2010年から2020年に何が起るか
海洋熱塩循環の崩壊
約60年続いた温暖化の後、2010年には海洋熱塩循環の崩壊が始まり、メキシコ湾流が作っていたヨーロッパの温暖な気候は失われる。循環のパターンが変わることによって、直ちに北ヨーロッパとアメリカ東北部の気候が変わる。それは大量の温かい水が北大西洋に来なくなるためであって、ヨーロッパと北半球の多くの地域が寒冷化するとともに降雨量が減る。
海洋熱塩循環の劇的な変化が予想されているが現在の米国の対応は不十分である。
2010~2020年の気候
・ ヨーロッパと北アメリカの穀倉地帯及び人口密集地帯で旱魃が続く。
・ アジアと北アメリカでは平均気温が毎年2.8℃下がり続ける。ヨーロッパでは3.4℃。
・ オーストラリア、南アメリカ、アフリカ南部では2.2℃上がる。
・ 冬の嵐が強まる。西ヨーロッパと北太平洋では強い西風が吹く。
北アメリカとアジア北部の内陸部での気候は更に厳しくなる。
2010年には中国南部とヨーロッパ北部とで10年以上続く大規模な旱魃が起る。同時に従来は比較的乾燥していた地域が何年間も大雨に襲われ、畑作が壊滅する。
北大西洋地域と北アジアの冬が寒冷化することは明らかだ。山に雪が積もるので夏も寒くなる。地域により風速が強くなる。
海洋熱塩循環が崩壊後の5年間はヨーロッパ北部の受ける打撃が大きい。その後、ヨーロッパ南部、北アメリカが被害を受ける。農業は特に大きな被害を受ける。強風と旱魃により土壌も失われる。2020年頃のヨーロッパの気候はシベリアに似てくる。
南半球の場合
南半球で何が起るかは、参照できる古気象学のデータが足りないので良くは分からない。
北半球が寒冷化するのとは逆に、気温、降雨量が上がり、嵐が増えるだろう。
元の報告書より転載。
ヨーロッパ:気候変動の被害が最も大きい。特に北西の海岸部ではシベリアのようになる。ヨーロッパ南部でも気候は変わるが被害は比較的少ない。降雨量の減少によりヨーロッパ全体で食料が不足する。ヨーロッパは北欧とアフリカからの難民に悩まされるだろう。
米国:米国北東部での農作物の収穫量が減る。南西部では温暖な季節は長くなるが旱魃と強風による土壌喪失が起る。
海岸地域は海面上昇が続くので温暖期と同じ危険がある。米国は内向きにならざるを得ない。
中国:台風による降雨が不安定になるので食糧供給に問題が出る。冬はより長く夏はより暑くなる。広い範囲で飢饉が起り、内乱が起る。同時にロシアや西欧のエネルギー資源を欲しがる。
バングラデシュ:台風と海面上昇で大部分の地域が居住不能になる。飲用水も海水に汚染され、難民が中国とインドに向かう。
東アフリカ:ケニア、タンザニア、モザンビークは旱魃になる。食糧供給は困難になる。
オーストラリア:被害は少ないと思われるが確実ではない。
自然資源への影響
上記の気候変動は農業、漁業、野生生物、水、エネルギーに影響する。穀物の収量は、低温、水不足、生育可能期間の短縮により10-25%減少する。従来の害虫が死に絶えても新しい害虫が生まれ、新しい殺虫剤と駆除法が必要になる。漁民は魚群の移動に対応できていないだろう。
世界の主要な穀物生産地(アメリカ、オーストラリア、アルゼンチン、ロシア、中国、インド)は、気候変動による減産を相殺する余裕はないだろう。
シベリア
出典
国防との関連
人類文明は地球の温暖化、気候の安定化と共に生まれた。気候が寒冷化して不安定になれば農業の発展も永続的な住居も望めない。ヤンガードライアス期が終って初めて人類は発展を始めることができた。近代人はここで描いたような気候変動を経験していない。したがってこのような寒冷化が国防に対してどのような意味を持つかも明らかではない。
おそらく、現在国家の安全を脅かすと思われている事柄は突然の気候変動によって新たに起る脅威とは異なるものだろう。イデオロギー、宗教、国家の威信と言ったものよりも、エネルギー、食料、水といった資源に対する絶望的な欲求が軍事的紛争の原因となるだろう。危険な国、危険な兆候が共に変わるだろう。疑いないことは世界の紛争が増えるということだ。
突然の気候変動が引き起こす国防上の問題は次の3つであろう。
1. 食糧不足
2. 飲料水の不足
3. 鉱物資源の不足
始めは条約や貿易規制のようなことが行われるだろうが、土地や水の問題は次第に暴力的になり、紛争国が絶望的になるにつれて争いは激しくなるだろう。
映画「The Day After Tomorrow」より
出典
映画「The Day After Tomorrow」より
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(つづく)
