第3回 FC EXPO セミナー in 大阪への参加レポート
1.燃料電池バスに乗車体験談
2007年12月04日(火)から05日(水)の2日間にわたって開催された「第3回 FC EXPO セミナー in 大阪」で、「おおさかFCV推進会議」による燃料電池試乗会 ( http://www.osaka-fcv.jp/expo2007/ ) が同時に開催されていました。東京では長い行列ができるほどの人気があります。燃料電池自動車の試乗会についてのレポートは、【体験レポート】燃料電池自動車・水素エンジン自動車の試乗会 にもありますので、私はそれ以外のことを中心に書きましょう。
私が乗ったのは、トヨタの燃料電池+バッテリーのハイブリットバスです。乗用車の方は予約がいっぱいで乗れませんでした。モーターショーみたいに車の横にお姉さんはいません。いるのは技術者の人たちです。実際に燃料電池車や水素エンジン自動車に乗ったり、技術者の人たちとお話をするには、東京よりも大阪の方が人が少ない分、良さそうです。バスに乗るには、早めに会場に行き、乗車予約すればOK。東京ビッグサイトでは人が多くてなかなか乗れませんが、大阪なら比較的楽です。会場の周囲をゆっくり一周するバスで10分弱のコースでしたが、私が乗ったのは、午前中の早い時間帯だったせいもあり、数人しか乗らず、技術者の方といろいろお話できました。低床タイプのバスで、乗るのが簡単。LPGバスみたいに燃料が上にあるわけです。燃料となる水素は、350気圧の水素ボンベで8本載せています。プロパンガスのボンベみたいなものなのでしょうが外からはわかりませんでした。
水素は、水素ステーションで充填するそうです。停車中にエアコンを切ってもらい、走行時の音を聴いてみたのですが、モーターの回転音はほとんどしませんでした。電車のように発進時くらいはインバータの音(京浜急行の快速特急が発進する時のアレが好きです)がするものだと思っていたのですが、バスに乗っている間は気がつきませんでした。これはすばらしいのですが、自動車が接近しても気がつかないため、わざと音を加える対策が必要になりそうです。バスが会場周辺をぐるっと回るので、信号で止まったり動いたりする際、スムーズに動き、ゆれが少ない。マニュアル車や電車のように、ガクンと反動が来ないのは、無段階にモーターの回転トルクを増減させているようです。足腰が弱い人が乗っても倒れることはなさそうです。環境に良い、高齢化社会にも良いといったところです。水素が燃えた後、水(水蒸気)が発生します。燃料電池の時代になると、車は窒素酸化物ではなく、熱と水蒸気を撒き散らしながら走るため、大気汚染は減るでしょう。
バスを降りた後、バス後部の下にあった排気口に手を当てたり、匂いを嗅いだりしたのですが、生暖かい無色無臭の温風でした。走行時は暑い温風になるのかもしれません。止まってから数分後だったため、水がポタポタ落ちてはいませんでした。帰りにバス乗り場を見たら、バスが同じ位置に停車して、何度も乗り降りを繰り返しているせいか、バスの停車位置には水が流れた跡が残っていました。交差点の周辺に水溜りがいつも出来ているようになるのかもしれません。水が貴重な国だと、その水を有効活用して街路樹にやる水をいくらか賄えるかもしれません。技術者に「北海道みたいな寒冷地でも凍結しないのですか?」と質問したところ、問題ないとのことでした(この点については本当かなあと思っています)。技術者の説明によると、水素を1kgで10km走ることができるため、フルに水素をボンベに詰めれば200km走ることができ、都市内を走るバスだったら1日の走っても大丈夫だそうです。外見でいうと、広告が窓の部分にも広がっていてとても目立ちますが、中から外の景色はよく見えました。冷房の効率を上げるため、金属板に無数の小さな穴を開けているためで、普通のバスでも採用すると良さそうです。警察のバスみたいに重々しいものではありませんでした。このアイディアは既存のバスに応用できそうです乗用車でエアコンをかけると燃費がガタッと落ちるの転している方は実感していることと思います。このまま、原油価格が上昇したら、バス会社も経費節約のために穴あけ金属板を窓の外側に取り付けるかもしれません。省エネとか改善が得意な日本人だと初期コストがかかる燃料電池バスよりも、LPGバスで当面しのぐことになるのではないかと感じました。
2.セミナーについて
セミナー会場は、800人程度受講可能でしたが、会場に入りきれない位大勢の方がセミナーを聴きに来ていました。セミナー会場の横で、立っても聴く事は可能ですが、配布資料もありませんから、予約した方が良さそうです。当日の会場を撮影した写真が、公式サイト( http://www.fcexpo.jp/osaka/ ) に、掲載されています。1日目で一番多かったのは、【補給戦】燃料電池の量産化と大阪ガスの選択の記事に紹介した、2007年11月27日の日経新聞TOP記事「家庭用電池量産化へ」に関連した講演、三洋電機の笠原さんの講演「家庭用燃料電池システムの商品化最前線」でした。原油がいずれ枯渇するのが見えてきて、原油に代わる代替エネルギー源として、燃料電池に対して追い風が吹いているのを、目で見える形にしたのが、大勢の人が聴く会場の光景ではないでしょうか。
3.会場での展示について
(1) 中小企業によるブース展示
関西の中小企業で、環境に関連した展示を行っていました。測定器やフィルター、燃料電池の部品、高圧ガスボンベ、水素を吸収する素材、教育用の実験キットなど、燃料電池や水素を利用する技術の製品や試作品が展示されていました。高温高圧の環境でも大丈夫な部品や測定器や、カーボンナノチューブなどの微細技術、非常に細かい粉末の展示など、基礎研究を支える技術の展示もありました。
(2) 特別展示:おおさかFCV推進会議の展示
2003年09月17日、水素エネルギー・燃料電池自動車などの普及に関係する在阪官民によって設立された団体。(大阪府、大阪市、近畿経済産業局、近畿運輸局、(学)大阪産業大学、(財)大阪科学技術センター、関西電力(株)、大阪ガス(株)、岩谷産業(株)、(株)栗本鐵工所、ダイハツ工業(株)、松下電器産業(株))1階受付で、燃料電池試乗会 ( http://www.osaka-fcv.jp/expo2007/ ) も実施していました。トヨタ、ホンダ、マツダの車がありました。会場内では、水素吸蔵ボンベで動く電動車椅子やカート車の展示、水素吸蔵ボンベに水素を充填する装置の展示をしていました。また、カセットコンロ用のボンベみたいな形にすれば、取り扱いが楽なのですが、コストがどうしても高くなる。使い捨てだと環境によくない。そういうデメリットを解決しないといけないのですが、どうしても必要だからコストが高くてもOKだという用途には使えそうです。
(3) 特別展示:(財)新エネルギー財団の展示
新エネルギー財団が平成17年度から実施している「定置用燃料電池大規模実証事業」で実際に設置している燃料電池システムの展示を中心に、燃料電池の仕組みを解説するビデオや、実証実験の様子をビデオで説明していた。こちらは家庭用燃料電池システムが中心です。エコキュートとエコウィルどっちがエネルギー効率が良いかという比較は、IHコンロと高機能ガスレンジの比較にどこか似ていて面白い。日本人はお風呂に毎日入る人が多いから、お湯のニーズが多いため、熱エネルギーの利用率を上げられる。エネルギー源を水素に限定しなければ、コジェネレーションシステムは病院や工場、大規模マンションで採用されているため、大規模設備ではどうなのかという説明がほしいところです。
4.次回の燃料電池展は東京ビッグサイトで開催予定
第4回国際水素・燃料電池展 FC EXPO 2008
4th Int'l Hydrogen & Fuel Cell Expo
公式HPはこちらです
日時:2008年02月27日(水)-29(金)
会場:東京ビッグサイト FC EXPO 2008内
主催:経済産業省、リード エグジビジョン ジャパン株式会社
2月末に東京ビッグサイトで、燃料電池展がありますので、燃料電池について興味を持たれた方は、ぜひ実際のモノを見て、触って、体験してみてください。
※次回のコラムは、「第3回 FC EXPO セミナー in 大阪」で聴講した講演会の様子をレポートする予定です。
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