第1章 軍人たちの教育システム
第6節 将校を育てる
(将校とは)
平時における軍人は豊な生活を得られると想像することは大間違いである。世界中の軍人は蓄財できない。日本の武士たちも生活はつつましいものであって、妻女は生活の糧を助けるために内職したものが多い。
“質実剛健”は武士や騎士の美徳である。
プロシャを西欧列強の座に登らせることに成功したフレデリック大王は1752年、「政治上の遺言」において
「将校を有事のために育成するには、平時において至当な評価を受けていることを楽しみ、それに見合った生活を可能とするだけでなく、名誉のために血を流すことに対する尊敬が必要である」
将校を養う糧は、財ではなく尊敬である。政治家はもちろん国民も将校に対する尊敬の念がなくてはならない。
「今日から一人前の男になるにあたって余は諸君が生涯を通して良い海軍将校であると同時に紳士であることを期待する」(任官する青年将校に対して、ネルソン提督)
ナポレオン戦争におけるナポレオンの戦略・戦術を研究したアントワーヌ・アンリ・ジョミニは名著「戦略提要」(1838年)において
「質実剛健のエートスは平時の生活で養われる。それは将校のラベルなのだ」
名将たちの教育論(第二十七回)へ続く

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