない。
10.熊の胆とクマの掌はクマ密猟の大きな原因となっている。その最大の輸入国は中国、日本、台湾である。クマの密猟をなくすにはこのようなものの取引を法律で禁止するべきだとの意見があるが、中国はその会合にも出席していないようだった。日本の熊の胆に対する需要は激減していると思われるが製薬工業会からの明確な回答はなかった。
11.ベアドッグ
軽井沢のNGOピッキオは昨年日本で始めて、人里にクマを近づけないためにフィンランド原産のカレリアンドッグを2頭アメリカから導入した。ベアドッグと呼んでいる。
人間による追い払いでは、クマの逃走速度は平均して1分間7.6m、しかもあまり人里から遠くには離れない。一方、ベアドッグによる追い払いでは、平均して1分間34.2mで、人の住まない山林に逃げ込む、という効果が確認され、中には放獣地点から16kmも離れたところまで逃げて、人里に戻ってこなかったクマもいたとのこと。今回その実物を初めて見た。

カレリア犬(上記ページから抜粋)
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カレリア犬(カレリアン・ベアドッグ)は、フィンランドとロシアの国境地帯にあるカレリア地方原産の犬です。およそ100年にわたって、ヒグマ猟に向くように改良されてきました。このため、勇敢で独立心が非常に強い犬です。繊細で人に対しては優しいのですが、他の犬に対して攻撃的な面もあるため、一般家庭のペットにはなりえません。
「ベアドッグ」の誕生
北米でキャリー・ハント(Carrie Hunt)氏はカレリア犬の性質に注目し、ベアドッグ(クマ対策犬)チームを結成しました。
多くの猟犬は獲物に襲いかかるという習性をもつのに対して、カレリア犬は主人が来るまでクマを一ヶ所に留めておくというスタイルをもっています。この点が人・犬・クマの安全を求める対策の方針に合致したのです。
ペットには向かないカレリア犬
カレリア犬の本来の仕事は、飼い主から離れて獲物を探すことです。このため、主従関係を結びづらく、「来い」の意味を理解させるだけでも相当な時間を要します。しかも、よく吠える犬で運動量も多いため、一ヶ所につないでおくことができず、しつけるのは非常に困難です。
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私が驚いたのはベアドッグは引き綱を付けてクマを追うことだ。そこで人はイヌについて一緒に走らなければならない。ということはクマと一緒に走ることになり、非常に体力がいる。

綱を放すとイヌは何処までもクマを追って戻ってこないとか。まだ、人間の呼び声で戻ってくることができないのだろう。これが改良できるかどうかがベアドッグの将来を決めると思われる。逆にこれさえできれば、クマ対策、ひいては野生獣による被害対策の決め手になる可能性がある。サル、シカ、イノシシに
応用できると思われる。
ニホンザルの群れに偶然出会った。90ないし100頭からなる大きな群れ。親子連れもいる。国道を横断している電線の上を器用に綱渡りしている個体もいた。

コメント
こんにちは。小生の師匠は熊観察を18年間続けています。
http://www.yokotaworld.com/。師匠も会議に参加しました。
Posted by 熊大好き at 2006年10月21日 06:27
横田さんですか?会議でお目にかかりました。実はツキノワノ会のクマ観察会で何回かお目にかかりました。昨年はクマが小鹿を襲って食べる所をご一緒に観察いたしました。
Posted by 原 亨 at 2006年10月27日 17:09
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