第2章 部隊の練成
第2節 団結心の培養
(「ドイツ国民に告ぐ」)
明治の日本では国家は「家」制度を国家結合の単位として「戸」籍を定めてきた。家とは祖先から孫子まで連なる血縁の歴史的家族集団である。一方では“郷村”で代表される日本の伝統的な「一揆(地縁的結合)」の思想が血縁的結合よりも優先した。この発想にもとづくインフォーマルな県人会や同窓会などが一つの社会関係として国家社会の秩序を支えてきたのである。フィヒテが暗示しているものは、日本の郷村のような血縁的結合と地縁的結合を合体させ、歴史を積重ねた国家像と政治システムであったように思える。
今日でも一部の大手企業などの組織でみられることであるが、戦前の大学はもちろん企業や官僚組織、軍隊においても県人会が盛んで、休日の夜は県人が集まって励ましあい、胸襟を開いて国家を論じたものである。
日本は伝統的戸籍法がないアメリカの国家概念とはまったく違うのである。日本という国柄は国民個人の人権と国家権力の契約で成立しているのではない。日本はアメリカのように国籍で国家と個人が結ばれているのではなく、国家と家族と個人が戸籍と国籍で結合されている。
名将たちの教育論(第四十回)へ続く
求む(平成19年12月23日迄に投稿)
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