1. 森林の伐採
ロシア、中国、インド、東南アジア、人の住むところではどこでも、開発と言う名の下に森林の伐採が進んでいる。トラは森林に住んでいるので、森林がなくなれば住むところがなくなる。更に、シカ・イノシシなどの餌動物が減るのでトラが餌を見つけることが難しくなる。スマトラ島では森を伐採してゴムやアブラヤシのプランテーションにされ、シベリアでは材木として輸出されている。インドでは燃料の薪を取るためにトラの保護区に村人が入ったり、トラの住む森に家畜を入れて草を食べさせたりしている。
森林が伐採された後には、植林されることもあるが、多くの場合は畑として農作物が作られたり、牧草を植えて放牧地にされたり、家を建てて人が住んだりすることが多い。これはトラとしてみれば、自分の縄張りに人間が勝手に侵入してきたことを意味する。当然自分の縄張りを守るために放牧されている家畜を食べたり、侵入してきた人間を襲ったりする。そして人間はその復讐としてトラを殺す。
シカの禁漁期間にも人間が密猟でシカを殺すので、トラの餌が不足する。
2. 狩猟
トラ狩りは19世紀のイギリス人上流階級にとっては良い娯楽であった。彼らは競争でトラを狩り、競い合った。これを彼らはスポーツハンティングと称した。一方彼らを批判的に見る人たちは彼らをトロフィーハンターと呼んだ。獲物よりもトラ狩り競技会の優勝杯(トロフィー)が重んじられたからである。
また、装飾用にトラの毛皮が珍重された時代もあった。中国ではトラの骨が漢方薬として使われているのでそのためにもトラは殺されてきた。
3. 密漁
トラは1975年にワシントン条約の付属書1に載り、国際取引が禁止された。アムールトラの国際取引禁止はそれより遅れて1985年に行われた。
それ以来、トラの密猟、密輸が盛んに行われるようになった。トラの骨を使った漢方薬の主な消費地は中国、韓国、北朝鮮、日本、各国の中国人、韓国人、などである。日本でトラを原料とする製品の販売が禁止されたのは遅く、2000年4月に初めて禁止された。しかし現在でも店頭に並べている店があると言われている。
4. 生息地の分断
森が伐採され、人間の生息地が広がることによって、トラの生息地は縮小するとともに、細かく分断されてしまい、トラ同士が交流できなくなってしまった。これは近親交配を促すことになり遺伝的に退化することとなる。
以上のような理由で強い筈のトラも数が減ってきているのだ。
