取り付け騒ぎを起こした米国地方銀行インディマックが破たん
米国連邦預金保険公社(FDIC)は11日、カリフォルニア州の地方銀行、インディマック(資産規模:320億ドル)が経営破たんしたと発表しました。インディマックは、1985年にアメリカの住宅金融最大手のカントリーワイド・フィナンシャルが設立した地方銀行です。住宅ローンを幅広く手がけていたため、米国住宅バブル崩壊(サブプライローン問題に伴う住宅市場の縮小)により、融資が焦げ付き、赤字を出していました。先月(2008年6月)下旬、上下両院合同経済委員会の委員長を務めるシューマー上院議員がインディマックが破たんする可能性を示唆する発言をしたことをきっかけに、取り付け騒ぎが発生し、自主再建断念に追い込まれました。 今後は、米国連邦預金保険公社(FDIC)が管財人として業務を引き継ぎ、受け皿を探すことになります。 米国の主な銀行は住宅バブル崩壊による巨額の損失により、株価が急落し、株価が20ドルを割ってきている大手銀行が出てきました。この水準は倒産価格の水準と評される価格です。なかなかどうしてシティバンクなんか、しぶといものです。[ CITIGROUP INC: 16.19ドル(7/11)] 現在は、地方銀行レベルですが、他の地方銀行だって同じように苦しいし、大手銀行にも波及しないとは私には思えませんから、今後、破たんする米国銀行が続くこととなりましょう。
【ニューヨーク=山本正実】 米連邦預金保険公社(FDIC)は11日、米カリフォルニア州の地方銀行で、住宅ローン大手のインディマック・バンコープが経営破たんしたと発表した。 資産規模は約320億ドル(約3兆4000億円)と、破たんした米銀では過去3番目の大きさ。米銀の破たんは今年5件目となる。 米国では、米連邦住宅抵当公庫(ファニーメイ)など政府系金融機関の株価が、経営の先行き懸念から急落している。インディマックの破たんで、金融不安の再燃に拍車がかかる可能性もある。 インディマックは今後、FDICが管財人を務めて事業を続け、受け皿となる支援企業を探す。 インディマックは個人向け住宅融資事業を展開し、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」などを貸し付けて事業を拡大してきた。しかし、融資の焦げ付きが急増し、経営が悪化していた。 米銀の破たんとしては、1984年のコンチネンタル・イリノイ(資産336億ドル)、88年のファースト・リパブリック・バンコープ(同333億ドル)に次いで3番目の規模となる。
[ニューヨーク/パサディナ 8日 ロイター] 米住宅金融大手のインディマック・バンコープは8日、有力上院議員が同社が住宅危機を乗り切れるかについて疑問を呈して以来、預金の引き出しが加速していることを明らかにした。 同社株は38%下落して0.44ドル。株式を公開している独立系住宅金融会社としては最大手の同社が経営破たんすれば、170億ドルの預金が連邦預金保険保護下にあるため、当局にとっては頭痛の種になる可能性がある。 フリードマン・ビリングス・ラムゼーのアナリストは、同社が大方の住宅ローン業務の停止を決め、増資する能力もないことから、同社株の目標株価を1ドルからゼロに引き下げた。 プライベートエクイティのスターリング・パートナーズの子会社プロスペクト・モーゲージは8日遅く、インディマックのの60支店以上のリテール部門(従業員750人)買収することで合意した。金額は明らかにされていない。 インディマックは当局に提出した文書のなかで「預金引き出しの加速」に直面していると指摘し、上下両院合同経済委員会の委員長を務めるシューマー上院議員が6月下旬に同社破たんの可能性を示唆した発言に言及した。
銀行が破たんに追い込まれる速度が1桁速い
北海道でG8サミットをしている間にも、アメリカの金融システムが悪化していくようすは、日本の事例と比べて、スピードが10倍くらい速く感じます。時価評価というものは、経済が右肩上がりの時はアクセル効果になりますが、いったん経済が低迷する方向になると、とたんにボロが出てしまいます。この時、ウォール街の当事者達は問題解決のために汗を流す(責任をとる)ことはせず、さっさと退職金をもらって逃げてしまいます。逃げ遅れた人が、万策尽きて、政府に泣き付いて、結局、国民の税金で尻拭いをしてきた。そういうみっともないことの繰り返しだったのではないでしょうか。今回はとにかく金額が大きい。兆の単位を超えて、京の単位ですから、日銀がいくらマネーを刷っても、大きな穴を埋めることは不可能です。バブルの歴史にまた1ページ追加され、後世の経済学者により、理論整然としたバブル発生から崩壊までの過程が語られ、教訓がもたらされるでしょう。・・もし未来に人類が生き残っていればですが。
住宅バブル崩壊による金融システム不安は、どの国も似たりよったり
日本での金融破たんの流れでいうと、現在、大阪の木津信用金庫が破たんする直前、大勢の預金者達による取付け騒ぎが発生した時点に相当しそうです。日本の場合は簿価による評価で損失を隠したので問題を先送り(解決ではない)でき、時間がかかりました。アメリカの場合、時価評価のため、経済が下げ方向になると、損失が損失を生み、損失を少なくしようと動くとますます資産価値が下がります。本来であれば誰も買わない債券は価格がゼロなのですが、前回の決算直前に、あのアメリカが粉飾決算の薦め(適当な理論価格で評価していいよ)を言い、大手銀行や大手証券会社が債務超過にならないようにしました。それゆえ、誰も決算の内容を信用することが出来なくなってしまいました。とにかく資金繰りが続くように中央銀行がマネーをばらまいて、金融システムが破たんしないようにしてきたのですが、日本の事例を見ると、それでは問題が解決できずに、どんどん問題が大きくなっていってしまいます。 アメリカがダメでも、EUや他の地域は大丈夫かというとそうではありません。住宅バブルは世界規模のものでしたので、ヨーロッパもアジアもオセアニア(ニュージーランドも含む)も遅かれ早かれ状況は似たり寄ったりです。 今後、どうなるのか、生き延びるためには、どう対応すれば良いのか? それを知りたければ、バブル崩壊の歴史を振り返って、当時と同じところ、違うところを把握しながら、自分が当時生きていれば、どう対応しただろうかと、考えて行動することが必要です。誰かに教えてもらえる代物ではありません。
橘みゆき 拝
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