ロタ島(1) SIRENA

1. 序文

ロタの魅力とは一体何であろうか?

その回答は人によって千差万別あるはずだが、ロタに魅了され、この地に長く滞在することを決めた日本人ダイバーたちのロタへの感慨は一入(ひとしお)である違いない。彼らのロタへの想いはこれらからこの地をを訪問したいという方にとって、大きな道しるべとなるのではないだろうか。

なぜ彼らがこの地に魅了されたのであろうか?数週間という短い期間ではあるが、ロタに魅了されたダイバーたちのロタへの想いを通じて、このロタの魅力を一人でも多くの日本の方々に知っていただければというのが私の願いだ。




2. ダイビングショップ SIRENA


ロタでSIRENAのオーナーである林万記さんを知らない人はいない。林さんは1992年にロタにはじめて来島したときから実に15年もロタに在住し、ダイビング業務に従事されている。SIRENAが開業したのが1996年ということを考えると、現在ロタで営業している3つのダイビングショップの中ではもっとも古い。またその知名度は大変高く、リピーターの顧客の方も大変多い。今回の突然の取材依頼にも嫌な顔ひとつせず、オーナーの林万記さんにはその場で快諾していただいたのは大変有り難いことだった。

ダイビングショップSIRENAのお店です。



3. 林さんとロタとの出会い


冒頭で述べたように林さんとロタとの付き合いは足掛け15年にもなる。非常に長い。当時、まだ青年だった林万記さんがロタに対して特別な想いがあったので、ロタ島に来られたのでないかと安易に憶測しがちだが、林さんが次のように答えられたのは私にとって大変意外だった。

「ロタは全く知らなかったです。そのときにちょうどパラオの方に行こうと思っておりまして、パラオの採用が、何人か応募枠があって、その中で採用されなくて、たまたま求人誌を見ていたら、ロタのパウパウホテルがあって、3年の契約で採用していただいたのです。最初はホテルの中のダイビングセクションがあって、今はそこのホテルはやっていないんですけれども、その中で3年の任期で来たのがきっかけです。それまではロタがサイパンとグアムの間にあることさえ知らなかったんです。」と林さん

実にロタと林さんとの出会いは偶然からはじまったものだった。当時林さんがパラオでの採用枠に希望通り入っていたら、現在のようにロタのダイビング文化はこの地に根付かなかったのかもしれない。しかし林さんの幼少期からの生い立ちを振り返ってみると、その出会いも偶然ではなく必然であることがわかる。

「ダイビングは高校に入って間もない頃ぐらいから初めていますので、かなりの年月が経っております。クラブ的なものには所属せずに、自分から参加しようと思ったのです。もともと水泳をやっていたので、水に対しては興味がありました。小さい頃から海に行ったりとか父親の実家が神戸のほうだったんで、淡路島とか伊豆のほうとか小さい頃からよくいってましたので、海というものには慣れてはいたということなんです」

「数ヶ月程日本でサラリーマンをしていましたが、もちろん海に関係したことで、東京に事務所があって、種子島に数ヶ月いたりして、その後こちらにきたのです。ただ仕事としてずっとやるとは思っていなかったんです。パウパウホテルで3年任期で来た時も3年の任期が終わったら日本に帰ろうと思っていたんです。」

林さんの幼少期、青年期を通じた経験は確実にロタの海と林さんをつなぐバイパスになっているが、3年任期で日本に帰国しようと考えていた林さんを長くこの地に引きとどめたものは何だったのだろうか? まさにパウパウホテルでの採用が一回目のターニングポイントとすれば、この転換点は現在のSIRENAの発展につながるかどうかの大きな分岐点である。

「2年ぐらい過ぎた時にロタのごみごみしていないというかもっと今よりも素朴だったんですけれどももっと海が今よりも綺麗だったのです。全体的に透明度が落ちて来ています。おそらくは2/3くらいになってきているんだと思うんですよね。当時はもっと島の人間もフレンドリーだったですし、世俗化されていないというか、今でも対して世俗化されていないんですけれどもそれ以上にもっと素朴だったので、まあ残ってしまおうかなと思ったのがあったんです。」

「都会のごみごみしたのが性に合わなかったというのがあります。生まれは東京は国立(くにたち)です。東京と言っても都会の方ではないので、こういった自然が多いほうが自分の性にあっていたんです。それでパウパウホテルでの採用が終わった後に、SINERAというお店を96年に開業して独立したんです。」


4. SIRENAの他の店とは違うPR点

「来ていただいたお客様一人一人にあったダイビングを提供しているということで、よそにはなく僕自身がここでの長い経験を生かして、やっていますのでここの海を誰よりも知っているというのが一つの特徴です。来てくれたお客様がくつろげるスペース、見ていただいたらわかるというかあまりコンクリートがないんです。日本から来ていただいたお客様はコンクリートジャングルの中で過ごしていますので、少しでも自然に触れられるようなショップ作りというかのんびりできる空間を提供する。あとはダイビング時のポイントの説明の際に私が書いた手書きのオリジナルマップを使って説明できるというのも一つの売りなのです。」と林さん

ショップに面した庭からの浜辺はなんとも心癒されます。

何とも気持ちよさそうなハンモックです。

ここでダイビング前に林さんからロタのポイント説明がされる。

自分は今回、初めてこのSIRENAのショップを訪問したわけだが、他のショップとは異なり、ロタならではの自然を生かした店作りがされているのに気がついた。ショップが浜辺に面していて潮騒の音がとても気持ちがよい。また、そのショップの庭ではたくさんの農作物が植えられていて、顧客の注文があれば、浜辺に沈むサンセットを見ながらBBQもすることは可能であるそうだ。そしてその横にはしっかりしたバーがある。実際に、ダイビングに来られた方を対象にしてカクテルもビールもでるという。なんだか至れるつくせりという感じだ。ダインビング前に林さんのロタでの長い経験を生かしたこきめ細やかなポイントの説明とこの自然を生かした店作りが多くのリピーターの方が戻ってきている原因となっているのではないだろうか (林さんの庭ではパパイヤなどのロタ産の果物もたくさんとれます。昨年山脇正俊教授が書かれたコラムにロタ食べ物に関する詳細な情報が載っておりますので連載コラム4 楽園ロタ島:清水と旨い食物を併せてご覧ください。)
「単純にネットを見て来られたというかたとリピーターの人の数を比較すると、リピーターのかたの方が多いのではないでしょうか。ほとんどリピーターで成り立っているようなものですから。パウパウホテルにいた時からの15年来の友人もつい先日も来ておりますし、そういう部分でここに長くいるもんだなという気がしているのと、あまり僕の中で商売気が無さ過ぎるのかもしれないですね。来てくれた方にお金を使って、飛行機にのってこんなところまで来ていらっしゃるのですから、のんびりとダイビングというものは競いあうものではないですから、その人たちにあったダイビングをなるべくこちらで提供できるようにしていますのでそのような部分で、何度も足を運んでいただけるのかなという気がしております。」

ショップの庭にあるバーはダイビング後の憩いの場?

庭で植えられた農作物。パパイヤ、ロタレモン、ニラ、茄子、ピーマン等豊富だ。

林さんの長男海斗君が赤株をとってきてくれました。

5. ダイバーから見た地球温暖化の影響

元アメリカ副大統領アル・ゴア氏が地球温暖化について語った「不都合な真実」が映画館で公開され日本でも注目を集めている。常に海に接しているダイバーの方はここ数年の変化に対して一番敏感であるに違いない。林さんはここ数年のロタの海の変化をどのように感じられているのであろうか(地球温暖化の影響については原亨氏の地球寒冷化に関するペンタゴンリポートををどうぞ)

「地球温暖化の影響で赤道近くの温度が常に上がっているので、最近は台風予備軍のような雲が発生していますよね。小さトロピカルストームが発生する確率がここ数年は増えてきています。それと台風シーズンが来るだろうというのが年間を通していつになるのかわからない。それから後は水温が暖まってきているのでプランクトンの発生が多くなってきたような感じなので透明度が悪くなってきています。透明度が悪くなってきているのは島のゴミの問題もありますし、近隣の島のゴミ処理の問題もあると思うんですけれどもね。見られる生物に関してはそれほど変わってはないです。グアム、ロタ、サイパン周辺の水位はここ5年くらいで20cm程上がっています。これからどんどん上がっていくのでしょうね。これからどのようになっていくのかわからないのですが」


6. ロタで営業する魅力と今後の展望

「ロタで営業する魅力は海の透明度と島の中に残っている自然ではないでしょうか? これだけ日本から近くてこれだけ透明感のある海というのはそうそうないですから。残していかないといけない海だと思いますので。グアムやサイパンはかなり海も汚れてきましたので。今後の展望としてはダイビングももちろん一番力をいれないといけないですし、もう少しG.Wとか夏休みとなった場合に親子自然教室のような他の店にはなく目の前には砂浜のビーチがあるというのと、ここで磯遊びであり、シュノーケリングであり、カヤックであり、それから近所のチャモロのおばさんに来ていただいて、やしの葉の手工芸、そのようなものをやったりと後はまあその時にBBQをからめたようなものをやりたいなと思っています。あまりにも日本の子供たちが遊ぶところを知らないので。そのような場所を提供したいと思っています。」と林さん

林さんの自然を生かした店作りというコンセプトは今後はダイビングだけにはとどまらず、日本の家族連れにも好評を得そうな企画まで目が向いているようだ。SIRENAとはチャモロ語で人魚という意味である。SIRENAというダイビングショップを通じて人魚がいそうなほど綺麗なロタの海と自然を求めて、一人でも多くの日本人の方がこの地を訪問していただけることを願ってやまない。
ダイビングの現場のスタッフは林さんと慶太さんとの2人体制。オフィスは林さんの奥様の久実さんが切り盛りされている。ボートキャプテンは林さんと元ダイブロタのオーナーのMarkさんとが交代で行われている。誰よりもロタの海を知るMarkさんと経験の長い林さんが働くダイビングショップSIRENAは、ロタではじめて訪れるダイバーにとってなんとも心強いショップである。(ライター:峯山政宏)


7. ダイビングショップSIRENAへの連絡先


ホームページはこちらをクリック!
電話番号:1-670-532-0304 Fax番号:1-670-532-0305
メールアドレスはこちらをクリック

左から店員の慶太さん、オーナーの林さんと林さんの奥様の久実さん


現在、サイパン、グアム経由でロタにアクセスするための航空便が減少しているために、日本の多くの旅行代理店がロタ島へのパッケージツアーを組むことができない状況です。ロタ島への旅行に興味はあるがどうやっていけば良いのかわからないという方がおられれば、上記のSIRENAの連絡先までご一報ください。いくつかの旅行代理店をご紹介いたします。それでは日本の皆様のロタ島へのご訪問を心よりお待ち申し上げております。(SIRENAオーナー:林万記)


夢ビジョン

地域通貨で島興し計画