クリスマス・キャロル

チャールズ・ディケンズ

英国ヴィクトリア朝を代表する国民的小説家Charles Dickens(チャールズ・ディケンズ)は世界で最も読まれているクリスマスの作品にクリスマス・キャロルという題名をつけた。クリスマス・キャロルとは祝歌や賛歌の一種で中世以来のイギリスの民衆的なキリストの誕生を喜び歌って祝うものである。

Charles Dickens wikipedia より

ディケンズは1812年2月7日にポーツマス郊外で海軍の会計吏ジョン・ディケンズとエリザベスの長男として生まれた。中流階級の家庭であったが、金銭感覚に乏しい両親のために貧しく学校教育は4年間しか受けられず、1824年に生家が破産。借金不払いのために父親がマーシャルシー債務者監獄に収監され、家族も獄中で生活することになった。しかしディケンズのみは親戚の経営していたウォレン靴墨工場へ12歳にして働きに出された。数ヵ月後に父親が出獄してディケンズはウェリントン・ハウス・アカデミーへ行くことが認められたが、このとき母親に強く反対された。こういった貧困や矛盾と対面した経験が、典型的な「道徳訓話」を国境や時代を越えて広範囲の読者に読まれる作品にしたと言われている。文盲の人々にも自分の作品が読めるようイギリスやアメリカで朗読会を開き、人々の前で自分の作品を朗読して人間愛やキリスト教的博愛を通じてヴィクトリア朝時代の社会改革を願ったようだ。

クリスマスキャロルのあらすじ

主人公Ebenezer Scrooge(エベネーザ・スクルージ)は「冷酷無慈悲」とか「守銭奴」という言葉がぴったりくる強欲で金儲け一筋の嫌われ者の老人。ロンドンの下町に同じくケチな共同経営者Jacob Marley(ジェイコブ・マーレイ)とスクルージ・マーレイ商会という事務所構えていましたが、マーレイは10年前に亡くなり今は出納係りのBob Cratchet(ボブ・クラチット)をこき使っていました。クリスマスの寄付を頼みにきた紳士にもクリスマスのディナーにスクルージを誘いにきた唯一の家族である甥Fredにも冷たい態度「Bah, Humbug!!(ふん、ばかばかしい)」と一蹴しました。イヴの夜、かつての相棒そして同じく強欲だったマーレイの亡霊が長くて重い鎖が絡みつき死後に苦しんでいる様子でスクルージの前に現れ、スクルージに対して死後の罰にこうならないようと忠告して消えていきました。その夜スクルージの前に過去・現在・未来へと誘う3人の精霊が現れました。最初の精霊は性悪爺さんになる前のスクルージのいる過去の世界を見せ、金銭欲と物欲に支配される前の夢があり素朴だった気持ちを思い出させました。2番目の精霊はクラチット家や甥の貧しくても明るくて愛のある家庭でクリスマスを祝う多くの人々を見せ、脚が悪いクラチットの末子ティムが長くは生きられないことを知ります。最後の精霊は未来のクリスマスで人々が評判の悪い男が死んだと喜び歌い祝う中、シーツに包まれた無残な死体から衣服まで剥ぎ取る日雇い女や盗品専門に買い取りを行う故物商の老人や、盗んできた品物を売りに老人と交渉する三人の男女の浅ましい様などを見せました。更にティムが両親の願いも虚しく若くして亡くなったことを知って荒れ果てた墓場である墓石を見たスクルージは、自らの名前が刻まれていることを知ります。評判の悪い男とは自分のことでした。恐怖と懺悔の気持ちで精霊に心を入れ替える約束をするスクルージは、現実の世界へ戻った後に積極的に行動し始めます。甥の晩餐会に出席し、莫大な慈善の寄付を行ってクリスマスを祝う人間的な部分を取り戻すのです。

勝手に英語講座:Bah Humbug!

日本ではクリスマスには毎年読んでいる見ている人も多いようで、ある家族では娘が毎年プレゼントを強請る日だと思っているようなので意識的に子供向けのクリスマス・キャロルを何冊も用意してビデオでも見せている。しかし全く効果はなく、その子は「サンタクロースなんて存在しなくて、最終的にお金を持ってる大人が子供にプレゼントを渡す話」だと認識している模様。確かにサンタクロースとクリスマスは直接的な関係はないし、スクルージのような醜い老人に子供は自分を投影できないのも無理ありません。グリム童話が子供向けにはその残虐性を削り、結末を変えているようにクリスマス・キャロルのようなハッピーエンドではなかなか戒めにはならない。どちらかといえば子供より大人が心を入れ替えれば幸せになれるとホッとしたり、せわしない年末にクリスマスの華やいだ気持ちや家族を思い出して和む物語なのかもしれません。

お金を儲けることは悪いことですか?

英語で守銭奴やけちん坊をscroogeと言うのは主人公スクルージの名前からきている。ユダヤ人の中にもスクルージはユダヤ人ではないと言う人もいるようだが、ユダヤ的な価値観を批判しキリスト教への(クリスマスを祝うように)改宗する話でもあるので金の亡者のユダヤ人が、キリストの誕生日であるクリスマスに三人の精霊に出会って改心する話とも取られている。著者ディケンズにとってこの拝金主義の主人公スクルージのモデルは強欲で冷酷な悪名高い金貸しというユダヤ性を持った人物であったことに間違いない。同じく強欲によって地獄で苦しんでいる昔の相棒マーレイもスクルージも、JacobとEbenezerというヘブライ語系の名前を持つ。ただしディケンズはユダヤ人と明言せずに社会にいるこういった主義や思想を持つ人物の道徳的復活を唱える小説として作品にした。そのためこの作品は普遍的な教訓として広範囲の読者層に読まれることとなった。

ディケンズにおけるユダヤ人とキリスト教徒 長谷川雅世に書いてるようにスクルージは元は婚約者もいて金への執着心が少ない男であったが、強欲のヤコブに取って代わられてしまった。現代日本にもユダヤ商法に取って代わられた者がうようよしている。ネットでもたくさん「金儲けを良いことか?悪いことか?」という議論が載っていますが、ほとんどの人が「生活するのに必要な金儲けが悪いわけない」「士農工商の名残だ」「合法だったら問題ない」と考えている。こんな意見の人々に応援されながら必要以上のお金を国家的秩序を省みず法の抜け穴をくぐって悪い金儲けをする人々がいる。企業や個人にとって商売をすることは自然なことだが、基本的に儲け方が問題でしょう。

客やパートナーを潰し、そのエリアを食い荒らすようなお金儲けは悪いこと、上には上がいることも認識すべきです(苛めているつもりが、自分で自分の首を絞めることになるでしょう)

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革命者としてのプロジャーナリストの情報転記


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