名将たちの教育論(第六回)

第1章 軍人たちの教育システム

第3節 「武士らしく」の教育


世界の軍人には、それぞれ祖国の風格を備えている。イギリス人は“海賊的”であり、フランス人は“芸術的”であり、ドイツ人は“規律的”である。ロシア人が通れば重い足音が聞こえる。
 このように民族にはカラーがある。日本のカラーは「大和心」であり、軍人であれば「大和魂」である。
「敷島の大和心を人問わば、朝日に匂う山桜花」(本居宣長)
「かくすれば、かくなるものと知りながら、止むに止まれぬ大和魂」(吉田松陰)
 大和心の特色は、“もののあわれ”であって、高い真直ぐな心を持って正義を貫こうとする勇気であり、潔よさ、廉恥と思いやりの心(禮)であろう。このような心情は、国家の歴史によって育成されたものである。
 世界の国々は、その国の歴史の根源を非科学的な神話においている。なぜなら神話は科学的ではないが、基本的な歴史の真実を伝えるものを含んでいるからである。神話を否定すれば人間の歴史も現実の諸活動も否定することになる。例えば神話を否定すれば十字軍活動は意味をなさない。



名将たちの教育論(第七回)へ続く

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