環境省が発表した 平成17年度(2005年度)の温室効果ガス排出量速報値 によると、日本の温室効果ガスの総排出量は13億6400万トン(国民1人あたり10トン)に達し、ました。京都議定書で、日本は1990年の排出量から6%削減することを約束していますが、逆に8%増となっています。2008年から2012年までの5年間に排出する温室効果ガスが評価の対象となりますので、もう来年から平成17年度比14%減(ほぼ1/7)を達成していないといけないのですが、日本は国全体としてエネルギー効率が良いので、ここから14%減はかなりきびしい。また対策が後になればなるほど5年分の温室効果ガスの総量が決まっていますから、先延ばしはできません。 環境省では、エネルギー起源Co2の部門別排出量をまとめています。産業部門(工場等)、運輸部門(自動車、船舶等)、その他の部門(商業、サービス、事業所等)、家庭部門、エネルギー転換部門(発電所等)に分類されます。Co2の排出量は、単純化すると、景気が良くなると増え、不況になると減ります。猛暑や暖冬になると冷暖房の需要が増えます。 6月になったこともあり、クールビズとか、温暖化に関するTV番組が特集されたりしていますが、チーム6%の名前が先行して、いまの状態から6%減でいいと勘違いされるかもしれません。減少させないといけない割合は14%なのです。車の運転を控えるとか、節電、節水など、今まで取り組んでいたことを継続しただけでは達成は不可能です。 国内でできることといえば、不況にしてしまって産業の活動全体を抑えるか、ガソリン代や電気代を大幅にUPさせて、強制的に使用量を減らすなど、効果的な選択肢(しかも経済に対するインパクトが大きすぎる)が少ないのが現状です。コンビニやファミレスなどの24時間営業の店舗の営業時間を短縮したり、自動販売機の節電促進をしても、焼け石に水でしょう(やらないよりやった方が良いのですが)。排出権取引を使う方法もあるでしょうが、現在、温室効果ガス1トンあたり2万円前後で取引されています。日本が排出権を買い占めるのは目に見えていますから、今年、来年、再来年と排出権の価格が高騰するのは明らかです。こうして考えて見ると、20世紀のライフスタイルに代表されるエネルギーを大量に消費する生き方を続けることはもうできません。できたとしても長続きしません。地球上の人達がアメリカ人のようにエネルギーを浪費したのでは地球はあっという間に干上がってしまいます。となると、21世紀的なライフスタイルというか、持続可能な程度にエネルギーを節約していく生き方を模索していかないと、未来がないということになります。現在の20世紀的なライフスタイルと比べると、だいぶ異なるでしょう。今を生きる私達が、抜本的な生き方を見直して、持続可能な道を選ぶか、現状どおりの道(持続不可能な道)を選ぶかで、人類の未来が明るくも暗くもなります。言い換えると、子供達がよりよい環境で暮らせるようにするか、自分が楽しむために子供達の未来を奪うのか、選択を迫られているということになります。子供を持つ母親ならば前者を選択しますが、享楽に溺れている人は後者を選択するでしょう。

今日と明日の間に断層がある。もしかしたら、断層を渡っている最中なのかもしれません。一部の人は断層の向こう側に行って、21世紀のライフスタイルを身につけているだろう。そんなことを、ずいぶん昔から言っている人がいます。藤原直哉さんが1994年に書いた短編小説『歴史の彼岸』 がインターネットラジオできけます。15分程度ですので、時間があるときに聞いていただければ幸いです。
橘みゆき 拝
【参考リンク】
1994年作短編小説『歴史の彼岸』 藤原直哉の「21世紀はみんながリーダー」 2006/06/13
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