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ホタルを殺した護岸工事

原 亨

ゲンジボタルが生きていける条件をまとめてみると以下のようになる。

1. 成虫
飛ぶ空間がある。
風当たりが弱い。
人工照明がない。
木陰で休息できる。

2. 卵
水際にコケが生えている。

3. 幼虫
水質が安定している。
酸素が水中に沢山溶け込んでいる。
農薬や家庭排水が混じっていない。
瀬や縁のある多様な河川である。
水系全体が長期間安定している。
カワニナが沢山住んでいる。
カワニナの餌(珪藻、植物の葉、野菜クズなど)が沢山ある。

4.さなぎ
中州や岸がある。
土がありしかも土質がさなぎに適して柔らかい。
岸辺が長期間安定している。

これらの条件のどれか一つでも欠けるとホタルは生きていけなくなる。ところが行政が従来進めてきた河川改修は、これらの条件を真っ向から否定するものだった。もちろん、行政が河川改修を行ったのは、ホタルを滅ぼすためではなく、降った雨をなるべく早く海に流して、洪水を防ぐ・治水のためだった。

そのために、川の両岸と河床をコンクリートで覆う、いわゆる三面張りをし、蛇行している川道を直線化してきた。さらに、その上に蓋をしたところも特に都会では多い。

これが全てホタルの生存を不可能にした。ホタルだけではない。ミズスマシ、ゲンゴロウ、アメンボウ、タガメ、タニシ、等の身近にいた生き物は全て姿を消した。トンボ、ヤンマさえ見かけるのはまれになった。

三面コンクリート張りの川もうこれはドブであって川とはいえない

三面コンクリート張りの川ドブ、生き物は生きていけない。生きられるのはイトミミズくらい。

しかし、最近は市民の環境重視の考えを無視できなくなったことと、最近の都市での浸水事故多発によって、国土省側にも若干方針変更の兆しが見えてきているのは喜ばしい。自然を壊す土木工事で儲けた業者が、今度は自然復元の工事でまた儲けることに若干の違和感を持つ向きもあるが、良い方向であると素直に評価してもよいのではないか。しかし、なにしろ俄か勉強で自然復元を行うので見当違いなことをやりかねない。市民の厳しい監視が必要だと思う。

また、護岸工事の他に水が排水その他によって汚染されたこともホタルの死滅につながったことは言うまでも無い。

この稿を書くに当たって、
ホタル百科事典を参考にした。ここに記して感謝の意を表する。

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