トラの生態

1. ライオンと比べて長めの身体、短い首、吻(ふん=口先)がやや短い、がっちりした頭、やや長い尾。身体にはご存知の派手な縞模様。

2. トラは一般に単独生活で、発情期、育児期以外は一頭で生活します。このことは恐らくトラが高い狩猟能力を持っていることを物語るのでしょう。ライオンやオオカミのように群れで狩をすることは普通はありません。

地上性ですがしばしば木に登り、ネコ科動物には珍しく水に入るのが好きで、泳ぎも達者です。長距離を泳いで獲物を獲ることもあると言われています。しかし、長距離を走ることは苦手です。獲物を見つけると物陰に隠れて獲物に20メートル近くまで忍び寄って、機会を見て背後から飛び掛り一気に倒します。(ネコと同じですね)発達した前足と肩の筋肉、鋭い鉤爪を使って獲物をしっかりと押さえ込みます。森林ではトラの縞模様が絶好のカモフラージュになるのだそうです。

オスとメスは両方とも縄張りを持ちますが、メスの縄張りはオスに比べると小さく、獲物となる生物の量が多いところを中心に比較的狭い範囲で行動します。オスの行動圏はメスの3~4倍以上で、しばしば複数のメスの行動圏と重なる行動圏を持ちます。

3. トラは、獲物が来るのを待ち伏せするよりも、積極的に探し回ることの方が多いと言われています。色々な動物を食べます。シカ類、イノシシ類を中心に野生のウシ類やクマ類を獲物にすることもあります。最近は人間がトラの生息域に侵入してきていますので家畜を殺して食べることも増えてきました。

獲物が小型・中型の動物(ハヌマンラングール(サル類)やイノシシ類など)の場合、多くは首筋を噛み、脊椎を噛み切ります。大型の動物(ガウル(野生のウシ類)など)の場合は下側から喉を噛み、気管をくわえて締め付け、窒息させます。インドのカーナトラ保護区では12回の狩で成功したのは1回だけだったと報告されています。

ゾウやサイの幼獣を捕食することもあり、同じ食肉目のヒョウも捕食した報告があります。

メス1頭で8日に1回大型動物の狩に成功すれば足りると言われています。大型動物を捕まえると獲物の周辺に留まり、骨と皮になるまで時間をかけて食べ続けます。

4. 交尾期はインドネシアなどの熱帯地方では一年中、インドでは雨期明けが交尾期で、多くは2月~5月に繁殖します。シベリアなどの北方では11月から4月。発情している2日ほどの間に100回以上交尾するそうです。妊娠期間は100~108日、1回に2~3頭の仔を産み、授乳期間は3~6ヶ月、仔は体重約1キロ、生後4~8週間で母親について歩けるようになり、1年半から2年間母親と行動を共にした後、次第に独立します。父親は子育てを手伝いません。母トラだけで育てます。トラは子供を大変大事に育てることが知られており、そこから「虎の子」と言う言葉が生まれたのだそうです。

飼育下では26年間生きた記録があるそうですが、野生では20年以上生きるものは少ないと言われています。仔の半数は生後2年までに死亡します。オスによる仔殺しが多いのはライオンと同じです。

メストラは平均15歳までに5回出産して、成獣になるまで生き残る仔は10頭くらいだろうと言われています。