第2章 部隊の練成
第1節 規律の確立
部隊訓練の本質は、この第三番目の心と心を結び付けることである。その方法は規律の確立にほかならない。
軍律のない部隊は武装した暴徒であって、祖国にとって敵よりも危険な存在である。指導者は命令・指示に機敏に従うことをもって軍律だと感じ、多くの詳細な軍律を定めるべきだと考えるが、それは間違っている。軍律は少ないことが最良である。そして公平に処罰しなければならない。そうでなければ指揮官は嫌われる。人々は処罰の恐怖と同じように公正と博愛を望んでいる。厳正は親身を伴っていなければならない」(「随想禄」サックス仏元帥、1732年)
軍規の誕生は戦闘ドクトリン(得意技)からの要求である。軍隊の戦闘は個人の戦闘の積分ではない。得意技としてのチーム・プレーなのだ。だから戦闘陣形における“上下左右の協同連携”は絶対的な要求である。
軍律は、そのチーム・プレーの約束動作・行動のマニュアルを定めたものである。だからこの意味の軍律違反は許されない。もちろんマニュアルだから、その都度、プレーヤーはマニュアルを参考にして自分で判断しなければならない。もし、その決断がマニュアルの主旨に違反した場合の処遇の原則は処罰ではなく再度の強化訓練である。
名将たちの教育論(第三十四回)へ続く
