原発・正力・CIA


CIAと正力




出典:高騰する電気代と天下り利権
米国国立公文書館では解禁となった機密を公開している。CIAが日本に対して行った工作も外交機密文書も一部明らかになっている。『原発・正力・CIA』の著者は正力を利用しようとしたCIAとCIAを利用して夢を叶えようとした正力の動きが解説してある。

アメリカ(CIA)としては長崎と広島への原爆投下をした日本の反米世論を沈静化し、日本に核配備して共産主義勢力であるソ連や中国を威嚇することだった。そのためにはマスコミ(讀賣グループ)を使って自由に動かせるガチガチの反共産主義の正力松太郎は使える駒だった。CIAでは正力にポダムというコードネームをつけ、政界で影響力を増してからはポジャクポットという新しい暗号名をつけている。

正力松太郎


出典:欧州熱波による死者数

明治18年生まれ。地元の有力土建業者次男で高校時代は柔道の猛者。東京帝国大学卒業後は内閣統計局を経て警視庁に入り、牛込神楽坂署長、官房主事、警務部長と出世したが虎ノ門事件の警護責任で官界を去る。讀賣新聞の社主でプロ野球やテレビ放送を導入推進した。A級戦犯として巣鴨プリズンに入ったが不起訴となり総理大臣を目指して政治家となる。自分の夢のために日本への原子力導入を進め、原子力の父と呼ばれる。原子力委員長、科学技術庁長官、国家公安委員長を兼任。

テレビの父でもある正力の夢は、マイクロ波の放送と通信を全国に張り巡らしてテレビ・ラジオ・ファックス(軍事用含む)・データ放送・警察無線・列車通信・自動車通信・長距離電話などのあらゆるメディアを一挙に手中にすることだった。そのため巣鴨プリズン出獄後にアメリカ側(CIA)につきながらマイクロ構想に協力させようとしていた。しかし、イギリス側の吉田茂は正力をよく思っておらず反対する。

マイクロ構想実現のために総理大臣になろうとし、総理大臣になるために原子力発電導入を急ぐ正力にとって原子力が何であるかはどうでもよかった。もし原子力の反対が総理大臣になるために必要であったなら大反対していた。寿命というリミットが迫った正力にとって原子力導入という決断が引くに引けない原発地獄の日本を生み出すことを予期できなかった。結局正力は総理大臣になれず、衛星放送という新技術がマイクロ構想を葬った。

原発


出典:原発による広域的なヒートアイランド現象

世界最初の被爆国になった日本は、第五福竜丸事件で水爆でも最初の被爆国になった。しかし首相になって夢を果たそうとした正力は被爆国に原子力発電導入をしてしまった。もちろん讀賣(マスコミ)にのせられ巨人軍にしか興味のなかった国民、そして原子力によって恩恵を与えられた科学者や政治家も悪い。正力は原子力がどんなに危ないものかもどんなに将来の日本の負債となるかも知らず、結局私たちは正力の尻拭いを任された。当時は原水爆反対平和運動を起こして3000万人以上が原水爆禁止の署名を行う騒動へと発展した。それが今でもアトムズ・フォー・ピースを信じて二酸化炭素を出さないと支持する者まで現れている。原子力を否定すると仕事がなくなってしまう、困る人がたくさんいる。だからといって原子力の危うさに目をつぶり続けることは、正力と同じ過ちを繰り返すことにならないのだろうか?

なぜフランスではこんなに温度上昇が激しかったのか。原因の一つとして考えられるのは、フランスに59基もある原子力発電所である。原子力発電は、フランスの発電量の74.8%を占めている。フランスの総発電量は、世界第8位でしかないにもかかわらず、フランスの原子力による発電量は、アメリカ合衆国に次いで世界第2位である。フランスがいかに原子力大国であるかがわかる。 原子力発電は、火力発電よりも効率が悪く、エネルギーの三分の二を廃熱として捨てている。
出典:2003年のヨーロッパの熱波(永井俊哉)

関連コラム:原子力発電 永井俊哉著

参考コラム:原子力発電所 原亨著

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