「高級リゾート地で見た悪夢 地獄のドバイ」出版記念 -地獄の拘置所編-

「高級リゾート地で見た悪夢 地獄のドバイ(峯山政宏著)」出版記念

 4月25日に連山コラムニストとして、執筆していた峯山政宏さんが、「高級リゾート地で見た悪夢 地獄のドバイ(彩図社)」というタイトルで文庫本を発売されました。連山ではその発売を記念して、著者の峯山さんに緊急インタビューを行うことになりました。全12回で読者の皆様にお伝えする予定ですので、乞うご期待ください。

砂漠の拘置所ってどんな感じだったんですか?

アブダビ中央拘置所もその名の通り、「拘置所」ですから、日本の拘置所とそんなには変わらないと思いますよ。日本の拘置所にお世話になったわけではないので両者を比べることはできないんですが(笑)

拘置所の生活というのは、刑務所のように何か日課があるわけではないんです。なので、基本的には「寝る」「食べる」「話す」という3つしかやることがなくて死ぬほど暇なんですが、この3つの時間配分は、だいたい70対10対20くらいになるんだと思います。基本的に拘置所にいるほとんどの時間は寝ているんですよ。

それで、囚人たちは10人グループくらいで、小部屋に分けられるということもなくて、300人くらいが1つの監獄に押し込められるわけです。しかも、その監獄はすっごい狭いので、みんなくの字になって寝るスペースを確保するのがやっとって感じだったんです。はっきりいって、これほど人権侵害の場所はいまだかつてお目にかかったことは一度もなかったのでものすごいショックを受けたんですが、独房の狭さよりもすごいことがこの拘置所生活の中にはたくさんありました。

まず見た目がもう地獄なんですよね!

この監獄に始めて足を踏み入れた時、とっさに僕の頭の中に浮かんだのは、マイケル・ウィンターボトム 、マット・ホワイトクロスの両監督によって製作された映画「The Road to Guantanamo(グアンタナモ、僕が見た真実)」でした。日本でも2007年に配給されたので、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか? だいたいこの牢獄の大多数を占めていたのが、ムシャラフ政権やブット元首相暗殺で有名なパキスタン人でして、雰囲気がまあ映画そのままなわけなんですよ。薄れた民族衣装を着て、やたら眼光するどいパキスタン人たちがいる牢獄に入れられたときは、ライオンの檻の中に閉じ込められた人間のような気分でして、まあかなり生きた心地はしませんでした。(笑)

それで、その後数々のドラマが起こるわけでして、これは出版された本に詳しく書かせて頂いたのでそれをご覧になって頂きたいのですが、なんとか自分の寝床だけは確保することができたわけなんです。それで、膨大な暇つぶしの時間を寝て過ごそうと思うんですが、床がコンクリなんで、冷たくて寝ようと思っても寝れないんですね。それで、寝れないから、ブランケットをくれてって刑務官に訴えようと思っても、刑務官は数時間に1度くらいしか、見回りに来てくれないわけです。

それで3時間くらい待って、「ブランケットをください!」と刑務官に主張してみたんですが、相手は英語がさっぱりわからず、アラビア語しか話せないので、コミュニケーションが全く悲しいことに取れないんですよ。それで寒いのを我慢して諦めるしかなかったんですが、その後、他の囚人がブランケットを分けてくれて、なんとかなったわけなんですが、言葉が通じないし、死ぬ程過密状態だし、しかも衛生状態がすごく悪いんです。おそらくアブダビ中央拘置所は、日本の拘置所の何倍も衛生状態が悪いんじゃないかと思います。

それで、面白いことに僕の横に寝床を確保していた中国人というのが、札付きのワルでして、イギリス、日本、アラブ首長国でパスポート偽造犯として逮捕されたというなかなか日常生活ではおみかけしないような人だったんです。それで、その人が言うには「私はイギリス、日本で拘置所に入れられた経験があるんだが、それらと比較しても、ここの拘置所は最悪なほど不衛生で、飯がまずい!、ここと比べたら日本の拘置所なんて天国のようだ」ということです。この拘置所がどれほど悲惨なものだったのかということは、そのパスポート偽造犯の中国人の発言からも察しがつきますよね。

次回に続く

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