世界中に多くの通貨が存在するのに、TVや新聞で伝える為替相場の情報は1ドル何円といった円ドル相場だけしか伝えていません。1ユーロ何円という情報が加われば良いほうです。12月に入って、1ドル=114円台になったり118円代になったしているものの、おおまかに見ると1ドルは105円~125円の水準を行ったりきたりしています。ところが、対ユーロでみると、1ユーロ=150円を超え、円の価値は最安値の水準です。1ユーロが90円を割っていた頃もありましたから、円・ドル・ユーロの関係でいうと、円安ドル安ユーロ高になります。
別段、ユーロが強いからというわけでなく、円もドルも国際的な力を失いつつあると市場が判断しているからです。敗退がほぼ決まったイラク戦争の行方や、日本がドルを買い支えても先がないと足元を見られています。他国に目を向けると、東南アジアの通貨、タイ・バーツなども数年来のドル安バーツ高で金融当局により市場介入をするしないという話題となっています。支那の元についても、元の切上げ圧力が強まりつつあります。中東の産油国もいまではユーロでも石油を売り、ドルの保有割合をどんどん減らしています。中東でもユーロのような統一通貨を作ろうという動きがあるのですが、ドルにリンクするか、ユーロにリンクするか、両方の通貨のバランスをとるか議論がまとまらず、とりあえず結論を先送りしています。
砂漠の民はしたたかです。アメリカが強かった時代はドルでしか石油を売らなかったのですが、アメリカが弱くなった途端、ユーロでも石油を売るようになりました。ユーラシア大陸の共通通貨はないのですが、事実上ドルが流通していたのが、次第にユーロに置き換わりつつあるのが現状です。ドル以外だとGOLDが使われていますが、GOLDは630ドル前後で推移していますので、一時期に比べれば2倍以上となっています。ニクソンショック以後、金本位制度が崩壊し、石油ドル本位制度が続いていましたが、21世紀になって、米国の衰退がはっきりするにつれ、ドルもまた弱まってきています。海洋国家(米国、英国、日本)が大陸国家(EU、ロシア、支那)に逆転されつつあるといっても良いでしょう。この動きは大陸国家の力の源泉となる資源価格が暴落するか、石油があまりいらなくなる社会に変わるエネルギー革命が起こらないと数十年続くこととなるでしょう。
橘みゆき 拝

コメント
1979年から10年、ソ連がアフガニスタン軍隊を出しました
が、膨大なお金が使われ、ソ連崩壊の1つの要因となりました。
アメリカがイラクに侵攻した後、膨大なお金が使われています。
今後、イランにも戦線を広げるならば、さらにお金が必要です。
アメリカ国内の税金でまかないきれませんから、日本からマネー
を、中東諸国から石油を巻き上げて戦費に充てるしかなさそう
です。
となると、日本からマネーの流れを止めるか、中東から石油を
巻き上げる仕組みを止めると、戦争遂行できなくなるのでは
ないでしょうか。
例えば、日本が経済的にメロメロになり、マネーを出せない状況
になってしまったり(大地震などだと止めようがない)、石油の
決済をドルではなく、ユーロでやると発表して、石油・ドル本位
制が終焉してしまう。この両方ないし、片方が発生したら、
イラン戦争を回避できそうです。むろん世界経済はメロメロに
なってしまうのは避けられないので、平和がもたらされたけど
貧しくなったという結果となりましょう。
地震は自然災害なので、なんとも言えませんが、石油の
ユーロ決済(別にユーロでなくても、中東共通の通貨でもOK)
は中東の意思でやる/やらないを決めることができます。
Posted by 橘みゆき at 2007年3月 5日 00:24
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