地政学とはそもそも一体、何なのであろうか。まずはその定義から確認していきたい。
地政学とは、地理的な位置関係が国際関係に与える影響を研究する学問である。イギリス・ドイツ・アメリカ等で世界戦略に科学的指針と正当化を与えることを目的とした学問
地政学とは端的に言えば、大国の世界覇権のために拠り所となる学問である。 帝国の植民地主義政策も破綻して相当長い年月過ぎた。それにも関わらず、世界征服を目指す悪魔の学問を学校の必須科目にすべきだという主張は、憲法9条を改正すべきだという主張と同じくタブー視されるにちがいない。第二次世界大戦が終了して、日本国は戦争に関するあらゆるものに対して、見ざる、言わざる、聞かざるを決め込んでいた経緯もあり意図的に排斥されてきた。
一方、ロシアやアメリカなどの連合国では連綿として国際政治の中にその学問が応用されている。相手の戦略を知り、対策を講じなければ日本国家の国益は今後も損なわれていくしかないのだ。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。彼を知らずして己を知るは一勝一敗す。彼を知らずして己を知らずは戦えば必ず破れる」誰もが知っている有名な孫子の兵法の一節だ。日本人は敵も己も知らずに、国防の全てをアメリカに丸投げして言える。安倍内閣も教育バウチャー制度の導入云々の前に、暗記科目でしかない歴史教育を全 廃して、地政学を通じて世界の常識を教えるべきなのだ。それを教えるべき日本人教師がいないというのはかなり大打撃だが、文明開花の時のように優秀な外国人教師を招聘して一より国民教育をたたき直す他に方法はない
「教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくること」
安倍首相は、29日の所信表明演説で、明治の元勲を育てた地元長州の松下村塾を引き合いに出し、人づくりの重要性を強調した。しかし、総裁選で提唱しながら、演説から漏れたものがある。その一つが教育バウチャー制度だ。バウチャー(voucher)とは利用券、引換券の意味。教育を受ける側にこの券を配布、公私立を問わずに学校を選ばせ、学校は集まったバウチャーの分だけ公費を得る仕組みだ。米国の一部の州など、世界のいくつかの国で実施されている。(注 教育バウチャー制度について、私、峯山政宏と編集長永井俊哉の対談が近日中に掲載されますので併せてご覧ください。)
地政学と江田島孔明
江田島氏は現代社会における地政学の申し子である。様々な有名サイトでの引用回数は枚挙に暇がない。
江田島氏の投稿物が引用されているサイト(一部)
http://zeroempty000.blogspot.com/2006/10/geopolitical-analysis-of-world.html(ZEROより)
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu75.htm (株主日記より)
http://www11.plala.or.jp/jins/newsletter2005-6.files/senryaku.htm (日本国家戦略研究所より)
http://blog.mag2.com/m/log/0000013290/90510673(JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイルより)
その鬼神のような活躍ぶりは今更ながらお知らせする必要はない。決して表社会には登場しないが、影で社会を巧みに操作している日本版の「ロスチャイルド」という表現が正しいのかもしれない。そんな江田島氏であるが、地政学という学問にどのようして出会ったのだろうか? この疑問に対する回答は江田島氏を知る人間にとって最も興味深い点かもしれない。「イスラエルに旅行で行った時に地中海に夕日が沈むのを見て、これは本当に綺麗だなって思ったんです。そしてそれからなぜイスラエルという国ができたのだろうか。その建国を画策したイギリスの思惑は一体どこにあったのだろうかとそのようなことを考え始めたのです。」学生時代に積み上げた江田島氏の歴史や政治の教養がイスラエル訪問を切っ掛けにして一気に花開いたのである。立花隆の青春漂流の巻末に紹介される空海聖人にどこか似ている。世界標準で通用する発言力を有するようになった江田島氏の土台を形成しているのは学生時代に培った努力の蓄積である。本サイトをご覧の学生諸君も世界で通用する人間になりたければ、酒を飲む量を減らし、友達に誘われる合コンへの誘惑も断ち切り、本を開いて勉強することである。現状に満足せず、世界が抱える諸問題(人口爆発、地球温暖化問題、食料不足問題等)の解決に是非挑戦して頂きたい。その解決の突破口を地政学は提供してくれるはずだ。
遣唐使船に乗り込んだ空海は一介の無名の留学僧にすぎなかった。彼に注目するものは誰もいなかった。しかし、唐の地に入るや、空海はたちまち頭角をあらわす。十年余にわたる彼の修行時代の蓄積が一挙に吐き出されて、唐人から最高の知識人として遇されるにいたるのである。
ネットを支配するものが世界を制する
ランドパワーが土地の支配を重視するのに対して、シーパワーが重視するのは海であり、交易であり、物流であり、情報である。スレイマン1世時代のオスマントルコ帝国の領土である。1453年にビザンツ帝国を滅ぼして、この地域に協力な支配権を確立したオスマントルコ帝国は陸上の東西交易を独占し、その交易品に不当な関税がかけた。そのため新たな交易ルートを求める目下の課題になったヨーロッパは航海技術の急速な発展も相まって、海に乗り出して行くことになる。
[JP-TR/日本-トルコより]
中近東は世界のピボタルポイント(転換点)と、それを繋ぐフォールトライン(断層線)が存在し、シーパワーの観点から、最重要のチョークポイントが集中している地域ということになる。ここから、どういう結論が導かれるだろうか。それは、世界の支配者はピボタルポイントを支配するため、チョークポイント(注)を支配しようとするという法則があることだ。(注:政学上、陸上交通路や海上交通路において、「最も狭くなっている隘路」のこと)
ピボタルポイント(転換点)を支配するために、世界のチョークポイントであるスエズ運河やホルムズ海峡を支配しようとするシーパワー連合(イギリス、アメリカ)の戦略は現在でも変化することはない。大英帝国によるイスラエルの建国の意図はこの文脈で語られるものであり、イスラエル建国の理由がシオニズムの観点(注)でしか教えられない学校教育では社会人になって海外でビジネスを行うときに稚拙さを露呈して馬鹿にされるだけである。(注:シオニズムとは、イスラエルの地(パレスチナ)に故郷を再建しよう、あるいはユダヤ教、ユダヤ・イディッシュ・イスラエル文化の復興運動(ルネサンス)を興そうとするユダヤ人の近代的運動)
シーパワーの戦略がチョークポイントを押さえるということに代わりはないが、現代社会にはもう一つの海が存在する。それはインターネットである。インターネットの存在よって世界は180度変化している。情報というものが、国家の独占であった数十年前と比較すると、状況は一変している。江田島氏曰く、「主要メディアのみが個人の情報源であった時代から、国家が情報を独占できない時代にシフトしている。国家も会社も個人も同じレベルで情報を発信することができる。つまり優秀な一人の人間が世界に対して自分の意見を発信することができ、場合によっては世界を動かすことができる。考え方によっては大変お得な時代を生きているのである」
物流(物理学的なチョークポイントや金融などを含めて多義的なもの)とそれから得られる情報を支配して、世界覇権を画策するシーパワー連合。あくまでも今まではその主体は国家であった。しかし、江田島氏の発言から類推すると、ネット社会の移行に対して情報の発信レベルが国家から個人レベルに移行したということになると、情報の支配も国ではなく、個人に移行するということになる。これはまさに革命ではないのか。世界の覇権が国ではなく、特定の個人に委ねられるということになる。
「わたくしのメルマガは朝日新聞と同じくらいの影響力があるのではないか」
江田島氏の発行する難解でしかも長文のメルマガを購読している読者はなんと、7,000人以上にのぼるということだ。大新聞と言えども、その海外記事に目を通す購読者となると全体の数%にしかならない。しかもその中でその国際政治力学を読みとろうとするものはその中の数%にも及ばないに違いない。そう考え得ると江田島氏の上記の発言はあながち誇張というわけではないようである。江田島氏曰く「規制によって保護され、そのために本当のことは言えないような、マスメディアはこれから存在の理由をなくしていくであろう。インターネットは革命である。その存在意義をなくしたものは滅びさる以外に選択肢はない。」
織田信長の施行で有名な楽市・楽座は革命の一例として分かりやすいであろう。楽市・楽座とは既存の独占販売権、非課税権、不入権などの特権を持つ商工業者(市座、問屋など)を排除して、自由取引市場をつくるというものだ。このことから、領主の権限は促進と経済の活性化につながるので社会のメリットは図りしれない。また一方で、その一大変化により大打撃をうける既得権益層がいるのも事実である。
グーデンベルクの活版印刷も革命の一例としてわかりやすいかもしれない。活版印刷術が発明される前は書物は社会の特定階級にしか読まれることはなかった。しかし活版印刷が普及したことにより教会が独占していた聖書が個人の手にどんどん配布されるようになった。それに伴い教会の矛盾が露呈して、その権威が大きく失墜したために新教がおこったのである。
インターネットの普及に伴い、世界の覇権を担うものが国家から個人のレベルに移行しようとしている。この革命の本質を捉え、世界レベルで発言した勇者にのみ時代は微笑みかけるのである。(弟2部終了:対談シリーズ1:江田島孔明(3)地政学の余話について)

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