クマとの共生

校庭に コグマ現れ射殺さる ただ柿の実が 食べたかったのに (詠み人知らず)

2・3年前の新聞投書欄で見かけた忘れられない歌である。児童の目の前でコグマを射殺することがどのような教育効果を持つのか、疑問に思う人も多いだろう。同じような思いの人たちが、クマと人が平和に生きる方法を模索している。

1. ドングリを集める。

ブナが不作で餌が足りないためにクマが山を降りてくるならば、山にドングリを持って行ってやればいいじゃないか、というごく自然な発想から、関西の団体が都会でドングリを集めてクマの住む山に置いてくる運動を始めた。

しかしこの方法は各方面から批判を浴び、評判はあまり良くなかった。いろいろな批判があったが(その一部は熊森協会のホームページに載っている)、私が気になるのは都会のどこの木かも分からないドングリを勝手に山に蒔いて大丈夫かと言う心配だ。一説ではドングリは乾燥に弱く、乾くと発芽能力を失うそうなので案外大丈夫なのかもしれない。熊森協会でもこの運動続けているように見える(中止したとも続けるともホームページには書いていない)。

2. クマの畑を作る

「クマの畑」をつくりました―素人、クマ問題に挑戦中 (単行本) 板垣 悟著

「ツキノワグマと棲処の森を守る会」(会長:板垣 悟氏)は8年以上前から蔵王山ろくの休耕地で、デントコーンを作り、そこで里に降りるクマを食い止める「クマの畑」とした。当然「これは餌付けだ」という批判がある。気持ちは分かるがそこまでやるか、といったところか。

3. 奥山放獣

人里に出てきたクマを捕らえ、殺さずにトウガラシなどでお仕置きをして、「人は怖い」と覚えさせ、奥山に放す、広島で米田一彦氏が始めた。なお、同会ではカキもぎ隊(主要被害地町村でボランテアー参加により利用されないカキの実をもぐ)、トタン板巻き隊(カキ、クリの木にクマが登れなくするため樹幹にトタン板を巻く)などの活動も行っている。

奥山放獣の問題点は適当な放獣先が、同一市町村内に存在せず、広域な協力が必要になるにも拘らず、縦割り行政のために地域エゴイズムから、受け入れを拒否されることがあることだろう。国としての施策が必要とされているのだが動きは鈍いようだ。