名将たちの教育論(第七回)

第1章 軍人たちの教育システム

第3節 「武士らしく」の教育


 世界の神話は、初めに神ありきで神が天地を創造したとしている。ところが日本の神話は、初めに宇宙ありきそこから主神が現れて天地を創造し、八万の神々を従えて地上に日本国を創設した。そしてその天孫降臨の曾孫が紀元前660年に神武天皇として即位し、日本となった。だから外国の神話を根拠にした見方で日本国を論ずることは間違いである。人口学的に計算すれば、日本人はすべて天皇家の一族に連なっていることになる。したがって日本では神が人間になったり、人間が神になったりする。神とは日本人祖先であるから、日本人の人権は権力者から奪取したものではなく、祖先から自然に譲られ天賦の人権である。そしてそれは第一に、同じ家族としての「平等」である。ただし人間の条件を失えば、「非人(間)」となる。
 この国柄に育まれた大和魂が、仏教の禅の心と結び付いて「武士道」となった。
「武士道とは、死ぬことと見つけたり」
の言葉で有名な『葉隠』(山本常朝1716)も『武道初心集』(大道寺友山1639―1730)も武士とは一死を投げ打って公正を追求するものであると説いている。日本軍隊における教育の出発点はこの「武士らしさ」がスタートである。



名将たちの教育論(第八回)へ続く

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