チュニジアの教育(世界の教育6)

チュニジア共和国(首都チュニス)は1956年3月20日にフランスから独立した北アフリカに位置するアラブ諸国である。国教はイスラム教公用語はアラビア語であるが、フランス保護下の影響でフランス語が普及しており学生はフランス語とアラビア語の両方の授業を受ける。バイリンガルやトリリンガルであることは珍しいことではなく、最低3ヶ国語を話せる人が多いのはアラブ地域によく見られる光景である。チュニジアは大変教育熱心な国であり、世界でも指折りの高い教育予算を政府は割いている。年間予算の20%以上は教育のために使われるため子供達は無料で受けることができる。教育システムは改革されイスラム教国にありがちなイメージとして女の子は教育が受けられないというのも改善された。地方の学校であっても女子の占める割合は高く科学や職業訓練をカリキュラムに取り入れるようになった。初等教育では47.4%、中等教育では50.6%を女生徒が占める。

チュニジア共和国 



チュニジアという国をよく知らない日本人は多いだろう。観光地として発展していると言うが、日本人の旅行先としてはあまり聞かない。イメージするのはフェニキア人によって建国されたカルタゴとその名将ハンニバルぐらいかもしれない。イスラム教と言っても比較的ソフトであると書かれている。ただし、お祈りや戒律などをしっかりと守る人ももちろんいるので洋服を着ていても(スカーフなどを巻いていなくても)配慮は必要である。

ハンニバルの戦闘教義(前編)

ハンニバルの戦闘教義(中編)

ハンニバルの戦闘教義(後編)

チュニジアの教育

国家予算の20%以上を教育にあてるというのはなかなかできないことである。日本の場合は国家予算のうち教育や科学技術のための費用が割く割合はせいぜい7%ぐらいだから20%以上という数値は凄いのである。

教育データ 初等教育(1-6年生):

学生

教師

学校

1992/1993

1,434,112

54,560

4,044

1993/1994

1,467,411

55,720

4,164

1994/1995

1,472,844

58,279

4,286

1995/1996

1,460,101

59,432

4,349

1996/1997

1,441,143

59,623

4,388

1997/1998

1,440,479

59,708

4,417

1998/1999

1,432,896

59,877

4,441

1999/2000

1,403,729

60,333

4,456

2005-2006

1,120424

 58,281

 4,492

出典: National Statistics Institute 2006.

2000年-2001年の6歳児の入学は99%以上、6歳~14歳の初等教育入学の確率は95.1%である。チュニジアでは宗教や性別に関係なく学校に入れる歳の子供全てに無料の教育が保証されることがこれに大きく影響しているだろう。6歳から16歳ぐらいの少年少女の誰もが無償で義務教育を受けることのできる環境にあるのだ。法律で義務の基礎教育は9年生まで、それから4年生の高校となっている。今ではチュニジア人の4人に1人以上が学校へ通い、2006年に中等教育を完了させた人々は1,100,401人になった。強く奨励される学問は外国語と新技術である。

教育データ 中等教育(高校卒業まで):

学生

教師

学校

1992/1993

567,381

26,097

625

1993/1994

605,935

26,817

665

1994/1995

662,222

27,785

712

1995/1996

725,926

30,170

760

1996/1997

789,620

33,591

829

1997/1998

833,372

36,528

888

1998/1999

874,814

39,148

938

1999/2000

908,248

42,377

985

2006

1,100,401

 

 


出典: Tunisian Ministry of National Education (2000).

高校では人類学・数学・科学・技術・経済経営学の5つの学科がある。

1966年10歳以上の人口の67.9%が読み書きができなかったが、2004年の非識字率は22.9%に大幅に減少している。チュニジア人のタオフィック博士のお話しから中学・高校生そして大学に通う学生の勉学意欲も高く、中東と言っても産油国ではないチュニジアがいかに教育に力を入れているのかが伝わった。タオフィック博士はオーストラリア、そして日本にも研究で立ち寄ったエコロジストである。アラビア語はもちろんフランス語や英語にも堪能で、アラビア語以外の外国語(主にフランス語)も幼稚園の頃から学ばれたそうである。一般でも小学校3年生以上は本格的にフランス語の授業で学んでいるといって良い。タオフィック博士の子供達は現在UAEのインターナショナルスクールに通っている。同じアラビア語圏であるが、ローカルの学校ではなく英語で授業を受けさせている。とはいえ、こちらのインターナショナルスクールはフランス語も学ぶ。UAEナショナルの子供もこういったインターナショナルスクールへ通わせている親はいる。日本人も海外で暮らすことになった時は子供をインターナショナルスクールに入学させる場合もあるが、チュニジアの子供は日本人の子供のようにESL学級から始めることは稀なようである。

もちろん初等・中等教育の後に高等教育(大学)に進学する子供も多い。2000年に6つしかなかった国内の国公立大学は今では13大学もある。私立大学は2006年に20校に増えた。高校最後の学年末に統一試験バカロレアを受験して上級の教育へ進学する。日本のセンター試験のようなものだろう、点数によって入学可能な大学や学部を選択希望する。高等教育省は品質をあげようと努力している。

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