2004年、デイ・アフター・トゥモロー(The Day After Tomorrow) の映画が日本で上映されました。この映画は大ヒットしました。ぜひDVDを購入するなり、レンタルして見ていただきたい映画の1つです。温暖化が進んだためメキシコ湾流が止まり、世界中の天候が急速に悪化し、地球規模の巨大な嵐が発生した。この嵐が去るまでの間(映画では1週間程度)、アメリカでは北から南へ大勢の人が避難していった。環境学者の主人公はNYに留まった息子を救出するために北に向かったというお話なのですが、内容の詳細は 公式ページ を見てください。この映画は、あまりに現実離れしているのですが、2003年10月に米国国防総省により発表された「急激な気候変動シナリオとそれがアメリカの国家安全保障に与える影響」というレポートを基にして作られています。温暖化といえば、海水面が上昇により、海岸沿いの都市や南太平洋の島が水没したり、砂漠の拡大といった漠然としたイメージで捉えていた私にとって、この映画で示す未来シナリオは予想の範囲を超えていました。環境悪化による影響は食料自給率の低い日本を直撃します。
メキシコ湾流が欧州を暖めている
世界地図をみると、南欧で温暖なローマは北緯40度付近にあります。日本ではちょうど雪国の秋田になります。秋田と同じ位の気温というイメージだと、北緯50度を超えているロンドンやアムステルダムあたりになるのではないでしょうか。暖流であるメキシコ湾流が欧州、イギリス、北欧を超えて北極圏を暖めています。そのため、欧州は高緯度の割には寒くないという説明を地理の先生が言っていました。欧州での食料生産可能な環境を支えているのがメキシコ湾流なのです。一方、日本の場合はどうかというと、オホーツク海から寒流の親潮が南下していますので、寒くなってしまいます。ヤマセが吹くようになると冷害が起こり、米不足となります。
天候の悪化が社会を乱す大きな要因である

食料不足が長期化すると社会の混乱は避けられません。フランス革命の原因の1つに食料不足による市民の暴動が上げられます。ちょうど前後して日本では天明の大飢饉が発生しています。日本では岩木山と浅間山が噴火し、アイスランドではラキ火山が噴火。噴火による火山ガスによる影響で、北半球はちょうど霧に包まれた状態となり、気温は下がり、冷害をもたらしました。

社会が混乱する時、先立って自然災害が発生しています。1年程度なら備蓄した食料や燃料で食いつなげますが、寒冷化や乾燥化が長期化した場合、飢えて死ぬか、故郷を捨てて暖かい場所へ移動するか、どちらか選ばなければなりません。支那の歴史を見ると、北の部族が武力で南に何度も攻めています。
生き残りをかけた争い
温暖化のシナリオでは、日本をはじめ東アジアや東南アジアのモンスーン地域は、洪水が多発するほど雨がよく降りますが、ユーラシア大陸の内陸部では乾燥化が進み、砂漠が広がると予想されています。従来の温暖化シナリオでも寒冷化のシナリオでも北米大陸は食料が減産となりますから、自国民を食べさせるのが精一杯でとても日本に輸出する量が確保できなくなります。そうすると、日本の食料自給率が4割程度なので、多少増産が可能になったとしても1億2千万人もの人を養うことができません。江戸時代水準の3千万人程度でしょう。また、大陸から日本列島に大挙して民族大移動も起こるでしょう。ただでさえ少ない食料を奪い合う事態となり、日本各地で暴動が発生するのは避けられません。多くの日本人が飢えて死ぬか、食べるために外国へ移動するしかありません。SF映画に出てくるようなゼリー状のもので栄養が補給できるようになれば話は別ですが、そういう状況だと食事は味気ないですね。

橘みゆき 拝
【関連記事】
天地球寒冷化に関するペンタゴンレポート・1(執筆:原 亨) 2007年01月22日のコラム

コメント
災害時や戦争や国家破綻などの危機的な状態において最も役立つのは普段からの行いだそうです。
何の労苦もせずに他者の支援を求める人間は簡単に詐欺師に喰われます。
これからが日本の正念場ですね。
Posted by 陸遜 at 2007年1月24日 03:51
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