第二巻 第一章
国境に着くと二人は神々に祈り、抱き合った後、別れを告げた。父は戻りキュロスはキュアクサレスのもとへ急いだ。彼は叔父の所へ着くと抱擁し、それから敵や見方の兵力などについて話し合い、作戦を練った。
| 騎兵 | 戦車 | ||
| リュディア王クロイソス | 1万 | 軽装歩兵+弓兵4万以上 | |
| 大プリュギアのアルタカマス | 8千 | 軽装歩兵+槍兵4万以上 | |
| カッパドキア王アリバイオス | 6千 | 軽装歩兵+弓兵3万以上 | |
| アラビア王アラグドス | 約1万 | 投石兵 | 100台 |
| 小プリギュアのハイドス | 6千 | 軽装歩兵約1万 | |
| アッシリア | 2万以上 | 200台以上 | |
| メディア兵 | 1万以上 | 軽装歩兵+弓兵6万以上 | |
| アルメニア兵 | 4千 | 軽装歩兵2万 | |
| ペルシア兵 | 1千 | 軽装歩兵1万+弓兵1万+槍兵1万 |
キュアクサレスがキュロスの意見に同意し、ペルシア兵達の為に武具を用意し終えた頃、軍がメディアに到着した。キュロスは貴族達に「兵士達には、我らと同じ接近戦用の武具を与える。我らの仕事は、自らの勇敢さを示し彼らを勇気付けることだ」と言った。皆は喜び、うち1人が「それならば、兵士達が武具を受け取る時に、殿下がお言葉を述べられますよう」と助言した。
キュロスは兵を集め、武具を中央に置き、演説で彼らを勇気付けた。全ての者は傭兵用の弓や槍を選ばず、貴族と同じ苦労と報いを求め、自ら接近戦用の武具を受取った。
それから、キュロスは部下の必需品を用意し、剣・盾・胸鎧で戦う軍事訓練を行った。勇敢・義務・名誉について布告し、優秀で皆から尊敬される者が長になれ、長たちの内で自分の班や隊を最強にした者が昇進するようにした。又、最も指揮官の信頼を得、最も命じた訓練を行う隊には勝利の賞を与えた。
キュロスは中隊長の数だけ天幕を用意し、各中隊をそこで生活させ、互いに名誉心が育つよう配慮した。共にする苦労は互いを好意的にし、鍛錬の自覚は兵を勇敢にした。部署認識力を高めさせ、混乱時においても素早く正常に戻る事が出来るようにした。キュロスは、狩猟、遊び、仕事等で汗をかく手本を見せ、そうせずに戻った兵には食を取らせなかった。
また彼は、自分の天幕に兵達を招待し、自分の望んだ事をした者に名誉を与えた。招待を受けた者はキュロスと同じ正餐を食し、軍隊の召使にも、伝令や使者達と同様にした。
第二巻 第二章
キュロスは食事をする時、勇敢な行為を仕向ける会話と、快適さを心がけた。様々な笑い話が提供されて、笑いを嫌う厳格なアグライタダスですら、皆の会話で曇っていた顔が晴れやかなものに戻された。また、クリュサンタスが褒賞について述べたので、この件を皆で話し合う事が決められた。すると中隊長の1人が、苦労を避けて分け前を多く貰おうとする兵がいる事を述べたので、そのような無気力で怠惰な者達を隊から除外し、その分、優れた人を補充する。という事が皆の同意で決定した。
第二巻 第三章
三度目の献酒と祈りの後、彼らは宴を終えた。翌日キュロスは全兵士を集め、褒賞について議論し、各々が業績に応じて評価される事、キュロスがその判定者である事が決められた。
キュロスは以前、ある中隊全員を食事に招いた事があった。その中隊長は、楽しみながら戦闘訓練ができる遊びを考案し、また、その兵士達の服従も素晴らしいものだったからである。翌日にはその遊びが多くの者に広がり、皆は暇さえあればそれをして楽しんだ。
また、他の中隊長は食事につく時、小隊長や分隊長が先頭に来るように1列、2列、4列、1列と縦隊を組み替えながら天幕に移動することをした。キュロスは彼に感嘆し、彼の中隊全員を食事に招いた。そのとき同席していた別の中隊長が「自分の中隊も同じ事をしている。さらに、天幕から出るときは退却訓練を、そして行進練習場では私が先頭にいても最後尾にいても彼らが私の指揮を受けるのに慣れるよう訓練している」と言ったので、キュロスは彼らを2日間食事に招待した。以後、全中隊は彼らの訓練を真似するようになった。
第二巻 第四章
キュロスが武装した全兵士を閲兵している時、キュアクサレスからの使者が来た。「インド使節団が到着しているから早く来てほしい。それから、王様が用意したこの美しい衣装姿で現れるように」との事。キュロスはそのまま軍を率いて、叔父のもとに馳せ参じた。
ペルシア風の服でキュロスが現れたのを見た叔父は、彼に壮麗姿でない事について文句を言ったが、彼の返答に納得し、そのままインド使節団を呼び入れた。
インドの使者達は「メディアとアッシリアの戦の理由を王様の命令により聞きに来た。王様は不正を受けている方に味方する」と言った。叔父が「何の不正もしていない」と返事すると、彼らはアッシリアへ出発した。
それからキュロスは叔父に、以前同盟国であったアルメニアを友好的に帰属させる事を提案し、叔父から騎兵を借り受け、メディアとアルメニアの国堺で作戦通り2日間狩猟を行った。叔父はアッシリアに面する城砦を堅固にした後、キュロスと約11km離れた所に待機した。キュロスは狩猟を終え、食後、皆を集めて命令を出した。
夜が明けるとキュロスは、アルメニア王に「早く貢税と軍隊を送るように」と使者を送った。
