ファニーメイとフレディマックに最後の貸し手が登場するか?
米国連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米国連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に対して、米連邦準備理事会(FRB)が資金を直接貸し出す支援策を検討しているという記事が日本経済新聞に掲載されていました。7月11日、ニューヨークタイムズが「両社が国有化されるのでは」という記事を掲載したため、金融市場は冷や水を浴びました。この記事は鎮痛剤的な効果をもたらすだろう。 中央銀行であるFRBが『最後の貸し手』として、資金繰りに苦しんでいる金融機関に貸し出すということは、日本でいう『日銀特融』の発動に相当します。今年(2008年)3月に、ベア・スターンズ(The Bear Stearns Companies Inc.)がJPモルガン・チェースに買収されることが決まった際、JPモルガン・チェースに対して、FRBが資金を貸し出しました。再び、最後の貸し手が登場する事態になっています。今回は検討中という記事ですから、ファニーメイとフレディマックの信用をこれ以上悪化しないようにしたいという当事者達の希望を伝えています。FRBによる直接貸し出しの先には国有化ということになります。 日本の住専に公的資金を投入する際、国民の大反対にあいました。アメリカの場合は、どうなりますでしょうか。どうにかして、アメリカ国民全員の負担を避け、外国投資家(特に日本)にツケを押し付けたいところ。ファニーメイとフレディマックが抱える損失はとにかく巨額ですから、いかにして借金を踏み倒そうとするのか注目し続けていきたいところです。
【ワシントン=藤井一明】 米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)について、米連邦準備理事会(FRB)が資金を直接貸し出す支援策が11日、浮上した。公定歩合による窓口貸し出しと呼ばれる制度。FRBが「最後の貸し手」として緊急時に必要な資金を供給する手段で、資金繰りを助けるとともに、中央銀行の関与を通じて信用を補完するのが狙いだ。 窓口貸し出し制度は3月の証券大手ベアー・スターンズの経営危機に合わせ、銀行から大手証券会社に適用対象を広げた。FRBと傘下の地区連銀との取り決めによって金利や期間、対象などを見直せることになっており、ファニーメイとフレディマックへの適用も特別な立法を伴わずに実現できる可能性が高い。
米政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の経営不安が表面化し、金融市場に再び緊張が走っている。米紙が「政府が国有化検討」と報じたことで週末11日のニューヨーク株式市場は売りが殺到し、ダウ工業株30種平均は2006年7月以来約2年ぶりに1万1000ドルを割り込んだ。金融システム不安に発展する危険もあり、政府は、連邦準備制度理事会(FRB)による直接貸し付けも含めた救済策の検討を急いでいる。 11日付の米紙ニューヨーク・タイムズは政府が両社の国有化を検討中と報道、株式が無価値となるとの連想から売りが殺到、両社の株価は昨年のピークから80%下落し、過去16年で最低の水準に落ち込んだ。 「両社は住宅市場に重大な役割を負っている」(バーナンキ議長)。連邦法に基づき設立され、住宅ローンを買い取って証券化、住宅融資向け資金供給の循環をつくり、米政府の持ち家政策の促進という公的役割を担ってきた。保証・保有するローンは全残高の半数以上の約5兆ドルに上る。 しかし、低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題の深刻化で焦げ付きが住宅ローン全体に拡大し、両社の資産が劣化。3月末時点で両社の評価損は約110億ドルに上ったが、損失はさらに膨らんでいるとみられ、証券大手リーマン・ブラザーズのアナリストは7日、数百億ドルの資本増強が必要と指摘。これを契機に、経営不安説が広がった。 両社が資本不足に陥れば住宅ローンの買い取りや保証業務が困難となり、住宅ローン金利の上昇を通じて住宅市場が底割れするのは必至。両社が発行する住宅ローン担保証券の価値も急落して、投資家が損失を被り、世界的な金融危機に発展しかねない。
アメリカの金融システムは綱渡りを続けていますが、日に日に綱がだんだん細くなったり、削られたりして、安定度が低下する一方です。
橘みゆき 拝
【関連HP】
日銀特融 (Wikipedia)
最後の貸し手 (Wikipedia)
関連コラム:日本人の自衛策(新生日本の証明戦)
