おわりに
本質論が議論できないような教育は教育ではないだろう。有能な学生は海外の現実を学ぶことから、日本の発展に寄与するのである。
「余は“良い指揮をするためには、如何に服従するかを知らねばならない”という格言を信じない。それは逆である。服従を要求する者は、優れた指揮を知らねばならない。なぜなら不服従には確固たる強い心がある証拠だ」(セント・ヘレナにて、ナポレオン、1817年)
「服従を求める者は指揮法を知らなければならない」(「政略論」マキャベリ、1517年)
この論法を利用してみれば、世界平和の理想を実現するためには、先ず日本が平和主義でなけばならないと考えるのは机上の空論である。それは逆である。世界が平和になるためには、平和を実現する方法を知らねばならない。なぜなら、世界に戦争が起こるのは確固たる理由と信念があるからだということになる。
海洋国家は大陸国家のように四周を隣接国家によって囲まれていない。海洋を経て広く海外の事情を知ることができる。青少年が海外に進出して世界を知ることは眞に平和を実現する方法を学ぶ基本的な方法なのである。
海洋国家の特性を教育しよう。そうすれば、日露戦争から今日までの日本の指導者のように「国家戦略」の立案に右往左往しなくなるだろう。
情報化時代では、マスコミは大きい洗脳感染力を持っている。だから個人は自分で深く思索する能力がないと、マスコミに騙される。
「敵意ある報道は1000の銃剣より恐ろしい。しかし報道は部隊を撃破できない」(「剣とペン」リデル・ハートがナポレオンの言葉を引用、1976年)
「報道者(マスコミ)は将兵の血を飲み、食糧を食っている。それ以外に何も役立たない」(「兵士のポケット・ブック」ウォレイリー元帥、1869年)
名将たちの教育論(第五十五回:最終回)へ続く
