ベジタリアニズム

世界中で動物保護や健康増進そして環境保護などのECOLOGYな根拠でベジタリアニズム(肉食をやめてしまう主義・思想)が注目を浴びている。これを実践する人をベジタリアンと呼ぶが人口は増加傾向にあり、地域によっては特別な存在ではない。日本では精進料理のお坊さんのイメージからか一般人のすることではないような無関心さがあるが、食への無頓着さや宗教的観念の希薄さは国際化する世界で日本人にとってマイナスである。私は2ヶ月前から肉食を辞めているが、単なる偏食(肉嫌い)ではない。むしろお肉大好き!お魚大好き!である。それでも肉ばかり食べていた時よりも自分の生活が改善されていることを体験した上でベジタリアニズムについての知識を持つことは実施するしない以前に肉食の人々にも必要だと考えた。単なるサラダ食いだという偏見や変な宗教じゃないのか?という誤解も多いベジタリアニズムについてこれから話したい。しかし宗教や栄養面、思想や具体的な食事の話をする前に基本的なベジタリアン知識として今回はその語源と世界でベジタリアンと呼ばれる人々の種類に触れたい。

語源


Vegetarianという言葉の語源は「野菜+人」ということで生まれたものだと思っていたが、英語のVegetableと語呂合わせをしただけでなくラテン語のVegetus(意味:完全な、健全な、活気のある、生命力にあふれた)に由来しているそうだ。1847年9月30日英国ベジタリアン協会の設立の際に造語された言葉だが、それまでの菜食主義者は古代ギリシャの哲学者ピタゴラスにちなんでピュタゴリアンと呼ばれていた。ピタゴラスの他にも有名な哲学者達ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどはベジタリアン生活をしていた。学問・思想・政治分野のみならず芸術・芸能、そして驚くべきことにスポーツ界にもVegetarianな著名人は少なくない。Vegetarianって痩せてひょろっとしてそうで「もやしっ子」のイメージなので肉を食べなきゃ力が出ないよ…と思っていたが、そうでもない。Carl Lewis(カール・ルイス)やAbebe Bikira(アベベ・ビキラ)などの陸上選手からテニスのMartina Navratilova(マルチナ・ナブラチロワ)、水泳のMurray Rose(マレー・ローズ)など肉食でなくても金メダル選手はいる。こういう著名人達は人間が本来もっている能力を最大限に生かすために菜食主義を実践しているVegetarianという語にその語源(Vegetus)から精神的にも肉体的にも元気な人、強い人という意味が含まれているのだと考える人がいるのも納得である。

種類

菜食主義者というのがVegetarianの日本語となるが、こうなるとベジタリアンは野菜しか食べない人!毎日サラダ!だという極論に走ってしまいがちである。確かに厳格なベジタリアンは鳥獣の肉、卵、魚介類およびそれらの副生成物(ラード、へット、ゼラチン、肉エキス、鰹節等の出汁、魚卵)が含まれるものを口にしないが、ベジタリアンには数種類の分類があるというのがあなた(Non-vegetarian)の知らない世界、私も2ヶ月前まで知らなかった世界。ベジタリアンの定義は基本的に植物性食品を食べることだが国際ベジタリアン連合やアメリカ栄養学会の基準からも乳製品や卵は許容範囲内となることが一般的である。しかしもちろん乳製品や卵は食べないとか、特定の植物も食べない、または魚や鳥はOKとなど食品別に分類される名称やウェスタンとかオリエンタルのように文化別名称で分類する名称がある。以下に各ベジタリアン族について紹介する。

 

〔食品別分類〕
Fruitarian(フルータリアン)
動物のみならず植物も本体を収穫する場合殺してしまうものは食べない。果物やナッツ類などを食べ、穀物や調理・加工されたものは食べないという厳格なベジタリアン。ニンジンやレタスも食べられないのでレストランにあるベジタリアン料理も食べれない可能性が高い。おまけにここまでくるとベジタリアンなのか単なる食べることを諦めた人なのかよくわからないが、水などの液体食のみを摂取するLiquidarian(リキッダリアン)や水も飲まないBreatharian(ブレサリアン)と呼ぶ言葉もある。リキッダリアンは栄養ドリンクなど分からないでもないが、人間は食べないと餓死する。科学的な証拠もないのでブレサリアンをベジタリアニズムの1種と考えるべきではないと私は思う。

Vegan(ヴィーガン)
20世紀半ばにVegetarianからetariを短縮してできたVeganと呼ばれるベジタリアンは食べることにおいて乳製品・卵・蜂蜜なども一切食べない。ヴィーガンになる理由としては動物愛護の精神からという理由が強そうだ。開発に動物実験を要した薬品・化粧品も使用を避けて皮革製品・シルク・ウール・真珠・珊瑚なども身につけない。

Lacto Ovo Vegetarian(ラクト・オボ・ベジタリアン)
動物の身体を損傷せずに得られる乳や乳製品、卵を摂取することはOKだと考えるVegetarian。特にヨーロッパなどで多数派のベジタリアン、私もここに分類されるベジタリアンだ。卵や乳製品がOKなので食べられるものも多く子供の頃からではなく菜食に改心した大人の初心者にとっては馴染みやすい。チーズやバターがOKなのでピザとかパスタとか肉さえ使わなければほとんど以前と同じように肉以外を楽しめる。ただしこれをステップに厳格なベジタリアンとなっていく人もいる。

Lacto Vegetarian(ラクト・ベジタリアン)
動物の身体を損傷せずに得られる乳や乳製品、卵を摂取することはOKだと考えるVegetarian。上記とほぼ同じだが卵は食べたらダメ。


Ovo Vegetarian(オボ・ベジタリアン)

名前の通りLactoだけだと乳製品だけOKなら、Ovoだけは卵OKの乳製品食べないベジタリアン。

Pesco Vegetarian(ペスコ・ベジタリアン)
昔ながらの日本の食文化だと言われているのが魚介類を食べるベジタリアン。卵や乳製品の他に魚介類を食べてもベジタリアニズムでは菜食主義者に含まれる。Pescetarian(ペシェタリアン)やFish Vegetaria(フィッシュベジタリアン)とも呼ばれる。健康的な食生活として肉食の危険を感じる推薦人も多い。

Pollo Vegetarian(ポジョ・ベジタリアン)
上記魚介類OKのようにこちらは鶏・アヒル・七面鳥などの飼育されてる家禽はOKという別名Chicken Vegetarianという部類もある。アメリカのヒスパニック系に多いそうだ。ということで哺乳類を食べなければ何らかのベジタリアンに類別されるようだ。実際に牛肉に比べて鶏肉は環境へも優しく、地球のためには牛肉を食べるくらいなら鶏肉派になるのは悪くないだろう。


〔文化別分類〕

Oriental Vegetarian(オリエンタル・ベジタリアン)
別名Asian Vegetarian(アジアン・ベジタリアン)アジア各国には仏教思想に基づく伝統的な精進料理がある。日本の質素な精進料理を想像してしまうかも知れないが、中国や台湾の精進料理「素食」は肉や魚介類そっくりのもどき食材で味から食感まで豪華なものもある。人間は肉無しで生きられるのか?ベジ肉もどき生活 私がベジタリアンだとカミングアウトすると知人は味を薄くした野菜を出してくれたが、ベジタリアンは薄味の野菜だけを食べるわけではない。アジアではインドが国民の60%、台湾が国民の10%がベジタリアンである。ベジタリアンを所属する宗教で実践している人もいる。精進料理でニンニクや玉葱などの球根類を避けるように仏教系の影響でベジタリアンになった人は五葷(ごくん)と呼ばれるニンニク・ニラ・らっきょう、葱(玉葱)、しょうが(浅葱)を食べない。私は別に宗教的な理由ではないので生姜もニンニクも今まで通り食べている。

Indian Vegetarian(インディアン・ベジタリアン)
インド人にVegetarianが多いのは上記の仏教の影響の他に肉食は避けるが乳製品はOKというLacto Vegetarianであるヒンドゥー教、動植物の殺生だけでなく無生物の破壊も含めてできるだけ回避するように努めるジャイナ教があるからだ。インディアンスタンダード 卵・肉・魚などを食べないことを基本に更にPure Vegetarian(ピュア・ベジタリアン)植物・乳・乳製品全てOK。Super Pure Vegetarian(スーパー・ピュア・ベジタリアン)生姜・ニンニク・イモ類などの根菜類、キノコは食べないが乳・乳製品はOK。Ultra Super Pure Vegetarian(ウルトラ・スーパー・ピュア・ベジタリアン)根菜類・キノコ類に加えて果物も乳・乳製品も食べない。葉や穀類で野生のものだけOK。

Western Vegetarian(ウエスタン・ベジタリアン)
イギリス・アメリカ・カナダなど肉食(ステーキとか)のイメージがある欧米にもベジタリアンはいる。欧米ではベジタリアンは一般的に認知されていることもありベジタリアン対応メニューも多い。単にWestern Vegetarianと呼ぶ時は乳・乳製品・卵がOKのLacto Ovo Vegetarianを呼ぶようだが、それらを禁止するVeganに当たる人々はStrict Western Vegetarian(ストリクト・ウエスタン・ベジタリアン)と呼ぶ。

知らなかった!という人が多かったのではないだろうか?ベジタリアンもピンからキリまで、苦行?!と言えそうなものから健康ブームやダイエットの一環として実施するには良さそうなものまでいろいろある。魚介類OKとか家禽類OKなんか見てるとあの人は実はベジタリアンだったのか?ということもある。ベジタリアンは自分には一生関係ないとか周りには1人もいないから…と言わずに少しベジタリアンについて知るのも悪くないと思ってもらえただろうか?私の家族はベジタリアンではないが「ベジの話」を聞いてくれる。ベジは時には驚きの思想で世界は救おうとしている地球セイバーだ。ベジは地球を救う?!

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