石油枯渇後の世界

石油がなくなり、石油に代わる代替エネルギーが開発されなかったらどのような世界になるだろうか?ちょっと頭の体操をしてみよう。

1.ジェット機はなんらかの燃料によって飛び続けるだろうがその価格は高騰するだろう。一般の人が現在のように気楽に外国の観光旅行に出かけることはできなくなるのではないか。
ということは一般の人は再び蛸壺に戻り、世界を認識できなくなることを意味する。文化の違いを認め、その価値を受け入れることはなくなるだろう。一つの国の文化を絶対的なものと考え、偏狭なナショナリズム、愛国心が復活することだろう。

一部の国で理不尽な政治が行われても現在のように国際社会の批判を浴びることは減るのではないか。少なくとも一部の世界を理解している人たちが批判しても一般大衆の賛同は得にくくなると思われる。

2.世界が消失すると言うことは、現在でも機能不全が疑われる国連がさらに存在意義を失うことになりかねない。UNESCO、UNICEF、WHO等の国際機関も同様である。国際的に批判を浴びがちだった独裁国家はほっと一安心するとともに、いままで民主国家だった国々から独裁国家に切り替わる国が出てくる可能性も否定できない。世界の評判を気にして、民主国家の体裁をとっていた国は、喜んで独裁体制をとることだろう。

3. 現在のトラック輸送は経済的に成り立たなくなる可能性がある。自家用車も一部の富裕層にのみ許される贅沢品に戻ることになる。一般の人々の行動圏は歩いていける範囲、自転車でいける範囲に限定される恐れがある。

4. ということは地産地消、近くで作られたものしか一般の人は入手し難くなるだろう。大げさに言えば昔の「鎖国状態」に戻りかねないということだ。少なくとも人々の住む世界が狭くなることは確かだ。

5. エネルギー価格は全ての物価水準を決定する。したがってエネルギーの価格が高騰すれば、すべての物価が高騰する筈である。結果として一般の人たちの生活水準は下落する。
また、輸入食料の価格が上がれば、これを買えない人も出てくるだろう。
特に農業は壊滅的な打撃を受ける恐れがある。大型農業機械を使った大規模農業は成り立たなくなるかもしれない。アメリカの大規模農業が成立しなくなれば日本のような食料輸入国は食糧難になる恐れがある。日本の農業も小規模ではあっても石油に全面的に頼っているので現在の兼業農家は立ち行かなくなるだろう。
日本で餓死者が出ることは想定し辛いが、こうなると考えられることである。特に高齢者の死亡率は上がり、平均寿命は下がると思われる。

6. このような世の中では、暴力が昔の地位を取り戻すのではないか?無理が通れば道理が引っ込む時代が再び来る。
筋肉の強さが再び価値を持ち、家庭内暴力が増えて、当たり前になる。或いは暴力団が表の世界に出てきて、庶民の人気を集めるようになるかもしれない。女性の権利は再び無視される可能性が高い。

7. この世界で電気をどうやって起こすかが、生活水準の下落をどの程度に留められるかを決めるだろう。
水力発電は生き残るだろう。良い代替エネルギーが生まれていれば火力発電も生き残れるかもしれない。原子力発電はどうだろうか?もし原子力発電のエネルギー収支がマイナスならば生き残れない可能性がある。しかし、電気代の高騰は避けられないだろう。代替エネルギーの開発がうまく行けば、電車は生き残れるかもしれない。そうすると先に私が予測した国内交通は多少改善される可能性がある。

8.電気が起こせれば、通信(電話・インターネット)が生き残れる可能性が生まれる。これが残れば人々の世界は少し広がる。しかし、人は情報だけで生きていけるわけではない。