ロタ島の生活:ミネルヴァの梟は時代の黄昏とともに旅立つ(続編1)

JAL(日本航空)がサイパンからの事実上の撤退宣告をした昨年の7月29日より数えて、まもなく一年が経過しようとしています。JALのサイパンからの撤退がその後、北マリアナ連邦にどのような影響を与えているのでしょうか。

Airport income down 88%

AIRPORT net income decreased by 88 percent from October last year to June this year primarily due to the pullout of Japan Airlines from the commonwealth.Commonwealth Ports Authority comptroller George Palican said their net income dropped from $2.3 million to only $290,844.He said airport revenue also decreased by 16 percent, a $1.5 million reduction from the prior year, also because of JAL’s pullout.

[Airport income down 88% Marianas Variety July 18, 2006]

パッと見出しを読むだけなら少し信じられないような記事が2006年の7月16日(火)の一面に掲載されました。昨年の10月から今年の6月にかけて9ヶ月間で空港の純利益がJALの撤退を主な理由として驚く無かれ、88%も減少したしたのですよ。数字で換算すると$2.3 millionから$290,844に減少しているようです。

純利益の大幅な減少に影響を与えたものは石油高や従業員への退職金の支払などのコスト高と売上の減少です。どの空港の売上が具体的にJALの撤退により影響を受けているのか詳細に見てみることにしましょう。

Saipan’s airport generated only $7.4 million in nine months compared to the $9 million generated in the same period last fiscal year.Palican said this translates to an 18 percent decrease in Saipan airport’s total revenue. But Tinian and Rota airports marked an increase in revenue.Tinian posted a 13 percent increase, from $218,948 in FY 2005 to $247,442 this year, while Rota recorded an 8 percent increase, from $278,641 to $300,143.

[Airport income down 88% Marianas Variety July 18, 2006]
サイパン空港:$9 million→$7.4 million
テニアン空港:$218,948→ $247,442
ロタ空港:$278,641 → $300,143.

意外なことにサイパン空港以外のテニアン、ロタの両空港では売上が増加しているのでJAL撤退の煽りを受けたのはサイパン(サイパン空港を含むサイパン観光業)のみということになります。ロタはダイビング、テニアンはカジノの島として知られているので少ないながらも強い固定客がいることがわかります。

何といってもこの島で一番快適なホテルは香港系資本の「テニアン・ダイナスティ・ホテル&カジノ」である。1998年オープンしたテニアン島唯一の大型高級リゾートホテルで、その客室数は400室を誇る。ホテルのグレードは五つ星クラスと云う。客層は香港系資本のホテルと云うこともあり、主に中国からの観光客が多い。このホテルの特徴は何と言ってもは本格的なカジノ施設があり、ルーレットやバカラなどが24時間楽しめることである。

[ テニアン・ダイナスティ・ホテル&カジノ テニアン・サイパン・ロタ最新情報より]

彼らにとってはJALがなければノースウエストを使えばいいという話になりますが、JALグループの広告宣伝に”ノセラレて”サイパンに旅行のため訪れた人はサイパンでなくてもグアムでもハワイでもどこでもよく、この浮動観光客がJALの撤退によってごっそり抜けたためにサイパンだけに影響が及んでいるのだと考えれます。

それではJALがなければノースウエストを使ってでもサイパンに行きたいんだというようになるためにはどうすればよいのでしょうか。(その段階まで行くとJALも直行便を飛ばすようになると思いますが)私のようにショッピングには余り魅力を感じず、その土地の食事と遺跡周りに関心がある人間にはサイパンはとても退屈です。食事も日本で食べればよいものばかりあるし、遺跡などもすぐに見て回れるし海も特に綺麗な訳ではないからです。それでは日本や他の国にはないようなエンターテイメントはあるのかというとこれまた答えは"NO"となります。必然的な帰結として何が何でもサイパンに行きたいという情熱は生まれてきません。

社長の格言

真価が問われているサイパン島。本当に価値のある発見や想像物と言うのは苦しみの中でしか生まれないように思います。週末のフィッシングやBBQを控えて、21世紀に北マリアナ連邦が生き残るたための”産みの苦しみ”を味わなければいけない時期にこの国は差しかかっています。観光客がどうしてもサイパンに行きたいという情熱を持つためにはその観光誘致に向けてそれ以上の情熱をこの国の人が持たなければいけません。