少し前まで、よく「子ガメの放流会」が行われていました。子ガメが孵化して地上に這い上がってくるのは夜なのですが、これを大人が拾い集めておいて、翌日の昼間に子供たちを集めて海に放させるというものでした。子供を自然になじませるには良い企画だったのでしょうが、これがウミガメ研究者から批判を受けました。
その内容に触れる前に、自然な孵化を見てみましょう。いずれも筆者が撮影しました。

卵から孵って這い出してきた子ガメ

波打ち際に辿りついた子ガメ達
2枚目の写真では海はもう暗くなっています。つまり、子ガメは本来夜海に入るのです。それには色々理由があるのですが、孵化したばかりの子ガメは鳥や魚の絶好の餌なので、夜の方がこのような連中に見つけられることが少ないと言うのが一つ。
そして、子ガメは海に入ると一目散に沖を目指して泳ぎ去るのですが、これは少しでも陸地から遠ざかって捕食者に見つからないようにするためです。そしてそのために子ガメは孵化後24時間は運動が非常に活発になり、その後は活動量が落ちるようになっています。
一方、子供に見せるための放流会は当然昼間に行われます。そうすると、捕食者にも見つかりやすくなりますし、24時間の活動期が終ってしまっていますから沖合いに出るのが遅くなります。つまり折角放流しても直ぐに食べられてしまう可能性が高いのです。

放流会は昼間に行われます
出典:浦島太郎ら子ガメ放流

これも昼間です
出典:海開き子ガメ放流
しかし、子ガメを良く見てください。先ほどの私が撮った写真の子ガメよりも随分成長しています。一つの写真は5~2歳の子ガメ、もう一つの写真は5ヶ月の子ガメを放流しているのだそうです。研究者の意見を聞いて、放流のあり方を変えてくれているのならばありがたいことですね。これなら放流された子ガメたちも無事育つ可能性が高いでしょう。
