1.人工孵化
愛知県御前崎では、砂浜に激しい侵食が見られます。また、侵食を防ぐ目的で設けられた離岸堤は、周辺から砂を寄せてしまい、周辺の砂浜の侵食を招いています。これでは折角ウミガメが産卵しても無事孵化できるか危ぶまれますので、産卵された卵を全て集めて孵化器で孵化させた後、海に返しています。
ウミガメの卵は孵化時の温度によって雌雄が決まります。大体29℃を境にそれ以上だとメス、 それ以下だとオスになります。ですから人工で孵化する時には温度管理に気を付けないと雌雄のバランスが崩れてしまいます。昔この知識がないままにウミガメの人工孵化を行って雌雄のバランスが崩れ、保護しようとしたウミガメに壊滅的な打撃を与えてしまった国が東南アジアにあります。御前崎ではそのようなことがないように充分慎重な温度管理がされていることと思います。
また、浜辺に埋められる卵の位置、深さ、海からの距離、天候、海岸に生えている植物など色々な条件が複雑に作用し合っていますので、卵の数を確認する調査でも、卵の上下、埋まっていた順番、埋まっていた深さなどを掘り返す前の通りに埋め戻します。もちろん埋め戻すのは母ガメが産卵した元の場所です。
2.産卵環境の保全
産卵するために上陸してきたウミガメは人工的な照明によって方向を見失ってしまいます。そこで花火やキャンプなどを制限し夜間の静寂な環境を保全したり、砂浜の照明を制限したり、車両の乗り入れを規制したりすることが必要です。しかし現実には特に砂浜の照明が防犯との絡みで制限しにくいようです。
3.交尾期のオスガメ
危険だから近寄らないようにと言われました。ウミガメは目があまり良くないようで、交尾期のオスは近くに適当な大きさのものがあれば何にでも抱きついてしまうのだそうです。このようなウミガメに抱きつかれて溺れ死んだ海女さんがいたとか。昔、川から畳が流れてきたらそれに抱きついて放さなかったカメがいたそうで、その習性を利用したウミガメ漁があったそうです。
4.プラスティックの袋
よく海草と間違えてウミガメが食べると言われていますが、研究者によると余程沢山一時に食べない限りそれほどの害はない、と言っていました。
5.混獲
それより被害の大きいのが魚網にかかって死んでしまう被害です。
ウミガメは空気呼吸ですから魚網に入ってしまうと呼吸ができずに死んでしまいます。ウミガメが迷い込んでも出られるようなウミガメ用非常口を付けた魚網も開発され、使用を強制している国もあるようですが日本ではまだ義務付けられていません。
6.屋久島
屋久島は日本最大のアカウミガメの産卵地だと言われています。現地ではボランティアの保護活動も行われています。お時間と興味があれば参加されては如何でしょう。
7.アースウォッチ
私が奄美諸島でウミガメの調査のお手伝いをしたのは、アースウォッチ・ジャパンの国内プロジェクトに参加したからです。
アースウォッチは本部がアメリカにあり、世界各国の野外調査をボランティアとしてお手伝いすることができます。
奄美諸島のウミガメ調査は国内プロジェクトの一つで、国内プロジェクトはこの他にも色々企画されています。
