ロタ島の生活:ミネルヴァの梟は時代の黄昏とともに旅立つ(続編4)

同地域の2大新聞紙であるMarianas VareityとSaipan Tribune紙は共に7月25日(火)の一面記事でJune arrivals down 10%, Japan arrivals down 26%として北マリアナ連邦への観光客の大幅な減少を報じています。

THE number of tourists that visited the CNMI in June dropped by more than 10 percent compared to the same period last year, according to the Marianas Visitors Authority.Arrivals from Japan, the CNMI’s primary market, declined for the ninth straight month — 26 percent in June.

マリアナ観光局によると6月にCNMI(北マリアナ連邦)を訪問した観光客の数は昨年度の同期間と比較すると10%以上、下落したそうです。日本からの訪問者は9ヶ月連続の減少で今年と昨年度を比較すると26パーセントの減少ということになります。どの国の観光客がどのような理由で増加したり減少したりしているのか両新聞紙を読み解きながら具体的な数字に迫ってみましょう。

<昨年度と本年度6月の北マリアナ連邦への訪問者推移(人)>
1.日本:30,469→22,403 (理由)昨年10月のJAL撤退のため

2.韓国:5,015→7,440 (理由)韓国のツアーリスト向けの様々なプロモーション活動の結果(コカコーラ社とタイアップしてネットプロモーションなど多数)

3.グアム:1,847→2,147(理由)先月行われたミクロネシアオリンピックのため

4.フィリピン:213→328

5.中国:2,419→2,612

6.台湾:273→29(理由)昨年11月に直行便が閉じられたため

7.香港:229→103(理由)昨年11月に直行便が閉じられたため

全体43,155→38,510 Saipan Tribune紙


フィリピンと中国からのCNMIへの訪問者のほとんどが観光客ではなくて出稼ぎ労働者です。空港収入は多少稼げるかもしれませんが観光客ではないのと母体数が余りに少ないのでこの国の観光産業復活のための主要要因とはならないでしょう。また台湾、香港からの観光客は母体が小さすぎる上に直行便が無くなってしまったのも絶望的です。グアムからの訪問者の増大はミクロネシアオリンピック開催のため一時的なものです。グアムにはないものがあれば別ですが、わざわざグアムより田舎のサイパンを何度も訪れたいとは余り考えないでしょう。


結論から言うとサイパン観光業の復活の主要要因になる国は日本と韓国しかありません。一時的には広告宣伝がうまくいっているので韓国からの観光客が増加していますが、一度訪れた観光客がまたこの国に来たいと思うほど、この国に魅力ある観光資源はありません。よって韓国からの観光客が数年にわたり増加すると言うことはまず無いと思います。


また日本からの観光客も今後大幅な増加というわけにはいきません。大幅に増加するにはもう一度JALかANAを説得して直行便を飛ばしてもらう必要がありますが、その価値が無いという結論の下に昨年度JALがサイパンから撤退したのですから可能性は限りなく低いと考えざるを得ません。


ここで私はCNMIを訪問する観光客の70%が日本人であり続けるという仮定の下にCNMI自治領主の目標である100万人観光客誘致のためには日本人単体でどのくらい人が毎月訪問しなければならないのか計算してみました。電卓を叩くと月の訪問客はおよそ58,000人。正確に計算してないのでわかりませんが、これはJALとANAがともに直行便を飛ばしてやっと達成するという数字だと思います。現状から推察すると現実はかなり厳しいように思います。(6月の日本からの訪問客は22,000程度ですから)


社長の格言


日本の主要航空会社2社が直通便を日本から飛ばさないことには北マリアナ連邦の100万人観光客誘致というのは現実性が全くありません。北マリアナ政府はこのの目標を達成するためにどのような絵を描いているのでしょうか。サイパンだ!に匹敵するマスコットをもう一つ作った程度ではそのような未来が訪れることはないと断言できます。